TAKARAZUKA BAPTIST CHURCH

日本バプテスト連盟  宝塚バプテスト教会

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■■ 本日の宣教から　■■

主日礼拝当日の週報に掲載されている「本日の宣教から」を再掲しています。

当日の宣教の箇所の概要や導入にあたるメッセージとなっています。

 

2017年度

1週

2週

3週

4週

5週

4月

 

9日

16日

23日

30日

5月

7日

14日

21日

28日

 

6月

4日

11日

18日

25日

 

7月

2日

9日

16日

23日

30日

8月

6日

13日

20日

27日

 

9月

3日

10日

17日

24日

 

10月

1日

8日

15日

22日

29日

11月

5日

12日

19日

26日

 

12月

3日

 

17日

24日

31日

1月

7日

14日

21日

28日

 

2月

4日

11日

18日

25日

 

3月

4日

11日

18日

25日

 
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2017年4月9日

マタイによる福音書 27章32〜60節(抜粋)
兵士たちは出て行くと、シモンという名前のキレネ人に出会ったので、イエスの十字架を無理に担がせた。・・・イエスの頭の上には、「これはユダヤ人の王イエスである」と書いた罪状書きを掲げた。 折から、イエスと一緒に二人の強盗が、一人は右にもう一人は左に、十字架につけられていた。そこを通りかかった人々は、頭を振りながらイエスをののしって、言った。「神殿を打ち倒し、三日で建てる者、神の子なら、自分を救ってみろ。そして十字架から降りて来い。」 同じように、祭司長たちも律法学者たちや長老たちと一緒に、イエスを侮辱して言った。「他人は救ったのに、自分は救えない。イスラエルの王だ。今すぐ十字架から降りるがいい。そうすれば、信じてやろう。神に頼っているが、神の御心ならば、今すぐ救ってもらえ。『わたしは神の子だ』と言っていたのだから。」 一緒に十字架につけられた強盗たちも、同じようにイエスをののしった。さて、昼の十二時に、全地は暗くなり、それが三時まで続いた。三時ごろ、イエスは大声で叫ばれた。「エリ、エリ、レマ、サバクタニ。」これは、「わが神、わが神、なぜわたしをお見捨てになったのですか」という意味である。・・しかし、イエスは再び大声で叫び、息を引き取られた。・・・百人隊長や一緒にイエスの見張りをしていた人たちは、地震やいろいろの出来事を見て、非常に恐れ、「本当に、この人は神の子だった」と言った。

「誰も理解できなかった救い主の死」
マタイによる福音書 27章32〜60節

宣教：岡村牧師

今日からの１週間は受難週です。イエス・キリストの死そして復活が起こってから2000年の間、キリスト教会は主イエスの死を覚えて記念し、イースターの喜びを迎えてきました。

イエスが十字架につけられたのは金曜日でした。それから遡って５日前の日曜日に主は、主イエスはエルサレムに入城しました。木曜日まで様々なことを教え、忠告し、御自分の死を予告し、最後の晩餐をして、ゲッセマネで苦しみの祈りをなさり、その後当局に捕えられます。この間に様々な人々の罪深い様子が聖書に記されています。それらの様子は今の私たちにも共通するものです。

人々はイエスが重い罪を犯したから処刑されたのだと思いました。罪人でない神の子なら全てをひっくり返すような奇跡を起こして自分が栄光ある神の子なのだということを示すはずだと思ったのです。私たちは胸がスーッとすくような結末が大好きです。どんなに苦しみいじめられても最後に逆転する、という結末を望んでいるものでしょう。

しかし、神の子の使命は誰にも理解できないものでした。イエスが人としての尊厳をはぎ取られて罪ある人として死んでいくことが神の御意志だったと誰が知る事ができたでしょうか。罪深い全ての人間が罪ゆえに神から断絶して滅びることがないようにするための、神の一方的な恵みとしてのご計画でした。

次週のイースターにFさんがイエス・キリストへの信仰告白をしてバプテスマを受けます。どんなにこのことを神がお喜びかと想像します。そしてどんなに彼女を愛する人々が祈ってこられたかも。神への感謝あるのみです。

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2017年4月16日

マタイによる福音書 28章1〜8節
さて、安息日が終わって、週の初めの日の明け方に、マグダラのマリアともう一人のマリアが、墓を見に行った。すると、大きな地震が起こった。主の天使が天から降って近寄り、石をわきへ転がし、その上に座ったのである。その姿は稲妻のように輝き、衣は雪のように白かった。番兵たちは、恐ろしさのあまり震え上がり、死人のようになった。天使は婦人たちに言った。「恐れることはない。十字架につけられたイエスを捜しているのだろうが、あの方は、ここにはおられない。かねて言われていたとおり、復活なさったのだ。さあ、遺体の置いてあった場所を見なさい。それから、急いで行って弟子たちにこう告げなさい。『あの方は死者の中から復活された。そして、あなたがたより先にガリラヤに行かれる。そこでお目にかかれる。』確かに、あなたがたに伝えました。」婦人たちは、恐れながらも大いに喜び、急いで墓を立ち去り、弟子たちに知らせるために走って行った。

「復活の知らせに見る神の御意志」
マタイによる福音書 28章1〜8節

宣教：岡村牧師

イースター、おめでとうございます！ イエス・キリストは復活しておられます！

イエス・キリストは復活して今もおられる・・・このことからキリスト教会が生れていきました。キリストの予告通りだったのですが、復活が起こって神からの知らせが入るまでは誰も信じる人はいませんでした。自分たちが罪人として見捨てたイエスは、自分たちの罪の身代わりになって死なれた、ということを人々はやっとわかったのです。罪がゆるされ愛されていることを知った驚きと安堵と喜びが伝わって来るような気がします。初めて復活のキリストを心に受け入れたときから、人々の中で喜びが泉のように湧き上がり、その喜びを抑えることはできませんでした。それが伝道の力になっていきました。

キリスト教会を構成しているのは、頭であるキリストに連なる一人一人の信仰者です。キリストの復活を祝うこの日に、女子青年のFさんが信仰告白をしてバプテスマを受けます。本当におめでとうございます！ご本人にとってもご家族にとっても教会にとっても、また神の国にとっても最高の喜びの日です。

キリスト降誕の最初からキリスト復活に至るまで、実に神が啓示してくださったから人は、神のご臨在を知ることができました。2000年前からキリスト教会が滅びることなく存在する事実は、人間の信仰の努力というよりも、見えない神の導き、働きがずっとあったからだと言えます。

