スポーツマン


山城高校校長
高乗 勲


 今年度は皆さんの部にとっては全く最良の年度であったとともに、本校にとっても幸いな年であったと思います。全国の高等学校で、同一の年度に二種類の部が全国制覇をとげるということは、そうたくさんの例があるとは思われません。特にバスケット部は、男子が第一位女子が第四位と、全く全国で例のない好成績であったことは、何としてもうれしいことでした。皆さんの努力に対して、感謝の外何ものもありません。よくやって下さったと思います。高校生活の中に、生涯の中に、最も思い出深い瞬間をもったことを誇りとして永く心にとめ、この栄誉を汚さないようにしていただきたい。多くの苦しみと、強い鍛練の結果として獲得できた栄誉であることを忘れないでほしい。そうすれば諸君の前途への大きなバックボーンになることと信じます。 スポーツくらい、ルールに従って正々堂々と技を競うことのできるものはありません。正々堂々と全力をつくしてやれるからこそ、勝って誇らず、負けて悔いのない、さっぱりした気持ちで、お互いにつきあうことのできるものであります。
 世の中をわたっていく上に一番欠けているのは、このフェアプレーの欠如であろうと存じます。この意味で、皆さんの体験は貴いものであり、これを将来の生活の中に生かしていただきたいものと念じるものであります。
 皆さんの永き前途に栄光あれと祈ります。