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データ型式 練習問題 3 解答「"nan"はどんな値を取り得るか?」

`inf - inf' はどんな実数にすることもできます。 実数 a にしたかったら、 「1番目の無限大に a を加えたが2番目には加えなかった」 と言い張れば良いのです。 これは複素数の a でも成立しますから、 nan は複素数で有り得ます。 (そして同様に、uinf は複素平面のどの方向でも、 例えば `(0, 1) inf' でも有り得ます。)

実際、1番目の inf に 2 を掛けることができます。 すると確かに `2 inf - inf = inf' ですが、 同時に `2 inf - inf = inf - inf = nan' も成立します。 従って nan は無限大で有り得ます。 正の無限大と同様に、簡単に負の無限大にできることは明白です。

この話題の教訓は、「無限大」は本当に捕らえどころが無く、 Calc はそれを非常に簡単な(方向は考慮するが大きさは考えない) 無限大モデルで扱おうとしているということです。 しかしこの単純モデルが答を出せない場合は、 Calc は常に慎重に nan を返します。


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