天使は伝えます。「あの方は死者の中から復活された。そして、あなたがたより先にガリラヤに行かれる。そこでお目にかかれる。」 神の言葉と約束は、今も愛に満ちた希望と期待で私たちを招いています。主イエスは復活されました！

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2017年4月23日

ヨハネによる福音書 6章39〜40節
わたしをお遣わしになった方の御心とは、わたしに与えてくださった人を一人も失わないで、終わりの日に復活させることである。わたしの父の御心は、子を見て信じる者が皆永遠の命を得ることであり、わたしがその人を終わりの日に復活させることだからである。
ヘブライ人への手紙 9章27〜28節
また、人間にはただ一度死ぬことと、その後に裁きを受けることが定まっているように、キリストも、多くの人の罪を負うためにただ一度身を献げられた後、二度目には、罪を負うためではなく、御自分を待望している人たちに、救いをもたらすために現れてくださるのです。

「復活の知らせに見る神の御意志」
ヨハネによる福音書 6章39〜40節

宣教：岡村牧師

先週はイースター礼拝で、Fさんの信仰告白によるバプテスマ式が行われて教会の最高に嬉しい日となりました。自分もまた信仰の原点に立ち返る思いがします。一人の人が、聖書に証言されているイエス・キリストを信じて生きる決断をするということがどんなに意味のあることかは、私たちは神様が知っておられるようにははっきりとはわからないことです。罪ゆるされ神のものとなるということの具体的な意味は、時が来て、後で知る事になるのでしょう。

「わたしをお遣わしになった方の御心とは、わたしに与えてくださった人を一人も失わないで、終わりの日に復活させることである。わたしの父の御心は、子を見て信じる者が皆永遠の命を得ることであり、わたしがその人を終わりの日に復活させることだからである。」（ヨハネによる福音書6章39〜40節）

キリストが復活なさったように私たちもまた復活することは神の御心なのだ、と言います。永遠の命などという言葉はファンタジーのような感じがしますが、聖書の「永遠の命」とは神と共に生きるということです。死後のことなら経験したことがないわからないことですが、自分が存在して神と共にあることが分かる状態であるはずです。よくわからないことは置いておいて、今聖書のイエス・キリストを信じて、その御名によって祈ることができることで私は幸いです。自分のふがいなさや罪深さに泣くことがあっても、神がゆるしを与えて下さり、決して私の存在や願いを軽んじられないことを信じていられること、敬愛しあい祈り合える友が与えられていること、それだけで十分感謝して生涯を神に委ねられます。後は神にお任せです。この命を今どう生きていくのか。それを考えあぐねるより、直面していることに向き合って、神が先立って歩みを導いておられることに信頼していようではありませんか。個人として、また教会として。

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2017年4月30日

出エジプト記 1章 1〜14節
ヤコブと共に一家を挙げてエジプトへ下ったイスラエルの子らの名前は次のとおりである。ルベン、シメオン、レビ、ユダ、イサカル、ゼブルン、ベニヤミン、ダン、ナフタリ、ガド、アシェル。ヤコブの腰から出た子、孫の数は全部で七十人であった。 ヨセフは既にエジプトにいた。ヨセフもその兄弟たちも、その世代の人々も皆、死んだが、イスラエルの人々は子を産み、おびただしく数を増し、ますます強くなって国中に溢れた。 そのころ、ヨセフのことを知らない新しい王が出てエジプトを支配し、国民に警告した。「イスラエル人という民は、今や、我々にとってあまりに数多く、強力になりすぎた。抜かりなく取り扱い、これ以上の増加を食い止めよう。一度戦争が起これば、敵側に付いて我々と戦い、この国を取るかもしれない。」エジプト人はそこで、イスラエルの人々の上に強制労働の監督を置き、重労働を課して虐待した。 イスラエルの人々はファラオの物資貯蔵の町、ピトムとラメセスを建設した。しかし、虐待されればされるほど彼らは増え広がったので、エジプト人はますますイスラエルの人々を嫌悪し、イスラエルの人々を酷使し、粘土こね、れんが焼き、あらゆる農作業などの重労働によって彼らの生活を脅かした。彼らが従事した労働はいずれも過酷を極めた。

「人の奸計、神の関係」
出エジプト記 1章1〜14節

宣教：岡村牧師

みなさんは、人間の正体を知っておられるでしょうか。ギリシャ語で「人間」のことを「アンスローポス」と言います。この言葉は「アナ」＝「上に」という言葉と「プロスオーポン」＝「顔」という言葉の合成語であると言われており、本来的には「見上げる者」という意味があるそうです。この言葉から、人間は、常に顔を上げて生きる生き物であり、うつむく、下を向く、屈むという気持ちに反して、「下を向いてなるものか！屈してなるものか！上を見上げるんだ！上を目指すんだ！」という心持ちに生きる生き物であるということが分かるのです。しかもそれは、偶然的にそのような生き物になったのではなく、神の深い愛と恵みにより、そのような伸びゆく生命体として、必然的に「創造」されたということなのです。

エジプト王、ラメセス2世の奸計により、重労働を課せられ、瀕死の苦境におとしめられたイスラエルの民が、この奸計に屈することなく、エジプト王の思惑に反して増え広がっていったのも、実に、この神の深い愛と恵みによる「創造の御力」に支えられていたからであり、神の祝福の約束によって守られていたからなのです。

私たちの現実に困難はつきものです。それは人の奸計による困難であったり、健康や経済的な理由による困難であったりもします。しかし、恐れることはないのです。私たちの生命は困難に打ち負かされて、滅んでいくほど、やわなものではないからです。神の「創造の御力」により賜わった私たちの恵みの生命は、困難を通してますます強くなり、困難を通して上に憧れ、上を目指して伸びてゆく生命であるからなのです。私たち自身が「アンスローポス」であることを自覚し、神との恵みの関係に歩む時、そこに絶望は存在しないのです。

