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ランスの冒険
第一話 〜光を求めて〜
プロローグ 〜ことの始まり〜
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シャーー。シャワーの流れる音がし適度な温度の湯を少女は浴び、今日一日の疲れを流していた。
「ふう・・」
シャワーを浴びつつ、今日一日の出来事を振り返り、少女の頬が緩んだ。なにか、いい事があったようだ。
数分後、少女はシャワーを追え、体にタオルを巻き、髪を拭きつつ、いつもの習慣どおりに化粧台に向かう。
普段はルームメイトがいるのでにぎやかなのだが今日は調子が悪いと早くから寝ているので静かだ。
化粧台にある鏡を見ながら少女は髪をブラシで梳いていたが、ふと鏡に映る少女自身を見て(特に胸の部分を)少女はため息をつき、今度は暗い表情になる。多感なお年頃のようである。
物思いに沈む少女の背後から窓ガラスの割れる音がする。何が起きたのかと振り向く少女。だが、少女の視界にはただ、窓ガラスが割れているだけでなにが起こったのかすぐには把握できなかった。
「えっ、な、何?」
ルームメイトのおきぬけの声が奥から聞こえてきた。友人が居たということを思い出して心強さを感じ、ちょっと少女は安心する。だが、
「え、あんた達、だ、誰? うっ」
ルームメイトの声が聞こえた所で、何か大変なことが起きたと恐慌状態に陥った少女は悲鳴を上げようとしたが背後から口をふさがれ、その意識を失った。
(な、なにが・・起きたの・・・)
薄れ行く意識の中、少女は自分が抱きかかえられるのを感じた。それがこの時の少女が覚えている最後の感覚だった。
朝になって、いつもどおりに朝食を食べにこない少女を心配した友人が少女の部屋を訪れたときには、窓が打ち破れており、そのそばに倒れている少女のルームメイト。そして、少女が髪を吹くのに使っていたタオルと手入れに使っていたと思われるブラシが残されているだけのみ。
これが、後に「鬼畜戦士」として世に鳴り響くランスという若き冒険者の様々な逸話を残す第一歩となる事件の始まりであった。
*
*
*
アイスといわれる自由都市群の一つにキース冒険者ギルドがある。冒険者ギルドとは様々なトラブルを解決する人材派遣業のようなものであり、モンスター退治から護衛など様々な危険な依頼を最適な人材に割り振ることによって、冒険者という傍目にはヤクザな商売を行う胡散臭い連中に社会的信用を最低限ではあるが与えることができていた。さて、このキース冒険者ギルドは数ある冒険者ギルドの中でも数ある腕利きの冒険者を有しており、信用もあってか大きな仕事などは殆どがこのキース冒険者ギルドに依頼される。
そのキース冒険者ギルドにある一件の依頼が舞い込んできた。それを処理するのは通常は、事件を割り振る担当(このキースギルドでは秘書課)が行うのだが依頼内容によりランク付けがされており、通常では判断できない依頼内容などはギルド長が直接行うことになっている。そして今回の件についてはギルド長であるキースが行うものであった。
ギルドビルの中の一番高い階の正面からみて一番奥にあるギルド長の執務室にてキースは自分の執務机に腰掛、葉巻を燻らせつつ件の依頼を吟味していた。キースの外見は40歳後半くらいだろうか。体中あぶらきってる豚のような体格に周りにいる人を不愉快にさせる禿げ親父とは某戦士の談だが、実際にはあぶらきってる豚でもないし不愉快にもさせない渋い中年である。ギルド内では信頼の厚い人物として通っている。裏ではどうか知らないが。
そのキースが渋面になりながら
「やっかいな」
とポツリとつぶやく。
キースが判断しなければならないような依頼については単純に事を進めてはまずいものばかりだ。こういった依頼はできるだけ関連のある情報等を得て吟味する。場合によっては、それがギルド存続の危機となるかもしれないからだ。
