エピローグ

 千尋が、ネットワーク「しろがね」のメンバーになってから数日後、神楽宛てに
「バロウズ」から、メールが届いた。
 なお、猟奇殺人は鬼面を仕留めた事によって無くなった。

 『 鉄人さんへ、調査結果です。
 
  鉄人さん。WOODです。壊された面塚に関する調査結果です。
 本当に申し訳無いのですが、何も解りませんでした。勿論、探知能力に優れた
 者、過去の出来事を見る事の出来る者達にも協力してもらったのですが、結局
 殆ど何も解らず。相手は探知されないように、術を使って完璧に、痕跡を消して
 行ったようです。僕としては今回の一件は、彼らが関わっていると思っているの
 ですが鉄人さんはどう思いますか?

  御神刀の件ですが、こちらの不手際で何者かに盗まれてしまい、如何し様か
 と肝を冷やしていたのですが、そうですか、取り戻した御神刀は鉄人さんの知り
 合いの人間の娘を選んだ訳ですか。ああ言うタイプの御神刀と波長が合うの
 は、非常に珍しい事なのですが・・・ こうなってしまった以上、御神刀の件はそ
 ちらにお任せいたします。
                                        WOODより。』

 神楽は、メールを読み終えた後も約5分間ほど、パソコンの画面を腕を組み厳
しい顔で睨んでいた。しばらく睨んでいた神楽はWOODに、返信メールを打っ
た。ちなみに、鉄人とは神楽のハンドルネームで、WOODとは「バロウズ」で働く
一人、算盤坊主の高徳大樹のハンドルネームである。

 『 WOODさんへ、有難う御座いました。

  WOODさん。調査有難う御座いました。 
 仕方が有りませんね。私自身、術をいくつか使って調べたのですが何も解りま
 せんでしたし、私も彼らが関わっていると思っています。

  御神刀の件については、こちらに任せてください。何故、御神刀がその人間
 の娘を選んだのかは解りませんが、悪い事が起こらない様に見て行きます。
 何か有ったときは、又、力を貸してください。
                                           鉄人より』

 神楽はメール送信すると、椅子にもたれかかって考え込んだ。御神刀に選ばれ
たあの人間の娘は、これからどうなるのだろうか?御神刀の選ばれた事が、吉と
出るか、凶と出るのか・・・
 神楽は溜息を付くと締め切りが近づいている原稿の仕上げにとりかかった。






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