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標準 Calc インターフェイス

Calc の標準インターフェイスはいわゆる逆ポーランド式電卓のように振舞い、 普通の Emacs キーボードから操作します。M-# c と打つと Calc が起動し、 Emacs 画面が上下2つの窓に分かれ、編集中のファイルは上に、Calc は下に収まります。

.....
...
--**-Emacs: myfile             (Fundamental)----All----------------------
--- Emacs Calculator Mode ---                   |Emacs Calc Mode v2.00...
2:  17.3                                        |    17.3
1:  -5                                          |    3
    .                                           |    2
                                                |    4
                                                |  * 8
                                                |  ->-5
                                                |
--%%-Calc: 12 Deg       (Calculator)----All----- --%%-Emacs: *Calc Trail*

この図のように、`myfile' のモードラインが上に上がり、"Calculator" の窓がその下に現れます。ごらんのように、実は Calc は左右2つの窓を作ります。 左のはスタック・ウィンドウ、右のはトレイル・ウィンドウと呼ばれます。 スタックは現在演算中のデータを保持します。 トレイル(足跡)はこれまで全ての演算記録を保持します。 つまりトレイルは、プリンタ付き電卓の紙テープ記録に相当します。

このトレイル記録からは、4つの数値(17.3, 3, 2, 4)が Calc に入力され、 次に 2 と 4 が乗算されて 8 を得、それを 3 から除算して -5 を得たことが 判ります。 (`>' シンボルは最も直近の演算を示します。) 演算結果はスタックに残っている2つの数値、17.3 と -5 です。

ほとんどの Calc コマンドは直接スタックに作用しますが、 トレイルをサーチバックして以前の結果を呼返すコマンド群も存在します。

Calc コマンドは 10進キー、文字キー、句読点キーを使います。 シフトを押しながら打つ(例えば大文字)文字は小文字とは異なります。 いくつかの文字はプリフィックスキーと呼ばれ、 2文字コマンドの 1文字目となります。 例えば、e は"指数入力(enter exponent)"で、 シフトした Ee^x を意味します。 d("display modes")プリフィックスと共に使うとき、 "e"は全く異なる意味を持ちます:d e は"engineering notation"、 d E は"eqn language mode"です。

例えば Emacs の C-x o(other-window)コマンドなどを使って、 Calc ウィンドウを出て編集中ウィンドウに帰ったりするのは自由です。 カーソルが通常のウィンドウ内(Calc の外)にある間は、 Emacs は全く普通に振る舞います。カーソルが Calc のスタックウィンドウや トレイルウィンドウ内にある場合は、キー入力は Calc コマンドとして扱われます。

2度目のM-# cを打って Calc を終了したとき、 Calc ウィンドウは無くなりますが、 実際のスタックとトレイルが消えたわけではなく、 単に隠れただけです。もう一度 M-# c を打つと、 先刻と同じ内容を保持したスタックとトレイルが現れます。

Calc は Emacs セッションを越えてまでその状態を覚えていません。 従って Emacs を終了して再起動した後は、 M-# c でまったく新しいスタックとトレイルが現れます。 しかし好みのモードを保存して、 セッションを越えても利用できるようにするコマンド(m m)があります。 保存できる項目の一つにユーザーインターフェイス(標準かキーパッドか)が あります。さもないと新しく起動した Emacs は、M-# M-# を 常に M-# c として扱うことになります。

q キーは Calc を消すもう一つの方法です。

まず M-# b と打って次に M-# c と打つと、 フルスクリーンバージョンの Calc(full-calc)が現れ、 スタックとトレイルは左右に分かれますが高さはEmacs画面全体を占めます。 そして終了のために qM-# c をもう一度打つと、 先ほど編集中だったファイルが再び現れます。 M-# b キーは"big"フルスクリーンモードと通常の部分スクリーンモードを トグル的に切り替えます。

最後に、M-# o(calc-other-window)は、 Calc ウィンドウにカーソルが移動しない事をのぞいて、 M-# c と同様です。 その代わり、編集中バッファがそのまま選択されています。 M-# o は、ちょっと Calc を出てファイルを編集する手軽な方法です。 編集が終わったら、M-# c で Calc に戻ります。


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