実際にヘルマン方面でギルドを運営していた組織がつぶされてしまったのだ。皇妃暗殺の疑いで。明らかに濡れ衣だとわかるのだが国が相手ではそんなものも無駄だった。解決に乗り出した者もいるにはいたが、口をつぐむようになり冒険者業界から引退した。その後の消息は知れない。それについては触れないということが暗黙の了解となっていったのだ。なんせ、その消息を調べようとした者も消息不明になるから。
いまとなってはヘルマン方面で冒険者ギルドは本格的な活動はしていない。
今回の件はへルマンと同じようなケースに成るのではないかとキースの勘が危険だと告げていた。しかし、断るのは忍びない。依頼主はキースが冒険者現役時に随分世話になった恩人でもあったからだ。公私の想いの板ばさみになっていた。
「・・・アイツを使うか」
キースの頭によぎる若者。彼の何から何まで社会から見れば規格外の性格や行動を思い出す。
「・・別の問題を起こしかねんな。・・まあいい、アイツなら悪運が強いから何とかするだろう。今までもそうだったからな。今回も何とかするだろう。なーに、いざとなれば切り捨てればいいか」
一瞬、嫌な想像をしてしまったがキースは決断した。本人が聞けば即、ぶった切ろうとするだろうことをさらりと言葉にすると自分に納得できたのかうむうむと一人うなずく。今までにも、厄介ごとを何回か押し付けたことがあるようだ。そして、それは満足のいく結果に終わっている。今度もそうなることを信じることにした。それに何も自分だけが厄介ごとを押し付けている訳ではないのだ。逆にこちらがアイツに厄介ごとを押し付けられる。どっちかって言うとアイツのほうが遥かに多い。
キースは呼び鈴を鳴らし、人を呼ぶ。
「はい、何でしょうか?」
そう言いつつ扉を開けて秘書が入ってくる。秘書が入ってきたのを確認したキースは開口一番に
「おい、アイツを呼べ」
「え、ア、アイツといいますとラ、ランスさんをですか」
アイツと聞いて動揺する秘書。それだけで誰を指すのか分かる人物とはいったい何者なのか?よっぽどな目にあったのだろうか?秘書はもう一度キースに確認する。
「そうだ。ハイニ。ランスをだ」
そう聞いてまたも愕然としつつ、
「解りました。ただちに手配します」
秘書は動揺をおさえて返事を返す。
「それと、勤務体制をシフトRにしとけよ。呼ぶ都度に若い子が辞められては適わんからな」
シフトRとは対ランス用ギルド勤務体系で若い女性をランスの目に触れさせないようにすることである。
「心得ております。呼びに行く人物の選定はどうしましょうか?」
「一任する」
「現在、動かせる人材は男のみですが。危険手当を出すことを許可頂けますか?」
「・・・解った。許可する」
キースはなんでランスを呼びに行かせるだけに危険手当が必要になるのかと思うのだ。だが、実際、何人か被害に遭い病院送りになったことがあるのだ。男限定ではあるが。黙っていれば二枚目の美男子なのだが、凶悪な目つきとニヤリと笑う口により、見た目の良さもぶち壊しで、好印象を持ちにくくしている。
病院送りしたランスの弁によると「押し売りだと思った」らしい。普通、押し売りの対応で病院送りにすることはまず有りえない。
女ならどうかというとなおさら危ないのだ。前に一度、呼びに行かせたらなかなか帰ってこず、ランスを連れて戻ってきたと思ったら、「辞めさせて下さい」と涙をためながらいうのである。その横で妙にすっきりしたランスを見て何が起こったのか察した時にはキースは頭を抱えた。
(・・・あの時は説得と事後処理が大変だったな。よくよく考えると。アイツの後始末はいつも、俺に回ってくるような気がするぞ)
こめかみを押さえながら、この町でのランスへの苦情などを思い憂鬱になってくる。
「まさに、我がギルドの鬼札」
最近はもっぱら、女でもオバサンを使うのが一番、被害が少ないことが経験則により判っているのだが、今回は運悪くいないらしい。
