ハニーが大人になるまで 9 「ガク・・ガク・・・、」 耳元でささやくような芥の声はくすぐったくなるくれえ優しかった。 『んな声もするんだな、』って半分夢の中で思いながら さらさらした布地の中で思いっきり体を伸ばした。 その途端下半身が引き攣るような痛みがはしってオレは顔をしかめた。 そうだ、昨夜オレ芥のやつに散々・・・。 思い出して今度は下半身に嫌な感覚が襲う。 「やべえ〜!!」 大きな声を上げてベッドから飛び起きると引き攣れて腹が痛かったけど今は それはガマンだっ。 「学?」 至近距離で芥と目が合う。 オレはすっぽり芥の腕の中だったんだ。 カッと体が熱くなる。 「え、ああって、ちょっとオレトイレ・・・」 何とか、誤魔化したあとオレは改めてこの部屋の構造 (ガラスばりのトイレとバスルーム)を思い出した。 「ぜっ絶対、絶対覗くなよ。」 芥の顔を見ることがオレは出来なかった。 シャワー室に飛び込むと案の定だらりとそれは流れ落ちてきた。 昨晩芥がそのままオレの中に出しちまったからだ。 そのままにしておくと後で大変な事になっちまうんだよな。 オレはちらっとガラス向こうの芥を見た。 身支度をはじめだした芥の姿にほっとしてオレはそこに指を伸ばした。 こんな処理をしなきゃならねえなんて、男同士だからしょうがねえ んだけど、でもやっぱりいつもこうなって思うのは情けねえ気持ちだった。 ゆっくりと指を突き入れ掻きだす。 それはただの処理だと割り切ってるはずなのに 感じないようにしようと思っても体の奥が疼きだす。 それが嫌でオレは一端指を引き抜くとそれと同時に息を吐きだした。 そうして波がおさまるのを待ってもう1度指を入れた。 体の中から疼きそうな感覚が押し寄せてくる。 オレはその感覚に耐えながら早く目的を終らせる為にかき集めるように 指をうごかした。 その時、開くはずのないドアが開いた。 一瞬オレは何が起こったのかわからなかった。 「・・・・なんで、」 そこには全裸の芥の立っていた。 「なっなんで来んだよ。」 オレはそこから指を引き抜いた。 そしたらそれがオレの太ももをつたっていった。 一緒に涙も出来てきそうになった。 すっげえ情けなくて、 そしたら芥がオレを抱き寄せた。 一瞬体がすくんだが、オレはえぐえぐ泣きながら芥をぽかぽか とたたいた。 「芥なんて、芥なんて・・」 「すまなかった、」 シャワーの雨の中芥はそういったのでオレは驚いた。 芥が謝るなんて初めてじゃねえかって思ったから。 「オレがもっと気遣うべきだった。」 「カイ?」 オレは芥が何を謝っているのかよくわからなくて芥を見上げた。 芥は少し肩を落とすとオレの唇を奪った。 『なんで?なんでいきなりそうなるんだ?』 って思っってるうちに芥の腕が指がオレの尻の方に伸びていく。 オレはびっくりして芥を思いっきり突き飛ばした。 突き飛ばしたっていってもオレ自身はこれでもかってぐらい力を 入れたつもりだったけど芥は一歩後ろに下がっただけだ。 「な、もう今朝はだめだって、」 「わかってる。でもださなければならないのだろう。」 「そ・・・それは・・、」 オレは途端にしどろもどろになる。 「責任はとる。」 真顔で言われてオレは顔に湯気があがりそうなほど熱くなった。 「いいよ。そんなの、オレ一人でできっから・・・。」 オレが顔を振ったが芥は引き下がらなかった。 芥は無理やり近くオレの体をガラスの壁に預けさせるとそこに指を掻きいれた。 『うっ、』 声を上げそうになったがそれにたえた。 「か、かい、もういいって」 オレの下肢がふるふると震える。 「きちんとしておかないといけないのだろう。」 優しい芥の声。オレはこんな時にずりいって思う。 ガラスの壁にうっすらと芥とオレの姿がうつっていた。 昨夜もだけど逸らしてえのに目はそこに釘付けになる。 自然と疼きだすからだの奥に耐えかねてとうとうオレは声を出してしまった。 「あっ・・・、」 「感じたのか?」 「ち・・違う・・・。」 「でもここは反応してるみたいだが・・・、」 軽く握られてオレは無意識に芥の指を締め付けた。 「ガク・・・」 芥は今度は膝を折るとオレのモノを軽くしごいたあと、それをほうばる ように口に含んだ。 指が抜かれオレはそれだけでイッてしまいそうになった。 「ひゃああ、」 「ひゃああ、」 芥の口の動きが早くなる。立っていられなくなって足腰がわなわな と震えだす。 「芥、ヤダ、ヤダよ。オレ一人でなんて」 オレがぎゅっとの肩に力を入れると芥は顔をあげ立ち上がった。 そのまま抱きつかれて顔から火が吹きそうなほど顔が茹つ。 擦れるようにオレのと芥のモノが触れる。 芥も我慢できねえくらいになってるっ。 芥はオレの肩を左腕で抱いたまま右手で掴んできた。 「カイ・・」 オレは恥ずかしすぎてどうしていいかわからなかった。 身長差で合わないそれを芥は器用にも片手でつなぎとめる。 芥がオレの中に入ってこねえのはオレの事を気遣ってだってわかって すげえ恥ずかしかったけどオレもそこに手を伸ばした。 熱があるみてえに熱い。 「ガク、」 「芥」 限りなく自慰行為に近い行為だ。 でも芥をこんなにも芥を感じる。 オレはもっと芥を求めるようにキスを求めた。 「ううっううっ」 体が心の全てが芥と繋がっていく気がする。 それでももっともっととオレは芥を求め芥もオレを求めてくる。 吐精して欲情は去ってもその想いはとまらなくてオレたちは シャワーの雨の中オレたちはしばらく抱き合っていた。 ハニーが大人になるまで最終話へ
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