トリフィラ・タイプの施肥
feeding triphylla hybrids
フクシアを育てるうえで、もっとも役に立つ栽培書の1つはBFS (イギリスフクシア協会) 発行の ALL ABOUT FUCHSIAS です。
この栽培書で P. Heavens が推奨しているトリフィラ・タイプの施肥方法は
1)、
- 成長初期には窒素の多い肥料を与える
- 晩春以降は NPK が等量の肥料に切り替える。さもないと徒長する
- 通常はカリはあまり必要ない。カリの過剰投与は下葉の黄変と落下の要因になる
- 硬水地域では、ときどき鉄分を与えると良い
です。しかし、この方法が最適かどうかは気候次第だと思うようになりました。
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拙バルコニーでの施肥方法
拙バルコニーでの施肥方法は、上記とは異なります。
拙バルコニーでは、マゲラニカ・タイプと同じ方法で施肥しているトリフィラ・タイプと、トリフィラ・タイプ専用の方法で施肥しているトリフィラ・タイプがあります。
ここでは、トリフィラ・タイプ専用の方法について説明します。
その方法とは、観賞レベルまで育った成株については、NPKが6-7-6 の遅効性有機肥料 (写真) を3月頃に与えて、その後は暑さから回復する秋まで施肥しないというものです。
栽培を始めた頃は、ALL ABOUT FUCHSIAS の方法に従っていましたが、うまくいかない品種があるとわかりました。
たとえば Gartenmeister Bonstedt がそうで、ALL ABOUT FUCHSIAS のとおりに施肥すると葉がやたらに大きくなります。
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とりわけ、初夏になって成長が活発になってから液肥を与えると、養分がすべての葉に行ってしまうのかと思えるほどだらしない葉になります (葉の先端が肥大して色が黒っぽくなり垂れてきます)。
NPKが等量の肥料でもこうなります。
イギリスと同じ施肥方法ではうまく行かない原因は、気候の差ではないかと思います。
秋は、株が暑さから回復した後、成長具合や開花具合を見ながら、NPK が等量の液肥を与えます。秋が終盤になるとカリの割合がやや多い液肥を与えます。
施肥の頻度は一概に言えません。暑さからの回復具合が年により異なりますし、腰高になった場合にほとんど葉が無い状態にまで剪定したりするので、万事ようすを見ながらになります。
一方、マゲラニカ・タイプと同じく春〜初夏の開花中、水やりごとに肥料を与えても、葉が肥大しないトリフィラ・タイプもあります (例: Bornemann's
Beste)。
このページをご覧になった皆さんも、トリフィラ・タイプの美点である葉がだらしない姿になったときは、施肥の方法を見なおすと良いかもしれません。
(2009年11月9日)
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参考(数字をクリックするとページ内のリンク先へジャンプします):
- 1) ALL ABOUT FUCHSIAS、The British Fuchsia Society (2000)、p.44
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