天翔会、なないろ保育園、甲賀市、小規模保育事業所

【脳科学】に基づく育脳

心と身体の基礎は『脳』にある!?

木は光や水、土の養分などを取り込んで地中に根っこを伸ばし、地上に太い幹を伸ばしていきます。木が簡単に倒れないのは、成長に必要なものを与えることで頑丈な根が張り、太い幹が木を支えているからです。また、木は生えるだけでなく、美しい緑の葉が生い茂ったり、美味しい果実がなったり、美しい花を咲かせたり…、それぞれの木が独自の成長を遂げます。

 

人が大人に育っていくときも、心と体の「根っこ」や「幹」、つまり基礎がしっかりしていることが大切です。また、脳の発達により「人間らしい行動」ができ、これらを伸ばしてあげることによって、それぞれの児童独自の成長、つまり個性が輝く『人』へと成長していきます。

心を健やかに育てるために

「大脳辺縁系」と「脳幹」は昔からほとんどの動物がもっている「古い脳」です。生きるために必要な「からだの脳」とも言える場所で、生まれてから5歳頃までに完成します。

「脳幹」は生命維持に必要な機能を担っており、「大脳辺縁系」は情動を司っています。これらは脳の中で最初に発達し、原始的な働きの上に、「大脳皮質」や「前頭葉」など、高度な機能を司る脳への繋がりができ、大脳が発達していきます。
「脳幹」や「大脳辺縁系」が「根っこ」や「幹」にあたる心や身体の基礎の部分、「大脳皮質」や「前頭葉」などが「木々の葉、果実、花」にあたる人間らしい高度な精神、運動活動ができる部分となります。

 

・心を健やかに育てるために
 脳と心のメカニズムは、「大脳辺縁系」で起こった情動を理性の脳がうまく制御して、不安を安心に変えたり、衝動性を自制心で抑えたりします。このとき、脳の中を繋げているのは神経系です。中でも、セロトニン神経が働いていると、原始的な“不安”が生じたとき、それを前頭葉で“安心”に変えることができます。セロトニン神経は5歳頃までにつくられ、これがうまくつくられていると、感情のコントロール、マナーやルールを守ること、思いやりの心などを段階的に身に付けていくことができます。セロトニン神経の発達とセロトニン量の増加を促すためには、十分な睡眠と、朝に太陽の光を浴びること、セロトニンの原材料となる食事をきちんと摂ることとされています。つまり、赤ちゃんの頃から適切な環境のもと、規則正しい生活送ることで気持ちが安定した脳をつくることができます。

脳を育てるために

赤ちゃんの脳細胞の数は、実は大人とほぼ同じ。けれど、脳で情報処理を行う神経細胞(ニューロン)同士はつながっていません。ニューロンは他のニューロンと結びつくときに、「シナプス」という接続点をつくっていきます。
生まれたばかりの赤ちゃんにはシナプスがほとんどありませんが、生後急激に増え、必要なシナプスを選別しながら6歳頃に大人と同じ脳の大きさになります。シナプスが増えることで、言葉を覚えたり、複雑な動きができるようになるなど、人間らしく成長していきます。
つまり、脳の発達とはニューロン同士の適正なつながりをつくっていくことです。
そして、シナプスが増えるために必要なのが、五感からの刺激なのです。五感から受けた刺激が電気信号となってニューロンに送られ、その信号を別のニューロンに伝えようとするときにシナプスができます。

 

・五感とは?
五感とは「味覚」「聴覚」「嗅覚」「視覚」「触覚」の5つの感覚のことです。
赤ちゃんも五感を持って生まれますが、どの感覚もぼんやりしたもので、五感は外からの刺激を受けなければ発達しません。日常にある穏やかな刺激を繰り返し受けることで、五感は発達していくのです。

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