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2017年5月7日

コリントの信徒への手紙�� 12章 5ｂ〜１0節
しかし、自分自身については、弱さ以外には誇るつもりはありません。仮にわたしが誇る気になったとしても、真実を語るのだから、愚か者にはならないでしょう。だが、誇るまい。わたしのことを見たり、わたしから話を聞いたりする以上に、わたしを過大評価する人がいるかもしれないし、また、あの啓示された事があまりにもすばらしいからです。それで、そのために思い上がることのないようにと、わたしの身に一つのとげが与えられました。それは、思い上がらないように、わたしを痛めつけるために、サタンから送られた使いです。この使いについて、離れ去らせてくださるように、わたしは三度主に願いました。すると主は、「わたしの恵みはあなたに十分である。力は弱さの中でこそ十分に発揮されるのだ」と言われました。だから、キリストの力がわたしの内に宿るように、むしろ大いに喜んで自分の弱さを誇りましょう。それゆえ、わたしは弱さ、侮辱、窮乏、迫害、そして行き詰まりの状態にあっても、キリストのために満足しています。なぜなら、わたしは弱いときにこそ強いからです。

「キリスト者の誇り」
コリントの信徒への手紙 12章1〜10節

宣教：岡村牧師

新緑の美しい季節に入って、復活したような命の力強さを感じます。前にいた友が戻って来られたこと、イースターに新しく友が加えられたこと、そしてこの度Mさんのお連れ合いの御葬儀をこの教会で行うことができたこと、それらの一連のことに、神の導きや救いの確かさ、滅びないキリストの命を感じます。

今日の聖書の箇所はパウロの言葉です。キリストと教会を迫害する熱心なユダヤ教徒だったパウロが、キリストとの霊的な出会いをとおして信仰の大転換をし、キリストの福音を広く世界に伝える人となりました。その伝道の生涯は壮絶でした。投獄、鞭打ち、投石、難船、リンチ、同胞や異邦人からの迫害、不眠、飢餓、裸、様々な外的な艱難苦難に遭遇しました。しかし苦難はそれだけではありませんでした。何度神に願っても「とげ」がなくならなかったのでした。その「とげ」とは何なのかはっきりとはわからないのですが、パウロの持病だったのではないかと推測されています。それを離れ去らせて下さるようにパウロは一生懸命祈ったのです。すると祈りの中で神はパウロに語られました。

「わたしの恵みはあなたに十分である。力は弱さの中でこそ十分に発揮されるのだ。」

その言葉をいただいたことは、パウロにとって非常に大きな第二の転換ともいうべきことになったのではないでしょうか。パウロに対して語られた神のこの言葉が聖書にあることは、きっと私たちのそれぞれの時に、語りかけてくれるでしょう。イエス・キリストにあらわされた神の恵みは私たちに十分であることを覚えて生きたいと思います。キリストのゆえに私たちは弱いときにこそ強いことをパウロを通して教えて下さった神を誇りとして歩みます。

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2017年5月14日

詩編119編105節
あなたの御言葉は、わたしの道の光 わたしの歩みを照らす灯。
ペトロの手紙�� 1章23節
あなたがたは、朽ちる種からではなく、朽ちない種から、すなわち、神の変わることのない生きた言葉によって新たに生まれたのです。

「命の御言葉」
詩編 119編105節

宣教：岡村牧師

「あなたの御言葉は、わたしの道の光　わたしの歩みを照らす灯。」

多くの人々から愛されて来た言葉です。神と自分が、『あなたとわたし』という個人的な親しい関係で表されています。

私たちは教会と信仰生活の基準をイエス・キリストの救いを証言する聖書におきます。旧約聖書はイエス・キリストの到来を約束し、新約聖書はその成就を証言しています。聖書は人が神の霊感を受けて神を証言している書物ですが、その一字一句が神の真理の言葉だとするとおかしなことになります。人間が書いた以上、時代の価値観や制限を受けている部分もあるからです。

でも私たちが、求める心で聖書を読んでいくときに心に響き、届く言葉ときっと遭遇するのです。神が神を求める心でいる人を求めておられるからです。パウロはイエス・キリストの言葉を心に聞いて回心しました。会ったことのないキリストと言葉を通して出会ったのです。

神の言葉には神の命を与える力があります。新たな人に生まれ変えさせるような力をもっています。今日の礼拝の招詞の言葉にこうあります。

「あなたがたは、朽ちる種からではなく、朽ちない種から、すなわち、神の変ることのない生きた言葉によって新たに生まれたのです。」(�汽撻肇蹌�:23)

神と『あなたとわたし』という出会いを与えてくれるのが聖書です。人格的な出会いです。神が目の前にいる方として祈ることができる関係です。それを具体的に教えて下さった方がイエス・キリストです。イエス・キリストを信じることによって神との生き生きした交わりの人生が始まっていきます。

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2017年5月21日

出エジプト記 1章15〜22節
　エジプト王は二人のヘブライ人の助産婦に命じた。一人はシフラといい、もう一人はプアといった。「お前たちがヘブライ人の女の出産を助けるときには、子供の性別を確かめ、男の子ならば殺し、女の子ならば生かしておけ。」助産婦はいずれも神を畏れていたので、エジプト王が命じたとおりにはせず、男の子も生かしておいた。エジプト王は彼女たちを呼びつけて問いただした。「どうしてこのようなことをしたのだ。お前たちは男の子を生かしているではないか。」助産婦はファラオに答えた。「ヘブライ人の女はエジプト人の女性とは違います。彼女たちは丈夫で、助産婦が行く前に産んでしまうのです。」神はこの助産婦たちに恵みを与えられた。民は数を増し、甚だ強くなった。助産婦たちは神を畏れていたので、神は彼女たちにも子宝を恵まれた。
　ファラオは全国民に命じた。「生まれた男の子は、一人残らずナイル川にほうり込め。女の子は皆、生かしておけ。」

「人の奸計、神の関係 �供�
出エジプト記 1章15〜22節

宣教：高見協力牧師

　本日の聖書箇所には、イスラエル人撲滅を狙ったエジプト王ラメセス2世による第2の奸計が記されています。「どんなに重労働を課してもイスラエル人はつぶれない…。ならば命の根源を止めてしまえば、事は解決するのではないか…」。そのような悪知恵を巡らせた王は、イスラエル人の男児殺害をヘブライ人の助産婦、シフラとプアに命じたのです。ところで、この非人道的な命令を受けたシフラとプアの心情は、いったいどのようなものだったのでしょうか。普通の人間なら、この非人道的な命令に抵抗を感じながらも、王の暴力支配を恐れて、その命令に服従せざるを得なかったのでありましょう。しかし、シフラとプアは違っていたのです。なぜならば、彼女たちこそ、アンスローポス（上を見上げる者）であったからなのです。彼女たちは、エジプト王を恐れたのではなく、上にいる神を畏れたのです。

