九年母の木

抱卵のツバメの番睦まじく
蒸籠の湯気噴き上げて柏餅
慰霊祭愛の詩届けつつじ添う
水溜り天も地もあるかとの国
不揃いの柏餅にも母の味
山間に緞帳のように藤の花
生命の化石の里や若葉風
柏餅羽釜の火たきし祖母想う
過去帳の横に供ゆる柏餅
母の手の温もりありし柏餅
餅見えぬほど広き葉や柏餅
退職の恩師に送る新茶かな
百歳を生きて病室バラの花
柏餅作り終えたる掌の火照り
風吹けば小梅音して降りにけり
濃淡の山々清し老いの会
訪ねたしふんわり牡丹咲きし寺
かとの世もいちびり居るか群れ乱し
母の手の皺思い出す柏餅
薫風やうたた寝している厠にも

光山寺だより  掲載
    六月号大沢句会
句会
句会

大沢句会

三恵子
三恵子

純 子
純 子

弘 枝
弘 枝
藤垂るる池で孫との魚つり
新緑や野山の景色ほしいまま

田水張る棚田は千の水鏡
万緑に浮かぶ小さな白い傘

小雨降る男一人の田植えかな
夏柳小さき風をもとらへたり