母さんが部屋をでたあとからオレ痛えほど視線感じるんだけど・・・。
どうにもこうにも居心地が悪くてヒカルが布団の中で
もぞもぞしていると塔矢が笑ったような気がした。
なんだよ!オレ恥ずかしいっていうかだんだん
腹立つってきた。
大体オレなんでこんな目にあってんだ?
八つ当たり近く心の中で怒鳴ると塔矢がベットに近づいてきたような
気配を感じた。
「進藤仮病だろ?」
いきなり痛いところをつかれヒカルは布団の中で
う〜と低いうなり声を上げた。
塔矢はしばらくヒカルの返事を待っていたが
反応がないのがわかると露骨なほど大きなため息を
ついた。
「・・・昨日の事は僕の配慮が足りなかったと思ってる。
その・・君の気持ちもきちんと確かめないで悪かった。
だからこれからは二人でいろいろ話し合って考えていこう。
君の意見を尊重したいし・・君も僕の話も聞いてほしいんだ。」
奇妙な沈黙が流れる。
当たり前の事だがヒカルには塔矢の言ってる事が全く
わからない。
いい加減な相槌を打つわけにも行かず、
いらいらしてきたヒカルは腹を決めてガバっと布団から飛び出し
たのだが・・・
いつの間に・・?
塔矢はヒカルのベットに腰かけていて、ヒカルの目の前 鼻の先に
いる。
その塔矢はやっぱりオレの知ってる塔矢と同じ面で、つうかまんま
で身の危険を感じてヒカルはしらずしらずしり込みしていた。
「進藤・・・?」
「ちょっと待て。塔矢、いいか。オレの話よく聞けよ・・。
これにはいろいろとだなわけがあってだな。その
オレの体なんかおかしくなっちゃって・・・。」
ううう・・・おかしい・・。
言葉がでない。なんでだろう。その先が言葉にならない。
今朝ヒカルに起こったこの状況を説明しようと思うのに
声が出てこない。
なんだよ。これっどうなってんだよ。
ヒカルの背に冷汗が流れる。
「進藤・・・」
耳元でささやかれた熱い声に体温が上昇する。
【触れるな・・・近づくな!!】
心の叫びは届かず塔矢がヒカルの肩を抱き寄せる。
「進藤顔赤い。」
くすりと笑われて苛立ちがますます募る。
「うるさい!」
ようやく出た言葉にほっとする間もなく塔矢の顔が間じかに
近づく。
「塔矢なにすん・・。」
「君があんまりにもかわいいから・・。」
頭の中が真っ白になるとはまさにこの事だろう。
かわいい・・だってオレが?
動揺を隠せないうちに生温かい感触が唇に触れて・・・。
「バカやろう〜!いきなり何すんだよ!!」
我に返ったヒカルは塔矢をおもいっきり突き飛ばしたのだった。
次回はもう一人のヒカルくんのお話になる予定。ちまちま
更新で。すみません。