御同朋の社会を目指して!

「教育基本法」改正・私の見方

現在、子供たちが学ぶ教育現場では様々な改革が急ピッチで行われていま
す。その中の一つに、現在の「教育基本法」を改正して、新たな法律を作ろうと
する動きがあります。
でも、「教育基本法の改正だ!」と言われても、何がどういけないのかわから
ない方も多いのではないでしょうか。実は私も最近までその一人でした。
そこで、このページではこれから何回かに分けて、政府が進める「教育基本
法」改正の意図について、私の見方・意見等を述べてみたいと思います。
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さて、『心のノート』の内容についてみていきたいと思います。まず、この『心のノ
ート』全4冊は次のような四つの視点から成り立っているそうです。
@自分自身に関すること
A他の人とのかかわりに関すること
B自然や崇高なものとのかかわりに関すること
C集団や社会とのかかわりに関すること
それでは一つ一つみていきたいと思います。
@自分自身に関すること
たとえば、1・2年生用の『心のノート』には、第一章として「むねをはっていこう」と
いうタイトルがつけられていす。そして、<むねを はって いこう。 いちばん す
てきな あなたでいよう。 せなかを ぴんと のばして すすんでいこう。 もっと
すてきな あなたを みつけよう。>と書かれています。そして次に<にこにこ し
ているかな きょうの あなたは どんな えがおかな>と続いていきます。
なるほど、子どもたちに「向上心」を求め、「えがお」でいること、それをチェック
することを求めていて、一見すると何の問題もないようにみえます。
しかし、どうでしょうか?確かに、「向上心」を持つこと「えがお」でいること、それ
はすばらしいことです。でも、学校に行くのにそんなに心と体に無理をしなくてはな
らないのでしょうか?
子どもだって人間です、悲しいときもあれば、憂鬱なときもあります。そんな時に
も、「向上心」を持って「えがお」でいなければならないのでしょうか?確かに、大
人なら「楽しいときは楽しく。悲しいときは悲しく」と割り切ることができます。しか
し、小学校1・2年生の子どもに、学校の道徳の授業でこのように教えられたら、悲
しいときにも「えがお」でいなくてはいけない。落ち込んでいるときにも、背中を伸
ばさなくてはいけないんだと思っても仕方がないのではないでしょうか?
確かに、そのように割り切れる子どももいるかもしれません。でも、できない子ど
もだっているはずです。それは、その子の努力が足りないだけなのでしょうか?そ
んなに道徳的にわるいことなのでしょうか?
そのような子どもたちは、「明るい笑顔」の群れの中で、悩みや苦しみを抱えて
どんどんと追い詰められていく結果になりかねません。
親鸞聖人が明らかにしてくださったお念仏の教えでは、仏様の光(智慧)に照ら
されることによって、私たち人間の悲しみやマイナスの部分(煩悩)が知らされて
きます。しかし、仏様はそのような人間(凡夫)を決して否定したり、切り捨てたり
はしません。その存在をそのまま受け入れてくださるんだと聞かせていただいて
います。
子どもたちにとって学校はそのような場所であるべきだと思います。なにも無理
をしなくてもいい、リラックスして自然体でいれる、まずはありのままの存在をその
まま受け入れてくれる場所であるべきだと思います。
「背筋を伸ばせ!」、「笑顔でいろ!」と強制するのではなく、まずは何よりもあり
のままでいれる、そこから出発することのほうが、子どもにとってプラスになるので
はないでしょうか?
「ひとりひとりの存在を受け入れて!という子どもたちの言葉にならない気持ち
は、笑顔≠フ下に隠すべきではない」と思います。
この『心のノート』には、「自分のありのままの心など必要ない。どこかへ隠して
おけ!」といった隠されたメッセージが込められているように思えてなりません。
05.1.22(tomo)
参考資料:『「心のノート」を考える』 岩波ブックレットNO.595 三宅晶子著
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