(行ってもらうものは不運だったとあきらめてもらうか。今回は俺の私事も含まれるから危険手当に気持ち上乗せしてやろう)
とキースは誰とも知れぬ不運な使いに瞑目した。そんな、様子を見ていた秘書ハイニはそのまま一礼し、
「では、失礼します」
と立ち去っていった。
そんなやり取りがあってから約2時間後、件の人物であるランスがキースギルドにやって来たのである。
*
*
「キースの野郎、いい所で呼び出しやがって」
いきなり、ギルド長キースより呼び出されたランスは気分が悪かった。あくまでも彼の主観であるが、
イラつきながらズカズカとキースのいる執務室へ向かう。ギルドの職員はそんな彼の様子にかかわらないように避けていく。まるで、学校で一般生徒が不良に目を合わせないように避けていくのと一緒である。
彼、ランスがイラついている原因は、ランスが丁度、最近手に入れた自分の奴隷であるシィルと事におよぼうとしていた時に使いの者が来たからである。楽しみを直前で邪魔されたランスは機嫌が悪く、当然のごとく、使いの者を病院送りにした。不運である。いや、ぶち殺されなかったから幸運なのか。
もっとも、気分直しといってシィルとやってから来たのだが。だから、余計に使いの者が哀れでならない。
「キースの野郎、しょーもないことなら殴ってやる」
ランスは硬く決意しつつキースの執務室の扉を乱暴に開いた。
「キース、用件は何だ!」
キースのほうはそんなランスの様子にどこ吹く風に引出しから葉巻を取り出し、ゆったりとした動作で火を付けた。
「お前さんを呼び出したのは他でもない。この仕事を引き受けて貰いたい」
そう言って彼の執務机の上にランスに向けて資料を出した。
ランスはそれを見もせずキースを睨み付ける。
「また、厄介な依頼じゃないだろうな。この前みたいなのはごめんだぜ」
そう言いつつ、前の事件を思い出したのか苦虫を噛み潰したような顔になる。
「前のね・・?ああ、あれか。でも、お前もいい思いしたみたいじゃないか。たしか、シィルって娘を手に入れたんだろ?」
付けた葉巻を吸いつつ、キースも思い出したように告げる。
「あんなのがなければやっていられるか」
と息巻くランス。
「十分に儲けになっただろが?それ以外にもあったようだが」
「ふん、そんなの当たり前だ。俺様だからな」
と胸を張るランス。
(なんで、こいつこんなに自信満々なんだ?)
とキースは思いつつ、
「そろそろ、お前も結婚したらどうだ。なんなら俺がいい女を紹介してやってもいいぜ(そんときはシィルて娘は引き取ってやるぞ)」
ニヤリとキースはランスに話す。ランス主観ではいやらしい面構えでキースはねちねちと話すことに我慢ならんとばかりに、
「さっさと仕事の話をしやがれ」
「せっかちな野郎だな。ゆとりを持たなくちゃ早く老化するぞ。まあいい」
出している資料をくり間にはさんであった白い封筒より一枚の写真を取り出し、それをランスに見せる。
「ほれ、この写真を見てくれ」
「なんだ?」
少し興味を持ったのか素直に写真を受け取るランス。その写真には白いドレスを着た赤い髪の美しい娘が笑顔で写っていた。
「ほー、なかなかかわいいじゃないか」
「依頼の内容というのはだな、この娘を見つけ出して保護して貰いたいのだ」
「なんだ、人探しか。で、この娘なに者なんだ」
「ブラン家の次女だ。名前はヒカリという。1週間前パリス学園に通っていて行方不明になったそうだ」
ランスは手に持った写真をもてあそびながら、
「パリス学園といえばあのお金持ちのお嬢様学校か。逃げ出したんじゃないのか」
キースは吸った葉巻の煙を吐きながら、
「彼女のルームメイトの話によれば深夜に、二人の女忍者が現れて彼女をさらっていったそうだ」
それを聞いたランスは少し考え込む。
(女忍者ね・・・ここら辺では珍しいな。JAPANとやらがメッカらしいが。とりあえず手がかりになる情報ではあるな)
