`inf - inf' はどんな実数にすることもできます。
実数 a にしたかったら、
「1番目の無限大に a を加えたが2番目には加えなかった」
と言い張れば良いのです。
これは複素数の a でも成立しますから、
nan
は複素数で有り得ます。
(そして同様に、uinf
は複素平面のどの方向でも、
例えば `(0, 1) inf' でも有り得ます。)
実際、1番目の inf
に 2 を掛けることができます。
すると確かに `2 inf - inf = inf' ですが、
同時に `2 inf - inf = inf - inf = nan' も成立します。
従って nan
は無限大で有り得ます。
正の無限大と同様に、簡単に負の無限大にできることは明白です。
この話題の教訓は、「無限大」は本当に捕らえどころが無く、
Calc はそれを非常に簡単な(方向は考慮するが大きさは考えない)
無限大モデルで扱おうとしているということです。
しかしこの単純モデルが答を出せない場合は、
Calc は常に慎重に nan
を返します。
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