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ツインズ
2
今日は藤守とトイレの掃除当番をダチに言い渡されて
ついてねえよな。
まあ当番は当番だし、早いとこ片付けてさっさと帰ろうなんて思ってたら
藤守がオレを引き止めやがった。
「羽柴・・まだ終わってないだろ。」
「終わってねえってもう終わったろ?」
オレが言い返すとぶすっとした藤守がオレの腕を掴んだ。
「オレたちだけ終わっただけじゃダメだろ。他がまだ終わってないんだから。」
「そんなかったりぃ〜」
藤守はオレをにらむつけるとむんずとオレを引きづるように歩き出す。 全くこの細こい体のどこにこんな力があるんだか・・。
「藤守わかったから引っ張るなって。カッコ悪いだろ。」
「うるさい。離したら羽柴すぐ逃げるんだから・・。」
藤守につれてこられたのは今は使われていないはずの
生物室・・・待てよ。今日ここを掃除当番だったやつって・・誰だっけ?
「藤守 誰もいねえじゃん。もう終わったんじゃねえの・・?」
「おかしいな。そんなはずないんだけど。」
その時隣の準備室の方に人影らしい気配を感じてオレたちは顔を見合わせた。 オレと藤守が準備室を覗くとげっげげ〜!!って
夜とらんが抱き合ってんじゃねえか。
「あいつらかよ。ここの当番・・・って掃除もしねえで・・。」
オレが準備室に乗り込もうとすると藤守がオレの腕を引っ張った。
「藤守・・。」
藤守の顔をみると真っ赤になってる。
ううう〜藤守これぐらいで赤くなるなよ。
準備室に目を戻すと夜とらんは今度はキスをはじめて。
しかも軽いかんじのやつじゃなくて濃厚なやつ。
二人は角度を変えて互いの唇を吸うように舌を絡ませてた。
そればかりか夜はらんの腰に腕を回すと自分の腰を押し付けて・・・。
らんは切なげに唇から息をもらしてる。
それがすげえ大人のキスっていう気がして、体の奥がカッと熱くなる。
相手は夜とらんだっていうのに、オレ何考えてんだよ。
ってそうか。夜とらんだからか?
オレと藤守がキスしてるようなそんな錯覚を起こすんだ。
オレは昔ふざけて藤守とキスをしたことを思い出していた。 あんな濃厚なやつじゃなくてチュってすぐ離れるやつだったけど
それでも子供の時でも体が熱くなったんだ。
藤守を見るとあの時のようにオレの腕を掴んだまま固まったように 動けなくなってる。 顔なんて首まで真っ赤にして・・。
ひょっとして期待してる?俺お前にキスしてもいい?
そんなやましい気持ちで藤守を引き寄せようとした瞬間、
突然藤守が掴んでいたオレの腕を解いた。
えっっておもった瞬間、準備室と生物室を隔てる扉が開いて・・・。
「げっ夜・・?」
「なるほどね。そこでオレたちを盗み見していたわけか。やらしい〜」
「好きで覗いたわけじゃねえ。大体お前ら掃除はどうしたんだよ。」
「そんなの別にいいじゃん。それにしても空もスナオも顔赤いぜ。ひょっとして オレの方が邪魔したか・・?」
そうだよ。お前が邪魔しなければオレは今頃藤守と・・・じゃなくって。
「何言ってんだよ。俺たちはそんなんじゃねえ。お前らと一緒にするな。」
「そうだよ。らんが夜と二人じゃ大変だから手伝いに来てっていうから わざわざ来たのに。」
藤守はますます顔を赤くして夜に怒鳴りつけた。
「それは悪かったな。」
いちよう謝りはしたものの夜は全く悪びれてはいねえみたいだった。
藤守が小さくため息をつくと夜の背に隠れるように様子を伺っていたらんがひょっ
こり顔をだした。
そんならんを叱るように藤守が連れ出す。
「もう。全く・・らん・・掃除終わったならもういくよ・・。」
「えっナオ。ちょっと待ってよ・・・・・」
らんが藤守に引きづられるように生物室をでたあと
俺たちも二人を追いかけるように廊下に出たんだけどすでに姿はなかった。
たぶん走って帰ったんだろう。
「はああ〜夜オレらも帰ろうぜ。」
オレは盛大にため息をついてカバンを取ったが夜はにやにやしてオレを
見てる。
「空・・。さっきから神妙じゃん。かなりきてんだろ?」
夜の目線は明らかにオレの下半身ってかんじで言葉以上に視線がやらしさを 感じた。
「な なんの事だよ。」
すっとぼけてみせたが夜には通用しねえことぐらいわかってる。
何かしらねえけど夜はオレの考えがお見通しらしい。
夜に言わせると俺たちは一卵性の双子だから通じるものがあるらしいんだが、 オレには夜の考えなんてわかんねえ。 それってなんか不公平だっておもわねえ。
しかも夜の方が背もたけえし、勉強してる風でもねえのに成績もいいし、 オマケに顔も大人びててカッコいいときてる。
まあオレも顔だけはまあまあだって思うけど・・。
「空。てめえ今何考えた。」
げっやばいと思った時には夜に腕を捕まれてた。
「いいんだぜ。どうせいつもの僻みだろ。
それより、なんだったらここでオレが抜いてやろうか?」
「バ ・・・バカやろう。」
夜が言うと冗談にならねえんだって。
オレは夜の手を振りほどくと邪心を振り払うように廊下をひた走った。
学生寮に着く前に藤守とらんの後姿に追いついて、オレはそこで ひたっと足を止めた。
藤守とらんが腕を組んでいたからだ。 しかも恋人通しみたいに擦り寄って。
ウソだろ?なんであいつら?
いやでもあいつら双子だしオレと夜と違っていつも仲いいし・・・。
なんだか微笑ましいような羨ましいような気持ちになって寮に入っていく 二人をオレは見てた。
うう〜。なんかオレ、らんにも負けてる気分。
けど、まああいつらは双子だし、なんてオレは軽い気持ちでこのときは まだ考えてた。
夜にあの話を聞くまでは。
ツインズ3へ続く〜
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ツインズ2.でした。
空と直はラブラブになるのかな〜?(苦笑)
ツインズ3はらんと直のお話の予定です。
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