　彼女たちは、現実の脅威や困難に屈したのではなく、見えないけれども確かに上におられる主に信頼を寄せ、「命を尊び、命を建て上げる」主の御心に従い、王の命令に背いて男の子の命を生かしておいたのです。この彼女たちの信仰（主の御心を選びとり、それに従う決断）が、暴君、人の奸計を打ち砕き、風前の灯であったイスラエルの運命を窮地から救い、さらには、ますますイスラエルの命を生み出そう、育もうとする神の恵みと祝福の働きに参与、貢献していくことになったのです。

　前回学んだように、私たちはアンスローポスなのです。私たちもシフラとプアのように現実の脅威にさらされる者ですが、恐れる必要はないのです。上にいる神のみに信頼し、御心に従って歩んでいれば、ふさわしい時に、ふさわしい知恵と御言葉が与えられます。その時、人の奸計は打ち砕かれ、困難は突破されて行くのです。信じて、これからもこの神との関係の中を歩んでまいりましょう。

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2017年5月28日

《詩編96編1〜3節》
　新しい歌を主に向かって歌え。全地よ、主に向かって歌え。主に向かって歌い、御名をたたえよ。日から日へ、御救いの良い知らせを告げよ。国々に主の栄光を語り伝えよ 諸国の民にその驚くべき御業を。
《ルカによる福音書 15章8〜10節》
　「あるいは、ドラクメ銀貨を十枚持っている女がいて、その一枚を無くしたとすれば、ともし火をつけ、家を掃き、見つけるまで念を入れて捜さないだろうか。そして、見つけたら、友達や近所の女たちを呼び集めて、『無くした銀貨を見つけましたから、一緒に喜んでください』と言うであろう。言っておくが、このように、一人の罪人が悔い改めれば、神の天使たちの間に喜びがある。」

「愛されているから」

宣教：麦野達一先生

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2017年6月4日

使徒言行録 2章1〜4節
　五旬祭の日が来て、一同が一つになって集っていると、突然、激しい風が吹いて来るような音が天から聞こえ、彼らが座っていた家中に響いた。そして、炎のような舌が分かれ分かれに現れ、一人一人の上にとどまった。すると、一同は聖霊に満たされ、"霊"が語らせるままに、ほかの国々の言葉で話しだした。
使徒言行録 2章36〜42節
　「だから、イスラエルの全家は、はっきり知らなくてはなりません。あなたがたが十字架につけて殺したイエスを、神は主とし、またメシアとなさったのです。」
　人々はこれを聞いて大いに心を打たれ、ペトロとほかの使徒たちに、「兄弟たち、わたしたちはどうしたらよいのですか」と言った。すると、ペトロは彼らに言った。「悔い改めなさい。めいめい、イエス・キリストの名によって洗礼(バプテスマ)を受け、罪を赦していただきなさい。そうすれば、賜物として聖霊を受けます。この約束は、あなたがたにも、あなたがたの子供にも、遠くにいるすべての人にも、つまり、わたしたちの神である主が招いてくださる者ならだれにでも、与えられているものなのです。ペトロは、このほかにもいろいろ話をして、力強く証しをし、「邪悪なこの時代から救われなさい」と勧めていた。ペトロの言葉を受け入れた人々は洗礼(バプテスマ)を受け、その日に三千人ほどが仲間に加わった。彼らは、使徒の教え、相互の交わり、パンを裂くこと、祈ることに熱心であった。

「ペンテコステの大福」
使徒言行録 2章36〜42節

宣教：岡村牧師

今日はペンテコステ記念日で、キリスト教会が初めて誕生した記念日です。ペンテコステはギリシャ語で"50日目"を表す言葉で、キリスト教ではイエス・キリストが死から復活してから50日目に、キリストを信じて集る人々に聖霊が降ったことを記念する日となっています。

ペンテコステの記念日を私たちの教会は、自分たちの教会の伝道開始記念日としました。今年で３１周年を迎えました。おめでとうございます！

使徒言行録２章にはペンテコステの日にどのような事が起こったかが記されています。突然、奇跡的に世界の各国語で話しだした人々について、その時のリーダー格だったペトロが、その意味を周囲の人々に説教をしています。ペトロはもともと漁師で、パウロのように人前でスピーチをすることができるような教育を受けた人ではありませんでしたが、聖霊によって大胆に、イエス・キリストの十字架の死と復活の意味を語り、悔い改めてキリストの名によって洗礼(バプテスマ)を受けるように勧めました。そして神から賜物として聖霊を受けることは、時代を越えて普遍であると語りました。

この説教で多くの人々が仲間に加えられて、使徒の教えに聴き、相互に思いやる交わりを持ち、主の晩餐を含めた礼拝をし、熱心に祈りあう教会生活を送ったのでした。

教会に新しく人が加えられる事は恵みであり、教会としては必然です。私たちはそのようにして一人ずつこの教会に具体的につながることになりました。ペンテコステ記念日のこの日、思いがけないかたちで教会員となった牧師経験者のTさんを協力牧師として迎えることになりました。神の祝福が何層にもなって大きな恵みが溢れるこの日でありますように。そして、これからでありますように。

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2017年6月11日

テモテへの手紙�� 1章7〜14節
　神は、おくびょうの霊ではなく、力と愛と思慮分別の霊をわたしたちにくださったのです。だから、わたしたちの主を証しすることも、わたしが主の囚人であることも恥じてはなりません。むしろ、神の力に支えられて、福音のためにわたしと共に苦しみを忍んでください。神がわたしたちを救い、聖なる招きによって呼び出してくださったのは、わたしたちの行いによるのではなく、ご自身の計画と恵みによるのです。この恵みは、永遠の昔にキリスト・イエスにおいてわたしたちのために与えられ、今や、わたしたちの救い主キリスト・イエスの出現によって明らかにされたものです。キリストは死を滅ぼし、福音を通して不滅の命を現してくださいました。この福音のために、わたしは宣教者、使徒、教師に任命されました。そのために、わたしはこのように苦しみを受けているのですが、それを恥じていません。というのは、わたしは自分が信頼している方を知っており、わたしにゆだねられているものを、その方がかの日まで守ることがおできになると確信しているからです。キリスト・イエスによって与えられる信仰と愛をもって、わたしから聞いた健全な言葉を手本としなさい。 あなたにゆだねられている良いものを、わたしたちの内に住まわれる聖霊によって守りなさい。