キースの依頼内容を吟味した。
「なんか、アクションは起きたのか?」
「いや、まだだ。未だ、身代金の要求の類は無いようだ」
「営利誘拐じゃ無いのか?じゃ、何のために?」
「さあな、解らん。どっちにしろ、それはこれからお前が調べる事だろ。とにかく、お前はこの娘を捜しだし助け出せばいい」
ムム、とランスは顔をしかめた後、
「まあ、いいだろう。で、報酬は?」
「25000GOLD!」
実際にはブラン家は20000GOLDで5000GOLDはキースが私財から出したものだ。恩人の娘と言うだけでなくキース自身にとってもヒカリという娘は思い深い存在だからだ。
「はは、破格値じゃないか。どうしたんだ」
ランスは通常の依頼ではお目にかかれない報酬に驚いた。
「それだけ、ブラン家では、大事な娘なんだろ。まあ、口止め料も込みだ。良家にはこういった話は致命的だからな」
キースは自分の分を上乗せしていることは黙っているキース。知れたら何をするかわからないからだこの男は。とりあえずの理由で釘を刺す
「まかせときな、俺様がすぐに解決してやるぜ」
いつも、あっさりと受けやがるな。普通こんな額提示されたら、それだけ危険で厄介で裏があると警戒し、よく考えて返事するのが冒険者のはずなんだが。
「じゃあ、行くぜ」
キースの想いなんぞお構いなく資料を手にランスは執務室を出て行く。
バタン。扉が閉まる音がして
「ふう」
ランスが部屋を出て行ったのを見てキースは息をつき、ヒカリの事を思い浮かべた。
(まあ、賽は投げられた。あの男に期待するしかないな。ヒカリが無事に帰ってきてくれるだけでいい)
キースはヒカリの無事を祈りながらランスに任せたことで気が楽になるのを感じた。
と扉の向こうから声が聞こえてきた。
「ああ、ラ、ランスさん!!」
「がはは、チャコちゃんじゃないか。久しぶりだな」
「あっああ・・」
その声からヘビに睨まれたカエルを思い起こす。ガタガタと震えているチャコを容易に想像できる声音だった。
「久しぶりに会ったんだ。一発行こうぜ!」
「い、いいですう。ギルドマスターの所に書類を届けないといけませんから」
「がはは、あんな禿げ親父への用なんて後々。俺様とのあまーい一時のほうがいいって」
「そ、そんな、ダ、ダメですう」
「ふふん、そんなこといっても、チャコちゃんもだんだん俺様になじんできたようじゃないか。そんな事はココは言ってないようだぞ?」
「ああ、やめ、やめて、あっ、ああーん」
「それそれ、それー」
「あっ、あう、ん。も、もう、好きにして」
「じゃ、そういうことであの部屋で犯るか」
ガチャ、バタン。扉が開き閉まる音。そして、甘い嬌声がキースの執務室まで聞こえてきた。
「た、たまらんな。こんなことされると(そういえば、チャコっていえば前にランスを呼びに行かせた娘だったな)」
キースはぼやきながら先程の安心感は去り、先行き不安に陥るのであった。
ランスはご機嫌で冒険者ギルドを出てアジトへと帰っていく。かなりすっきりした顔つきで。
「くく、25000GOLDか。しばらく楽しく過ごせるな」
あごに手をあてながら、ニヤつき報酬の使い道を考えながら通りを歩いていくランス。もう既に彼の中では依頼は終わったものらしい。ヤクザらしいのがランスの姿をみて、あわてて避けようとする。その様子を見れば普段のランスの所業も知れよう。
やがて、ランスのアジトに到着した。手にはどこぞで手に入れたのか財布をが握られもてあそんでいた。財布の一部になぜか血の痕があるのは気のせいか。
「くっくっく、臨時収入だな。おっ、結構入っているじゃないか」
財布の中身を帰り道の途中に確認しランスはニヤついた。
「シィル、ご主人様のお帰りだぞ!」
玄関をくぐり、ランスは威勢良く言った。
「はーい。お帰りなさいませ。ランス様」
そういって、出迎えたのはシィル・プラインという名のピンクの髪に水着のビキニのような感じの白い布をまとった何人がみても美少女だと断言する少女だ。
