初夏の阿金谷

 竹野川は南北20qほどの小さな川だけど、けっこう多くの支流を持っている。その小さな川に注ぐとっても小さな支流のひとつ、阿金谷川に沿ってこぢんまりした集落がある。そこの地区を阿金谷「アコンダニ」という。
 このスケッチは、竹野川の対岸の土手から描いてみた。谷の奥まで伸びた道路が霞んで見えている。谷が深いからか、雨が降ったり、霧がかかったりしたときには神秘的な感じの風景が現れる。そのイメージをいつか描いてみたいと思う。

 このあたり一帯は古墳群の密集地で、こんもりしている山はそのほとんどが古墳といってよいそうだ。今も発掘が続いていて先日も大きな発見があった。
 左に見える道路は、鋳物氏戻峠「イモジモドシトウゲ」という峠に続く道である。城崎に向かう鋳物氏も戻してしまうほどの険しい峠ということでこの名が付いたと聞いた。

2002,6,18

水彩画廊へ