「力と愛と思慮分別の霊」
テモテへの手紙�� 1章7〜14節

宣教：岡村牧師

　先週６月４日にペンテコステ礼拝をもちました。キリストの約束を信じて集っている人々が聖霊に満たされて、神の御業をそれぞれの人が分かる言葉で伝えたという奇跡が起こり、信じる全ての人に聖霊の賜物が与えられてキリストを証しする者として立てられていることを、聖書から確認しました。

　そして礼拝に続けて、T協力牧師の就任式を行ったことにおいても、そのときから今に至るまで変らない聖霊なる神が、キリストの教会の一つとして私たちもその働きを担うものとして大いなる祝福をもって励ましてくださっていることに感謝しました。

　今日はパウロが弟子のテモテ宛に書いたとされる手紙を読んでいただきました。テモテはパウロが自分の息子のように愛した弟子でした。パウロがローマで囚人生活をして死を待っているときに書かれたパウロの最後の書簡とされています。１章7節の言葉はとても心に響く言葉です。

　「神は、おくびょうの霊ではなく、力と愛と思慮分別の霊をわたしたちにくださったのです。」

　敬愛するパウロ先生がローマに捕えられて死を免れることはできない状況をテモテはどんなにか悲しみ涙を流し落胆したことでしょう。イエスの弟子たちがイエスが捕えられたときにすっかり意気消沈して権力者を恐れて隠れていたことを思い出します。パウロは捕えられていることや死がキリストの福音の敗北ではないことを愛をもって伝えています。今の私たちにも響いてくる言葉です。教会に与えられている聖霊は、何かを恐れて内向きになるのではなく、キリストの福音が広く伝えられるための力と愛と思慮分別の霊であることを覚えます。

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2017年6月18日

出エジプト記 2章1〜10節
　レビの家の出のある男が同じレビ人の娘をめとった。彼女は身ごもり、男の子を産んだが、その子がかわいかったのを見て、三ヶ月の間隠しておいた。しかし、もはや隠しきれなくなったので、パピルスの籠を用意し、アスファルトとピッチで防水し、その中に男の子を入れ、ナイル河畔の葦の茂みの間に置いた。
　その子の姉が遠くに立って、どうなることかと様子を見ていると、そこへ、ファラオの王女が水浴びをしようと川に下りて来た。その間侍女たちは川岸を行き来していた。王女は、葦の茂みの間に籠を見つけたので、仕え女をやって取って来させた。開けてみると赤ん坊がおり、しかも男の子で、泣いていた。王女はふびんに思い、「これは、きっと、ヘブライ人の子です」と言った。そのとき、その子の姉がファラオの王女に申し出た。「この子に乳を飲ませるヘブライ人の乳母を呼んで参りましょうか。」
　「そうしておくれ」と、王女が頼んだので、娘は早速その子の母を連れて来た。王女が、「この子を連れて行って、わたしに代わって乳を飲ませておやり。手当はわたしが出しますから」と言ったので、母親はその子を引き取って乳を飲ませ、その子が大きくなると、王女のもとへ連れて行った。その子はこうして、王女の子となった。王女は彼をモーセと名付けて言った。「水の中からわたしが引き上げた（マーシャー）のですから。」

「川の流れに身をまかせ」
出エジプト記 2章1〜10節

宣教：高見協力牧師

　モーセが誕生した時、エジプトではヘブライ人迫害政策の一環として、「生まれた男の子は、一人残らずナイル川に放り込め！」との勅令が出されていました。この勅令により、当時のエジプトは、誰しもが結婚や子どもを産むことをためらうような、狂気の社会状況にあったのです。しかし、モーセの両親は、この勅令を承知の上で男の子を生み、3ヶ月の間、その子を育てたのです。なぜ彼らは、そのような無謀とも思えることをしたのでしょうか。それは、彼らには、人間の暴虐を恐れず、正義を貫かれる神への「信頼」があったからなのです。また可愛い我が子を隠し切れなくなり、手放すことを余儀なくされた時、彼らは不安と葛藤、断腸の思いに立たされましたが、「真実の神であるならば育ててくださる」との信仰に堅く立ち、神の摂理（庇護）の中にモーセを委ねることにしたのです。

　物事の最初から最後までを人間が頑張ると、かえって完成を損ねることがあります。大きな事業を成功させるためには、ある段階まではその人自身の準備と段取りが必要ですが、あとは自分から手を放して、事態の推移を流れにまかせてみることが大切なのです。大切なものを手放す時、たとえそこで断腸の苦しみを味わうことになったとしても、真実の神が生きて働いていることが信じられ祈る人は、自ら大切なものを手放すことができるのです。しかし、生きて働く神の愛が信じられず祈らない人は、いつまでも現実と自分に固執し、神の摂理の川の中に身をまかせることをしません。そのような人は、断腸の思いこそはしませんが、最後の最後に悲しみの終局を迎えることになるのです。もし、モーセの両親もこのような類の人たちだったら、モーセ可愛さ、自分大切さのゆえに、いつまでも赤子を抱え込んでいたのなら…。しかし、その場合、遅かれ早かれエジプト人の目に留まって赤ん坊は殺され、ついに出エジプトの大事業も日の目を見ることはなかったのであろうと思われるのです。ゆえに大切なのは、私たちを守り祝福したもう神の摂理の川の中に身をまかせるということなのです。

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2017年6月25日

使徒言行録 20章17〜28節
パウロはミレトスからエフェソに人をやって、教会の長老たちを呼び寄せた。長老たちが集って来たとき、パウロはこう話した。「アジア州に来た最初の日以来、わたしがあなたがたと共にどのように過してきたかは、よくご存じです。すなわち自分を全く取るに足りない者と思い、涙を流しながら、また、ユダヤ人の数々の陰謀によってこの身にふりかかってきた試練に遭いながらも、主にお仕えしてきました。役に立つことは一つ残らず、公衆の面前でも方々の家でも、あなたがたに伝え、また教えてきました。神に対する悔い改めと、わたしたちの主イエスに対する信仰とを、ユダヤ人にもギリシア人にも力強く証ししてきたのです。そして今、わたしは、"霊"に促されてエルサレムに生きます。そこでどんなことがこの身に起こるか、何も分かりません。ただ、投獄と苦難とがわたしを待ち受けているということだけは、聖霊がどこの町でもはっきり告げてくださっています。しかし、自分の決められた道を走りとおし、また、主イエスからいただいた、神の恵みの福音を力強く証しするという任務を果たすことができさえすれば、この命すら決して惜しいとは思いません。
そして今、あなたがたが皆もう二度とわたしの顔を見ることがないとわたしには分かっています。わたしは、あなたがたの間を巡回して御国を宣べ伝えたのです。だから、特に今日はっきり言います。だれの血についても、わたしには責任がありません。わたしは、神のご計画をすべて、ひるむことなくあなたがたに伝えたからです。どうか、あなたがた自身と群れ全体とに気を配ってください。聖霊は、神が御子の血によって御自分のものとなさった神の教会の世話をさせるために、あなたがたをこの群れの監督者に任命なさったのです。

