四国八十八ヵ所《お礼参り》歩き遍路の旅
空海の史跡と自然を訪ねて

第2回 霊山寺へ

   
 24年4月19日     88番大窪寺〜10番切幡寺〜宿(阿波市市場町) 歩行距離19km(うち車で11km)
 高速バスで湊町を7時55分に出発、志度でコミュニティバスに乗り換え88番大窪寺に12時到着。お礼参り旅の安全を祈願。
 茶店で「力が付くよ」と葛湯の接待をうけた後、10番切幡寺へ向かう。桜舞い散る中、ルート377号を下っていく、鶯の鳴き声に調子を合わせて口笛を吹いたり、木蓮の花をからめて茅葺民家(写真)を撮ったりと気楽な歩行が続く。
 6km地点の大影神社付近で道を尋ねた乗用車が、切幡寺まで乗りなさいとの親切に丁重にお断りする。10分程歩いた所で先ほどの車が自分を待っていてくれ「孫を送った帰り道だから乗って行きなさい」と再度のご親切、「歩き通したいので」とお断りすべきだが、待っていて下さった親切には断れず便乗させていただいた。お大師さんの恵みと感謝する事に。
 切幡寺には14時に着く。女性の厄33段、男の厄42段を含め333段の石段を登りながら、丁度1年半前(22年10月19日)の記憶を思い起こす。
 今宵は近くの旅館「八幡」でお世話になる。大きな風呂で遍路同志の話が弾む。

 4月20日       宿〜9番〜1番霊山寺                  歩行距離23.5km
 今日は生憎の雨だが山々の新緑が清清しい。宿を7時半に出発し1番霊山寺を目指す。逆打ちの方と9番法輪寺まで同行する。途中の宮川内谷川の河川敷は黄色い花(セイヨウカラシナ)の群生が雨に靄って別世界(写真)
 8番熊谷寺は麓から7番十楽寺・6番安楽寺・5番地蔵寺は其々門前で結願成就の挨拶を済ます。
 地蔵寺の別院「五百羅漢」にお参りする。五百人の羅漢さんの中に必ず亡き人に似た顔があるという。頭でっかちで胸をはだけた像は、衣が極彩色で金色が眩い。
 4番大日寺も麓から挨拶。3番金泉寺の手前で巨木が目に入る、「岡の大クス」と掲示板に。樹齢700年高さ35m、濃緑の葉が生い茂り深紅の色が無数に輝いている隆隆たる楠の木。根に手を添えて気力を頂く。
 3番金泉寺2番極楽寺も門前で挨拶を済ませ1番霊山寺に13時着。
 懐かしい景色だ、1年半前に門前で真っ白な白衣をはおり、すげ笠の紐をもどかしい手つきで結んだのを覚えている。そのすげ笠も傷み白衣は、印刷の「南無大師遍照金剛」が雨と汗で滲み黒っぽくなっている。装備はくたびれたものの心身は達成感と安堵感で晴れ晴れ。天も祝ってくれたのか陽が射して来た。
 写経を納めて合掌、辰の歳に辰歳生まれの自分が本堂天井の龍を戴きながら、結願成就のお礼と今後の心身健全を願う。
納経帖に本日付の朱印と、白衣の背に朱印を頂く。納経所でお茶を入れていただき、無事にお礼参りを終え、これにてお四国は完了、高野山を残すのみとなった。
 次の四国への旅はあるのか?ならば何時なのか?四国を去る淋しさが湧いてきた。
 有難う四国の皆さんお世話になりました。

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