夜は朝二人の部屋に入るなり目を細めた。
らんが直のベットで一緒に寝ている・・・ それはよくある事なのだが。
向かいあった二人は折り重なるように身体を絡めていた。 安心しきったらんの寝顔と直のかすかな寝息に
夜は険しい表情をした。
夜は湧き上がる感情とは裏腹にそのまま音も立てずに扉を
しめたのだった。
その晩夜はなんの前触れもなく直とらんの部屋に訪れた。
「よるぅ、どうしたの?」
らんの質問には答えないで夜は直と向かい合った。
「直 明日の朝まで部屋をあけろ。らんと話がある」
夜は直を見据えると冷たくそう言った。
「何いって・・・」
直は何か言いかけたが言葉は続かなかった。
その目は問答無用だと直を鋭く射抜いていたからだ。
直は小さくため息をつくと部屋を出て行った。
その様子を心配そうに見ていたらんだったが現金なもので
直が立ち去ると嬉しそうに夜の胸に擦り寄った。
が・・・抱きついてきたらんを夜は軽く突き放した。
「らん。昨日直と何があった?」
らんはごくりと唾を飲み込んだ。
「な・・何のこと?」
とぼけてみせたが夜はそれには何も応えてはくれずらんは 不安な気持ちになって縋るように夜を見つめた。
「怒らねえから言ってみろ。」
夜はらんに近づくとらんの体がかすかに戦慄いた。
「何もないよ。」
「ウソつきだな。らんは・・。」
夜はそういうなりらんをいきなりベットへと押し倒した。
「やあ・・。」
無理やり服を剥ぎ取られらんはあられのない格好を傍にあった布団で 隠そうとしたが夜はそれを許さなかった。
「かまわねえだろ?いつも見てるんだし。それとも直がつけたあとが 残ってるとか?」
冷たい夜の声にらんは泣きたくなった。 夜は強引だけどいつもこんなに冷たい声ではないのだ。
らんがイヤイヤを繰り返すと夜はらんの首筋を噛んだ。
痛みを残すほどにきつくらんの身体の隅々をかみつけた。
まるでらんのすべては自分のものだと教え込むように。
やがてらんの下半身にたどり着いた夜は慣らしもせず そこに指を突き立てた。
あまりに突然の事過ぎてらんの体は痛を逃げすことも出来ず 弓のようにそりかえる
「ああああっ夜 許して・・。」
「言ってみろ。昨夜直と何があった。」
「何もないの。本当に何もないの。」
らんは痛みでぽろぽろ涙をこぼしながら夜に許しをこうた。
「ならやっぱりここをちゃんとしらべねえとな。」
夜は指を増やしてかき回す。
「や・・・やあああ。」
「直のものはねえみたいだな。それともらんが
直にしてやったってか?なら直を調べた方が早えか?」
いうなり指を引き抜いた夜はらんから離れると部屋を 出て行こうとして、らんはその背を必死に引きとめた。
「夜 行かないで・・僕を置いていかないで・・。」
扉のところまでいった夜をひきとめようとしたらんは立ち上がるなり ペタリと座り込む。
夜はふりかえったがその表情はらんを許してはいなかった。
顔を蒼白にしたらんのもとへもう1度夜が足をはこぶ。 震えるらんの指を掴むと夜は今度は優しく包みこむように 言った。
「怒らねえっていってるだろ。ほら?」
夜はついばむようなキスをらんに何度もするとらんの緊張も 少しづつ解けていく。
それでも夜がまだ自分を責めてるような気がしてらんは ぷるぷると何度も顔を振った。
夜は小さくため息をついた。
「そんなに俺には言えねえ事をしたのか?」
「違うもん。」
「ちがわねえだろ?」
「だって何もしてないもん」
「下手にでりゃあよお」
頑なならんに夜は怒りに任せるようにらんの腰を持ち上げた。
「なに・・やあ。」
後ろから夜はいきなりらんに覆いかぶさると高ぶったそれを押し付けた
「あああっ・・いや・・夜やめて・・・。」
「いやじゃねえだろ。もうこんなに感じてるくせによ。ナオともしたんだろ
こんな風に。」
「あああっああああ」
受け答えも出来ないほど夜に激しく穿たれらんは腰を揺らす。 飛びそうになった瞬間夜はらんのものを強く握った。
「いや、おかしくなっちゃう」
「なら。言っちまえよ。楽になるぜ?」
「よるぅ ・・・・・・。」
押しつぶされそうなほど強く夜に握りこまれてらんはその恐怖でぞくっと
震えて口をあけた。
「僕・・・ナオと・・・」
夜は次の瞬間らんは落ちてくると確信した。 が、その前にらんは夜の腕の中で意識を手放していた。
夜はらんが失神したのがわかると
さきほど見せた荒々しさとは違い壊れ物に触れるように抱き寄せた。
「こんなにらんが譲らねえとはな。」
意識を手放す事で何かを守るぐらいに・・・。
「愛してるぜ、らん。けどだから許せねえんだ。」
疲れきったらんの瞳には涙が浮かんでいた。
それをチュッとすって自分の体の中にすっぽりと抱え込むと
今朝らんとナオが一緒に眠っていたベットにもぐりこんだ。
そこにはかすかに甘い匂いが残っていた。
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