二酸化炭素(CO2)

04/12/19

そもそも二酸化炭素(CO2)とは何か?
物を燃やす際に発生するもの、というイメージが強いため
(物を燃やす)=(二酸化炭素が発生する)
と思ってしまいますが、少し違います。

二酸化炭素は、炭素(C)と酸素(O2)とが化学的に結びつくことによって発生します。
炭素は身の回りの物質の大部分に含まれています。
例えばスーパーでもらうレジ袋は、ポリエチレンという物質で出来ており、
ポリエチレンには多くの炭素が含まれております。
これを酸素が存在する空気中で燃やすと、二酸化炭素が発生するわけです。
炭素を含まない物質が燃えても二酸化炭素は発生しませんし、
酸素の無い状態で物が燃えても二酸化炭素は発生しません。

こうして発生した二酸化炭素は分解も可能です。
しかし、分解するためにはエネルギーが必要となります。
下図をご覧ください。



これは、原子や分子のある状態におけるエネルギー保有量を表したイメージ図です。
上が高エネルギー状態、下が低エネルギー状態です。
上段の「ばらばらの状態」というのは、
各原子がばらばらの状態で、通常はこの状態で酸素は存在しません。
酸素は2つの原子がペアになって存在する二原子分子です。
中段の状態は炭素と酸素が存在している通常の状態です。
厳密には炭素原子が1個で存在することはありませんが、ここでは触れないでおきましょう。
下段の状態が、炭素と酸素が結びついて二酸化炭素になってしまった状態です。
見た目にもガッチリ結びついてるように見えますね。
以上から分かるように、二酸化炭素のエネルギー状態は低いのです。

この二酸化炭素を、炭素と酸素の状態に戻すには
2つのエネルギー状態の差分だけエネルギーが必要となります。
その量は、
炭素(C)と酸素(O2)が結びつくことにより発生したエネルギーに等しいのです。
つまり、(発熱量)=(吸熱量)です。

しかし、一般的に物を燃やして得たエネルギーは何かに使ってしまうので、
二酸化炭素を分解するためには使えません。
二酸化炭素を分解するためには他のところで得たエネルギーを使わなくてはなりません。
ところが、そのエネルギーを得るために物を燃やしたのでは
二酸化炭素を分解するために二酸化炭素を発生させることになってしまいます。
これが二酸化炭素の増加に頭をかかえる人間の悩みなのです。

解決策としては、二酸化炭素の発生しないエネルギー源を使う方法があります。
太陽から届けられるエネルギーや原子力を使う方法です。
しかし、太陽から届くエネルギーは密度が低いため集めるのが大変で、
原子力を利用しようとすると放射性廃棄物の問題が出てきてしまいます。
頭の痛い問題です。
だからこそ、
無駄を省いて二酸化炭素の発生を抑えるのが得策とされているのです。

       



home