「神思う、故に我あり」
使徒言行録 20章17〜28節

宣教：稲川 仁

今回の聖書箇所は、パウロがエフェソの長老たちに別れを告げる場面ですが、まさに当時の初代教会の様子と、その教会に対するパウロの並々ならない愛が示されています。いかにパウロが教会を愛していたかがよくわかります。

28節「どうか、あなたがた自身と群れ全体とに気を配ってください。聖霊は、神が御子の血によって御自分のものとなさった神の教会の世話をさせるために、あなたがたをこの群れの監督者に任命なさったのです。」

あなたがたと言うのは長老と呼ばれる指導者のことですが、新約聖書には万人祭司という考え方もあります。それからすると私たち全てのキリスト者が祭司であり指導者であり、パウロの言うところの監督者であると言えます。教会の指導者、監督者というのは、上に立つのではなくて仕えるものになるということです。私たちはこのことを大事にすべきです。

今日の私たちの教会におきましても、日本バプテスト連盟の諸教会におきましても同じことが言えるだろうと思います。それぞれの働きの中に、教会の指導者、監督者の任務があることを私たちは忘れてはならないと思います。教会に仕え、他者に仕えていくことがどんなに大切かということです。

これについて、ボンフェッファーという方は、「教会は他者のために存在する時初めて教会なのである」ということを語っています。また、カールバルトという方はさらに大きく捉え、神様の中に生かされている者として、「我思われる、故に我あり」として、デカルトの「我思う故に我あり」に挑戦し記しています。

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2017年7月2日

ローマの信徒への手紙 16章25〜27節
神は、わたしの福音すなわちイエス・キリストについての宣教によって、あなたがたを強めることがおできになります。この福音は、世々にわたって隠されていた、秘められた計画を啓示するものです。その計画は今や現されて、永遠の神の命令のままに、預言者たちの書き物を通して、信仰による従順に導くため、すべての異邦人に知られるようになりました。この知恵ある唯一の神に、イエス・キリストを通して栄光が世々限りなくありますように、アーメン。

フィリピの信徒への手紙 2章6〜8節
キリストは、神の身分でありながら、神と等しい者であることに固執しようとは思わず、かえって自分を無にして、僕の身分になり、人間と同じ者になられました。人間の姿で現れ、へりくだって、死に至るまで、それも十字架の死に至るまで従順でした。

「信仰による従順」
ローマの信徒への手紙 16章25〜27節

宣教：岡村　牧師

神学校週間の最終日を迎えています。先週は当教会の神学生のIさんが使徒言行録20章からパウロがいかに教会を愛したか、その教会はどのようなものであるべきかを語られました。ドイツのナチス時代にキリストに従って抵抗した神学者のボンヘッファーの言葉、「教会は他者のために存在する時はじめて教会である。」を皆で心に刻みました。

今日は、世界にキリストの福音を命がけで伝えた先駆の大伝道者のパウロが、当時の世界の中心だったローマの教会の人々に宛てて書いた手紙の最後の言葉に心を留めたいと思います。

「神は、わたしの福音すなわちイエス・キリストについての宣教によって、あなたがたを強めることがおできになります。この福音は、世々にわたって隠されていた、秘められた計画を啓示するものです。その計画は今や現されて、永遠の神の命令のままに、預言者たちの書き物を通して、信仰による従順に導くため、すべての異邦人に知られるようになりました。この知恵ある唯一の神に、イエス・キリストを通して栄光が世々限りなくありますように、アーメン。」

この訳ではわかりやすいように文章を切っていますが、これは本来一つの文章になっている祈りの言葉です。「信仰による従順」という言葉が出て来ています。ローマの信徒への手紙１章でパウロは、イエス・キリストの御名を広めて「すべての異邦人を信仰による従順へと導くために、恵みを受けて使徒とされました。」と述べています。この「従順」は「服従」とも訳される言葉です。私達にとって唯一このお方だけには服従したい。イエス・キリスト、我らの救い主です。

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2017年7月9日

申命記 5章12〜15節
安息日を守ってこれを聖別せよ。あなたの神、主が命じられたとおりに。六日の間働いて、何であれあなたの仕事をし、七日目は、あなたの神、主の安息日であるから、いかなる仕事もしてはならない。あなたも、息子も、娘も、男女の奴隷も、牛、ろばなどすべての家畜も、あなたの町の門の中に寄留する人々も同様である。そうすれば、あなたの男女の奴隷もあなたと同じように休むことができる。あなたはかつてエジプトの国で奴隷であったが、あなたの神、主が力ある御手と御腕を伸ばしてあなたを導き出されたことを思い起こさねばならない。そのために、あなたの神、主は安息日を守るよう命じられたのである。

マルコによる福音書2章27 b, c, d節
「安息日は、人のために定められた。人が安息日のためにあるのではない。だから、人の子は安息日の主でもある。」

「神から賜わった安息と礼拝」
申命記 5章12〜15節

宣教：岡村　牧師

キリスト教会は、イエス・キリストが死から復活したときに生れ、今に至る2000年の間、集って礼拝することを大切にしてきました。キリスト教の母体とも言えるユダヤ教は安息日を金曜日の日没から土曜日の日没に定めましたが、初代教会はイエス・キリストが死から復活した日曜日を「主の日/主日」と呼び、この日に主の晩餐を含めた礼拝を重んじました。

さて、キリスト教が公認されたのはローマのコンスタンティヌス１世の時で、日曜日を休日と制定したのは西暦321年でした。日本では1873年に明治政府によって欧米にならって１週間を７日制にして日曜日が休日となりました。キリスト教徒にとっては礼拝の日と休日とが同日になり、礼拝の日となっていきます。

