契約の花嫁4 |
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ぶわーっはっはっは・・・・ 学食に遠慮の欠片もない馬鹿笑いが響く。 「お前それで全部食べたのかよ〜〜」 「笑うなっ」 怒鳴るオレにゼルやアメリアの肩まで小さく震えている。 昼の時間の食堂であの後どうなったと聞くから話したのに。 こんな事なら正直に話すんじゃ無かった。 「お前もう尻に敷かれてるよな」 「尻って・・・リナが怒ると怖いんだぞ。 お前らだってみただろうが。 第一すでに敷かれてるお前に言われたくないね」 未だに腹を押さえて笑っているルークに拳を繰り出せばあっさりと止められ、椅子に座ったまま力比べになった。 ちなみに座ってる順はオレの横にルーク、向かいにゼル、ゼルの横がアメリアだ。 オレとルークがつかみ合い一歩手間前のコミニュケーションはいつもの事で、向かいのカップルも周りの学生もこの程度じゃ反応も無い。 ・・・それはそれで哀しいけどな。 「それは愛ですよ愛」 弁当を広げたアメリアが唐揚げを刺したフォークを握りしめ明後日に向かって話しだす。 目が完全に逝っちまってる。 「そして2人の愛はさらに深まっていくんです・・・」 「ゼル・・・アメリアはどうしたんだ? 「・・・昨日見たドラマが純愛物だったらしい・・・」 「そっか」 アメリアのこれもいつもの事でオレとルークはどちらからともなく手を離し食事を再開した。 勿論料理に混じっている緑色の物体は断固排除する。 リナの料理じゃなきゃこんなに簡単なのにな。 愛はおいといても食べない事も出来たはずなのに何故か出来なかったんだよな。 なんか食べないと行けない気になって・・・ ・・・やっぱりリナは怖いしな。 これが尻に敷かれてるって言うのか? 「まぁそんなもんじゃ無いのか。 相手に嫌われたく無いと思うのは当然だろ?」 ゼルが苦笑して告げ、ルークが身を乗り出してそれに乗る。 「おー、俺もそれだ。 俺だってミリーナに嫌われたら生きていけないからな」 「え゛っっ。 じゃあルークさんてもう死んでらっしゃるんですかっ」 「ど〜ゆ〜意味だよっ!」 「きゃー」 「ま、急にってのは驚いたが旦那にもそんな相手が見つかって良かったよ」 ゼルが食堂中を走り回る2人を止める為に立ち去り際、オレの肩を軽く叩いてこう言った。 「・・・ああ・・・」 ゼルが思っているような関係では無いがそれでもリナとの生活を気に入っているのは確かだ。 帰ったら挨拶があって笑って話して一緒に食事をして。 馬鹿を言って喧嘩して、仲直りして。 まるで夢見た様な家族の風景。 オレのほうが年は上だしさしずめリナは妹か。 オレはリナの保護者にでもなった気分だった。 続く |
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