「21世紀の分析会社(Where are we going?)」 NTR NEWS No.14

 研究開発の推進や製造技術の向上にとって必要不可欠な試験分析の評価は、現在では、企業の分析セクションが組織的に独立した分析会社が行っていることが多い。
 これらの独立した分析会社には、バブル期以前からのいわゆる「老舗」と、バブル期前後の「新規参入」という2つのグループがあるように感じているが、日本板ガラステクノリサーチ株式会社は明らかに後者に属している。このような分社独立した会社は必然的に親会社の基盤技術の集合に含まれる。すなわち、ガラスやセラミックス分野には強いが他の分野では評価装置や基盤技術の面で不十分なことも多い。おそらく、他社でも程度の差はあるものの類似しているものと推測する。
 このような状態は、お互いに技術分野の特異性は活用できるものの、顧客のニーズは1つの分野に限定されることは少ないので(日常の課題がターゲット)、分野を越えた(あるいはまたがる)要求が多い。こうなると、1社では経験的にまた能力的にも顧客の十分な満足度を得ることが難しくなる。
 すなわち、これらの試験分析の事業では、各社とのネットワークと協力体制がますます重要になると思われる。課題解決型で取り組むほど、お互いの技術を越え、また総合してアプローチすることが重要となる。顧客が分析会社に対して期待することは、1つの評価ではなく課題そのものの解決である。
 それでは、21世紀(現在も)の分析会社には何が求められるのだろうか。
 第一には、分析会社が顧客のニーズを的確に把握し、たとえ窓口的役割になってしまっても他社とのネットワークを活用して総合的に課題解決ができるかということである。これには、試験分析の設計、企画、また得意分野を越えた基盤技術への積極的な関与などが必要となるであろう。
 第二には、たとえ不得意な分野でも、顧客のニーズを把握して他分野の境界領域まで入り込んでアクションができるかということである。未知分野への落下傘降下では効果的な業務展開ができないが、近接領域への進出は射程距離の範囲内であると考える。さらに付け加えるならば、分析会社は今以上に個性を出すことも必要であると思う。
 21世紀では、自らがそのセールスポイントを主張できる企業が顧客の信頼を得ることができるのであろう。

 2021年5月28日

日本板硝子テクノリサーチ株式会社(NTR)のホームページの表紙

 ガラス製造の関係する多くの企業から試験・分析の依頼を頂いた。
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