ウェディング狂奏曲 5 久しぶりにお話を書いたら文体が変わってしまいました(汗) 気にせず読み進めてください; 空と夜が控え室を退出した後、 新婦のために用意された鏡台の前にらんは 座った。 ナオはらんの髪を手馴れた手つきで結い上げていく。 「ナオ、昔はよくこうやって髪を結んでくれとよね。」 らんは鏡に映る自分自身ではなく直をじっとみていた。 「研究所に居る時はらんもよくオレの髪をしてくれたよ。」 「夜と空と僕とナオと。あの頃はけんかもいっぱいしたけど楽しかったな。」 「らんどうしたの?今頃マリッジブルー?」 「もう、そんなじゃないって。」 そういうとらんの体が突然ふわっと浮いた。 「ナオ!!」 らんはナオの体に飛び込んだ。 ナオはその時らんが本当に綺麗だって思った。 「らん・・・。」 「ナオの事好きだよ。ずっと好きだからね。」 「うん。オレもらんの事好きだよ。」 そう頷いて直はらんの肩をぽんぽんと叩いた。 「ありがとう、ナオ。」 エヘへと笑いながららんが直の体から離れた。直はそれが少し 寂しかった。いつも一緒だったらんが本当に夜と結婚してしまうんだって。 実感してしまって。 「ねえ、今日僕ブーケをナオに投げるからね。絶対受け取ってよ!!」 「ええっ?オレ??」 「そうだよ。次はナオの番だもん。」 「オレは羽柴と結婚なんかしないよ!!」 慌ててそういった直の顔は真っ赤だった。 「あはは・・。直ったら、空が聞いたら悲しむよ。 だったら僕、空に向かってブーケ投げようかな。」 「もう、オレと羽柴の事はどうでもいいんだって・・・」 「ナオと空を結婚させたいっていう親心だよ。」 らんはそういうと笑った。 「でも僕のナオが空のものになっちゃうのはやっぱり嫌かも。」 らんはまるでその日の事を想像したように少し寂しそうに 言った。 「大丈夫だよ。らん、オレはずっとらんの事好きだから・・。」 今度は直の方がらんを抱きしめた。 「うん、ナオ・・・。」 らんもナオも一つの魂が別れてしまうようなそんな感覚を抱いていた。 2人は一卵性の双子で産まれる前からずっと一緒だった。親と別れた時だって研究所に預けられた時もいつだってだったから。 でも2人は別の人間でいつか別の道を歩んでいかなきゃならない。 それだってお互いにわかっていたことだった。 大好きな人と一緒になるなら笑ってらんを送り出さなきゃ・・。 ナオはそう思うと名残惜しい気持ちを抑えてらんの体を今度こそ放した。 「らん、向こうでみんなと待ってる。」 「うん。」 直はらんを振り返ることができなかった。 今にも泣き出してしまいそうだったから。 6話 あとがき 登場人物が多いこともあって一人称はちと厳しいなと文体を変えました。 読みにくいですね、すみません; 更新はブログが先行しています。先が気になる方そちらもよろしくデス。
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