今日読んでいただくのは申命記５章の十戒の内の12〜15節にある安息日規定です。

「安息日を守ってこれを聖別せよ。あなたの神、主が命じられたとおりに。六日の間働いて、何であれあなたの仕事をし、七日目は、あなたの神、主の安息日であるから、いかなる仕事もしてはならない。・・・」　後のファリサイ派の人々はこの言葉の部分のみを律法としてとらえ、主イエスから批判を浴びることになります。しかし、この後の言葉が大切です。

全てが全くの自由の中にあって、長年の教会生活の中で日曜日の午前中に礼拝に出席することが習慣になって当然のことになっていることだけでもすごいことだと思います。しかし、この日が、イエス・キリストの出来事をとおして、神から恵みとして賜わっている安息であり、礼拝することをとおして神の安息に与ることであることを今一度確認していきたいと思います。

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2017年7月16日

出エジプト記 2章11〜15節
モーセが成人したころのこと、彼は同胞のところへ出て行き、彼らが重労働に服しているのを見た。そして一人のエジプト人が、同胞であるヘブライ人の一人を打っているのを見た。モーセは辺りを見回し、だれもいないのを確かめると、そのエジプト人を打ち殺して死体を砂に埋めた。翌日、また出て行くと、今度はヘブライ人どうしが二人でけんかをしていた。モーセが、「どうして自分の仲間を殴るのか」と悪い方をたしなめると、「誰がお前を我々の監督や裁判官にしたのか。お前はあのエジプト人を殺したように、このわたしを殺すつもりか」と言い返したので、モーセは恐れ、さてはあの事が知れたのかと思った。ファラオはこの事を聞き、モーセを殺そうと尋ね求めたが、モーセはファラオの手を逃れてミディアン地方にたどりつき、とある井戸の傍らに腰を下ろした。

ヘブライ人への手紙12章11節
およそ鍛練というものは、当座は喜ばしいものではなく、悲しいものと思われるのですが、後になるとそれで鍛え上げられた人々に、義という平和に満ちた実を結ばせるのです。

「泣きぬれてひとり旅」
出エジプト記 2章11〜15節

宣教：高見協力牧師

出エジプト記2章11節以下には、モーセの気質が記されています。彼は同胞のヘブライ人がエジプト人の監督に虐げられているのを見た時、憤慨してエジプト人の監督を打ち殺してしまいました。また、ヘブライ人同士が争っていた時には、悪い方のヘブライ人に向かって叱責し裁きを行おうとしました。このようなモーセの行いと態度から、彼の人となりが分かるのです。では、彼の気質とは一体どのようなものだったのでしょうか。

彼はエジプトの王宮で王族の一員として育てられ、帝王学を学んだため、すぐれた素養をもつ人物として成長しました（使徒言行録7：22）。しかるに一方では、幼い頃、ヘブライ人の実母であるヨケベドによって育てられたため、ヘブライ人としての強い自覚をもつ人物としても成長していたのです。彼が同胞のヘブライ人が不当に虐げられているのを見ていたたまれなくなったのは、このヘブライ人としての強い自覚と「愛国心」が存在していたからなのであり、また不正を決して見逃すことができなかったのは、帝王学を学んだことで、強い「正義心」が培われていたからであったのです。

このようにモーセは「愛国心」と「正義心」に燃える一途な青年でした。しかし、自分が正しいと思い込んだら、人を傷つけてまでも信念を押し通そうとする、その短気で性急で寛容さや忍耐が足りない性分は、彼を人の上に君臨させ、人を裁く者とならしめてしまったのです。すなわち、彼には救国の指導者としての大切な資質とされる「愛国心」や「正義心」は備わっていたのですが、同時に人に対して配慮し、人から支持され信望を集めるところの「愛」や「柔和さ」、「忍耐」という資質は、この時までには備わっていなかったということなのです。

自己に対して一途であったモーセは、結果、神様からも同胞の仲間からも拒絶され、荒野で霊的訓練のための40年を過ごすことになって行きます。一見、神様に対して正しく熱心であっても、人を裁き、人の上に立とうとする者は、神様からも人からも受け入れられないことが、ここでは物語られているのです。私たちも自分の生き方をじっくりと吟味し、反省してみる必要がありそうです。

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2017年7月23日

創世記 3章1〜13節
主なる神が造られた野の生き物のうちで、最も賢いのは蛇であった。蛇は女に言った。「園のどの木からも食べてはいけない、などと神は言われたのか。」　女は蛇に答えた。「わたしたちは園の木の果実を食べてもよいのです。でも、園の中央に生えている木の果実だけは、食べてはいけない、触れてもいけない、死んではいけないから、と神さまはおっしゃいました。蛇は女に言った。「決して死ぬことはない。それを食べると、目が開け、神のように善悪を知るものとなることを神はご存じなのだ。」　女が見ると、その木はいかにもおいしそうで、目を引き付け、賢くなるように唆していた。女は実を取って食べ、一緒にいた男にも渡したので、彼も食べた。二人の目は開け、自分たちが裸であることを知り、二人はいちじくの葉をつづり合わせ、腰を覆うものとした。
その日、風の吹くころ、主なる神が園の中を歩く音が聞こえてきた。アダムと女が、主なる神の顔を避けて、園の木の間に隠れると、主なる神はアダムを呼ばれた。
「どこにいるのか。」　彼は答えた。「あなたの足音が園の中に聞こえたので、恐ろしくなり、隠れております。わたしは裸ですから。」
神は言われた。「お前が裸であることを誰が告げたのか。取って食べるなと命じた木から食べたのか。」　アダムは答えた。「あなたがわたしと共にいるようにしてくださった女が、木から取って与えたので、食べました。」
主なる神は女に向って言われた。「何ということをしたのか。」　女は答えた。「蛇がだましたので、食べてしまいました。」

「不安と恐れが生まれた。が、」
創世記 3章1〜13節

宣教：岡村　牧師

聖書はイエス・キリストを中心に書かれており、新約聖書は2000年前にイエス・キリストがこの世にこられて以後のことが記されています。イエスが生まれる前の長い信仰の歴史の世界を旧約聖書と私たちは呼んでいます。創世記では、神が人間を含む全てのものを造られたこと、神と人間との関係の変遷と意味について書かれています。

