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俺は部屋に入るとそのままベットに転がった。
ポケットから出した鍵・・・。
それは今日の対局を終えたら先生に返そうと
思って持ち合わせていたものだった。
だのに・・・
これで何もかも終わったんだ。
あいつに振り回される日ももうこれで終わる。
身体を重ねればいつか緒方に本気で恋を
するかもしれない。
第一大人だし、先生の打つ碁は魅力的だ。
きっと塔矢のことなんてすぐに忘れてしまえる。
先生 だから早く来て欲しい。俺今一人になりたくない。
胸が苦しいんだ・・・
余計な気持ちが入ってこないように目を閉じる。
だが閉じた瞼の裏から塔矢の顔を思い浮かべそうになって
俺は慌てて首を振った。
「ああもう、俺何やってんだよ。」
俺から先生の所に行くほうがいいかもしれないと
ベットから起き上がった時
部屋のドアをあけたところで佇んでいた人物
と目があった。
それは俺の待ち人でなかった。
「塔矢 何でお前が・・。」
「失礼するよ。」
パタンと扉の音がしまった。
「進藤 君に聞きたい事がある。君は緒方先生が
好きなのか。」
「でなきゃ男の先生とSEXなんてしねえよ。」
「じゃあ その行為に想いがあるっていうんだな。」
「あたりまえだろ。お前何が言いたいんだよ。
さっきもいっただろ。もうほっといてくれっ。」
俺はむげに塔矢をあしらってもう帰ってくれとばかりに
胸を押そうとしたが反対にその腕を引き寄せられて
力いっぱいに胸に押しつけられた。
「ほっとけないんだ。僕は君を・・・」
「離せよ。」
「離さない。僕は君が好きだ。愛してるんだ。」
意思とは別に心が 体が 震えだす。
「もし君が本当に緒方さんを愛してるというなら
僕は身を引こう。だからはっきり言ってくれ。
僕は君に・・・・失恋したんだと。」
「なんで今頃 そんな事言うんだよ。もう遅いよ。俺はもう・・・」
「進藤 遅くなんてない。僕は知ってる。君には
まだ僕に想いがある。だからこんなにも
震えて・・・。」
力任せに塔矢は俺をベットへと押し倒した。
「やだ。離せよ。やめろ・・・・」
そういったもののそれ以上何もしてこない塔矢に
気づいて俺は体の力を抜いて見上げた。
「やっと僕の顔を見てくれたね。聞かせてくれないか。」
「俺は緒方さんと寝たんだぜ。わかってんだろ。
拒む事だってできたんだ。なのに俺は・・・」
「脅えてたんだ。僕も君も 自分の弱さに。」
「塔矢 ?」
「違うかい。僕がデートしたと聞いて君はその事実に
脅えたんだ。そして僕はどうしても君への
想いを打ち明けられなくて怖かったんだ。
碁打ちとしてライバルとしての君を
失ってしまうんじゃないかと思うと言えなかった。」
進藤 君が好きなのは誰。言ってほしい。でないと
僕は・・・」
押さえ込まれた手は小刻みに震えている。
「俺 お前のこと好きでいい・・・?」
オレが言い終わらないうちに塔矢の唇がそれを
ふさいでいた。
最終話へ
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こんな所で続きにしたら読者の方が期待するだろうと3年前の自分につって込みいれてます(爆)
今の私だったら迷わず描いたでしょうがこの時の私は書いてません(苦笑)
なので最終話期待しないでくださいね(^_^;)
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