「IT革命に思う」 NTR NEWS No.13

 IT(Information Technology)は、今「熱い言葉」になっている。情報電子技術の普及は、急激で留まることを知らない。パソコンの処理速度も桁違いに早くなり、ITは一般家庭にも普及してきて、私たちは目的別に便利さや楽しさを自由に選択することができる。企業はインターネットやイントラネットを充実し、情報の共有化や業務の迅速化を行っている。その結果、仕事の効率化や生産性は飛躍的に向上したといわれている。

 でも、ここで少し考えてみたい。私たちには、果たしてIT革命によって今までにない大きな効果が本当に出ているのだろうか。多分、「うちは十分に効果が得られているから大丈夫」という回答が多いと思う。本当にそうなのであろうか。もっと、今よりもさらに飛躍的な展開ができるのに、自らそのチャンスを失ってはいないだろうか。業務内容は高度になり、ITが無ければ現状のスピードや対応は維持できないだろう。しかし、ハイテクといわれるものを駆使してもこれだけのものだろうか。

 ITに関しては、設備やインフラ、社会の対応とシステムの構築などに興味が集まっていると感じている。また、利用者において、如何に早く正確に必要な情報だけを得るか、また手段はということに尽きると思われる。
これからの情報は、「情報の共有化」によって得ることができるものだ。「情報の共有化」によって、私たちの生活や仕事は恩恵を受けるのであろう。受け身の立場では情報収集だけだろうが、アクティブな立場では発言して、企業であるならば営業展開や顧客確保につながるのであろう。

 では、「情報の共有化」に対しては、我々はどのようにしたらいいのだろうか。それを共有できるシステムが必要不可欠であることは確かだ。社会は、ハードのシステム作りにおいては注目度が高い。しかし、最も危惧することは、ハードも整備され装置能力も十分で担当者のスキルがあっても、本当に情報の共有化を重要と感じて自ら発信して、そしてハングリーに情報を獲得するという意識があるかということである。

 誰でも情報は大切だと考えているだろう。しかし、自らがその一員という考えを持っている人がどれほどいるかは疑問である。すなわち、「魂のないIT革命」になってしまうのではないかということを心配する。システムは機械で動かせるが、構築するのは人間である。

 分析の結果に関しても情報の共有化が進み、顧客内で部署が異なってもデータを共有化でき、もっともっとコストダウンができるのかも知れない。さらに、社員がもっと自発的に情報共有に参加すれば、タイムリーにまた効果的に総力をあげた営業展開や顧客確保ができるかも知れない。
 
 本当に大切なことは、ITの利用者に徹するのではなく、自らが積極的に発言する「魂の入った情報革命」を行うことであると思う。


 2021年5月25日

南武線の「浜川崎」での貨物列車の写真 趣味の写真

南武線の「浜川崎」での貨物列車


 EF15の88号機が牽引する貨物列車です。立川からの燃料輸送と思われます。 撮影:1980年3月
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