最近、ランスが某悪徳魔法使いから15000GOLDで買い取った魔法使いだ。絶対服従という特殊な魔法が掛けられているのでランスの命令には逆らえない。魔法を使用できない戦士であるランスにとってレベル13の魔法使いシィルは、とても役に立つ相棒だ。最も待遇的には相棒というよりは奴隷なのだが。
「シィル、俺様はこれから依頼内容の確認と計画を立てる。その間にお前はメシの用意をしろ」
そうランスはシィルに告げると自分の部屋へと向かった。
「わかりました。ランス様」
シィルは元気よく返事して台所に向かう。
ランスはそのまま自分の部屋で依頼内容の書かれた数枚のレポートと写真を見ることにした。
「ランス様、お茶が入りました」
ランスがレポートを半場ぐらいまで読めた所でお茶をもってシィルが部屋に入ってきた。
「あの・・次のお仕事、決まったんですか?」
「おう、人捜しをすることになった」
簡単に今回の仕事についてランスは説明してやる。人に話すことで情報の整理も行うためでもある。
ランスは頭の中で今回の作戦を考えた。とにかく事件のあった街に行って調べてみないことには始まらない。パリス学園についても調べないとだめだろう。
(でもあそこは女子高だからな・・・)
ランスはどうするかと思考の海に沈もうとしていた。
「あのー、ランス様?どうしたんですか?」
だがシィルに声をかけられ引き上げられた。
(そういえばこいつがいたんだ。グッドなアイデアだ)
ランスは思わず思索の邪魔をしたシィルを怒鳴ろうとしたがシィルと女子高とが結びつき、アイデアが思い浮かんだので機嫌を直した。
「お前、パリス学園に入学して情報を集めろ」
シィルはその言葉に戸惑った。
「えっ、学校に行かせてもらえるのですか?」
思わぬランスから言葉に思わず再度、問いかけた。
「ばか、情報を集めるんだよ、情報を。特にさらわれた娘と親しかった友達を調べろ」
ランスはシィルに目的を話した。それから必要と思われる引き受けた依頼内容をシィルに説明した。
「はい、わかりました」
シィルは素直に返事をした。ランスはその返事に、満足そうにうなずいた。
「じゃあ、メシにするぞ。それから出発準備だ」
ランスは食事をするため移動しながらこれからの行動を考え始めるのであった。ちなみにシィルは仕事とはいえ学校に行ける喜びに満ち溢れていた。
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もともと優秀なシィルはパリス学園の途中入学審査にやすやすと受かると潜入に成功した。さすが魔法を使うだけあって頭がいい。パリス学園さすがお嬢様学校だけのことはあり入学金や授業料等がべらぼうに高いとかあったがこれは必要経費として依頼主から出費させるという話がついていた。
さっそくシィルは手続きを済ませ、パリス学園に入学した。(形式上は転入)ランスはランスで準備があるとシィルと別行動をとり遅れること2,3日後に目的の街に向かった。彼の行く手にはなにが待ち構えているのだろうか。
・・・この時、ランスは生涯ずっと関わる事になる出会いが待っている事を知らなかった。
<続く>
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(後書き)
何を思い立ったのかランスTを題材にSSを書いてみようと始めました。元がアドベンチャーなので大筋が決まっている訳ですがそれなりに願望と欲望を混ぜたオリジナルな部分が出せればいいなと思います。
まあそれだけじゃなくランスW以前を題材にしたSSものってあんまり見かけない(って言うか知らない)ので書いちまおうかとささやかな野望を抱いたのであります。
とりあえず温かい目で見ていって下さると大変うれしいです。
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