Go to the first, previous, next, last section, table of contents.


バッファへのヤンク

y (calc-copy-to-buffer) コマンドは、 スタック top の数を、最近使った一般編集バッファに挿入します。 (より厳密には、最近使った、ウィンドウに表示されていて、 バッファ名が `*' で始っていないバッファです。 そのようなバッファが無ければ、 スタックやトレイル以外の最近使用バッファが選ばれます。) 数字は表示されたとおりに挿入され、改行は付きません。 (行番号モードが起動されていても、普通は行番号は含みません。) ヤンクされた数は、スタックから除かれません

接頭引数を付けると、y コマンドは複数の数を行毎に挿入します。 正の引数では、スタック top から指定数ぶんの値をヤンクします。 負の引数では、スタック top から n 番めの数をヤンクします。 接頭引数がゼロでは、スタック全体をヤンクします。 注意: 引数に 1 を付けた y は、引数無しの y とちょっと異なり、 前者は行全体をコピーするのに対し、後者は行末の改行を除きます。

C-u だけで空の接頭引数を付けた y コマンドは、 編集バッファのリージョンをヤンクするテキストに置換え、 そのバッファに留まったままで Calc を終了します。 典型的な使用方法は、 M-# g でデータのリージョンを Calc に持込み、 そのデータを操作して行列を作りなおし、 C-u y をタイプして旧データを新しいデータに置換えるのです。 事前に行列表示スタイル(ベクトルや行列の表示形式 参照 )や、 表示言語(Language Modes 参照 )を切替えておくと良いです。 またこのコマンドは、 (M-# g で取得されるような)連続したリージョンを置換えるのであって、 (M-# r で取得されるような)矩形領域ではないことに注意してください。

もし編集バッファが(挿入ではなく)上書きモードで、 かつ C-u 接頭引数が付かなかったら、 ヤンクによってポイント以降の文字が上書きされてしまいます。 上書きモードの通常の習慣は守られるので、 例えば、改行を越えて次の行にあふれる事はなく、 その行に追加されます。 行列のような複数行のオブジェクトを上書きモードでヤンクすると、 バッファの n 行分が上書きされ、各行が必要に応じて伸縮みします。 最後に、ヤンクされるものが単純な整数か(`-1.2345e-3' のような)浮動小数で、 かつポイント以降の文字もそのような数を形成していれば、 Calc はそれを数として認識し、適当に伸縮して新値に置換えます。 これにより「上書きモード」の概念は、「文字を置換えること」から「数を置換えること」に一般化されています。

キー・ストローク M-# yy と同じですが、 Calc 内部でなくても何処からでも使えます。 これを使えば、Calc にヤンク先バッファを確実に明示できます。


Go to the first, previous, next, last section, table of contents.     利用度数