創世記３章はアダムとエバが罪を犯してエデンの園から追放される話で、今日はその一部を取り上げます。アダムとエバの話は日本でもその話を知らない人はいないほどです。蛇の誘惑に負けて、エデンの園の「善悪の知識の木からは、決して食べてはならない」と言われた神の言葉を守らなかったというこの話は人間の原罪を語っていると言われます。

人類の祖先アダムとエバが犯した罪が原罪となって人類全てに罪が入り込んだと聖書は語ります。聖書では「罪」の意味は神を侮り神に背を向ける事です。神から逃れ、神と向き合わないことを意味します。

罪という言葉は、普通は社会の秩序を乱す犯罪のことをイメージするでしょうし、聖書を読まなければわからないことです。今日呼んでいただく箇所で、神がアダムを呼ばれたとき彼は「…恐ろしくなり、隠れております。…」(創世記3:10)と答えました。罪は不安や恐れを生みだしたのです。

私たちの人生の中でどれだけ不安や恐れに囚われてしまう事でしょうか。しかし神はイエス・キリストを通して不安や恐れを平安に変えてくださるお方です。きのうも今日も、また永遠に変わることのない助け手となってくださるイエス・キリストが共におられます。これが聖書の神の約束です。

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2017年7月30日

ローマの信徒への手紙 12章1〜2節
こういうわけで、兄弟たち、神の憐れみによってあなたがたに勧めます。自分の体を神に喜ばれる聖なる生けるいけにえとして献げなさい。これこそ、あなたがたのなすべき礼拝です。
あなたがたはこの世に倣ってはなりません。むしろ、心を新たにして自分を変えていただき、何が神の御心であるか、何が善いことで、神に喜ばれ、また完全なことであるかをわきまえるようになりなさい。

「あなたの内に秘められた神さまのご計画」
ローマの信徒への手紙 12章1〜2節

宣教：高見協力牧師

私たちはどこに行こうとしているのでしょうか？

どこから来て、今どこにいて、どこに行こうとしているのか、この３つのうちの１つが分からなければ、迷子です。

私たちがどこから来たのか、これは創世記を学んでいるので分かります。
私たちがどこにいるのか、自分の現状は誰もが分かっているはずです。
しかし登山にたとえるのなら、山の頂上が分かっていなければ、今自分は何合目にいるのか分かりません。

私たちはどこに行こうとしているのでしょうか？
人生の目的は何でしょうか？
人生のゴールには何が待ち受けているのでしょうか？
教会は何を目指して歩んでいるのでしょうか？

「初めに言があった・･･･万物は言葉によって成った」のです。
初めに神さまの目的、計画、プランがあったのです。

本日は、私たちの人生に関わる神さまの壮大なプランについて､皆さんと共に分かち合いたいと思います。

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2017年8月6日

創世記 6章9〜22節
これはノアの物語である。
その世代の中で、ノアは神に従う無垢な人であった。ノアは神と共に歩んだ。ノアには三人の息子、セム、ハム、ヤフェトが生まれた。
この地は神の前に堕落し、不法に満ちていた。神は地を御覧になった。見よ、それは堕落し、すべて肉なる者はこの地で堕落の道を歩んでいた。
神はノアに言われた。「すべて肉なるものを終らせる時がわたしの前に来ている。彼らのゆえに不法が地に満ちている。見よ、わたしは地もろとも彼らを滅ぼす。
あなたはゴフェルの木の箱舟を造りなさい。箱舟には小部屋を幾つも造り、内側にも外側にもタールを塗りなさい。次のようにしてそれを造りなさい。箱舟の長さを三百アンマ、幅を五十アンマ、高さを三十アンマにし、箱舟に明かり取りを造り、上から一アンマにして、それを仕上げなさい。箱舟の側面には戸口を造りなさい。また、一階と二階と三階を造りなさい。
見よ、わたしは地上に洪水をもたらし、命の霊をもつ、すべて肉なるものを天の下から滅ぼす。地上のすべてのものは息絶える。
わたしはあなたと契約を立てる。あなたは妻子や嫁たちと共に箱舟に入りなさい。また、すべて命あるもの、すべて肉なるものから、二つずつ箱舟に連れて入り、あなたと共に生き延びるようにしなさい。それらは、雄と雌でなければならない。それぞれの取り、それぞれの家畜、それぞれの地を這うものが、二つずつあなたのところへ来て、生き延びるようにしなさい。 更に、食べられる物はすべてあなたのところに集め、あなたと彼らの食料としなさい。」 ノアは、すべて神が命じられたとおりに果たした。

「ノアのミッションとビジョン」
創世記 6章9〜22節

宣教：岡村　牧師

今日は広島に原爆が落とされてから72年を迎える記念日です。そのことを心に留めながら礼拝をいたします。

今朝はノアの箱舟の箇所を取り上げます。人類が生まれてどれぐらいのときにノアがいたのかはわかりませんが、聖書にはアダムとエバが楽園を出てから最初の事件としてカインとアベル兄弟の殺人事件が載っています。神の直接の御支配から離れて人間は怒りを制御できなくなり、共に生きることよりも他者の存在を無きものとすることを願う世界になる、との伏線かもしれません。

アダムとエバが神に背いたことに象徴される原罪は、ノアの時代になっても無くなることはなく、どうしようもない遺伝のように引き継がれていきます。そして今日読む箇所には、神が人間の罪深さを御覧になり、人間を造ったことを後悔し滅ぼすことを決めたことが記されています。神はしかし完全にすべての人間を滅ぼしてしまうことはなさらず、神の言葉に聞き、従う人であったノアに使命(ミッション)を与えました。

ノアは完璧な人ではありません。弱さと罪を抱えた人でありますが、この洪水に際してノアは、「すべて神が命じられたとおりに果たした。」(創世記6：22)のでした。

神の命令の言葉はノアの使命(ミッション)となりました。そのミッションをはたすべくノアは考え祈る日々だったでしょう。どうしたらそれを全うすることができるのか、と。祈る日々の中で、神からの幻(ビジョン)が与えられ、不可能と思っていたことが一つずつ実現に向っていった、と行間を読みました。

全てのものが神と共に生きるために、最終的にそのミッションを果たしたのはイエス・キリストであり、神ご自身です。それを全ての人が知るために、神は愛して生み出した人間をあきらめずに、共に神に協力するものとしてお用いになります。旧約聖書のノアの物語から、一つの私的な見方を語らせていただきます。

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2017年8月13日

詩編 85章9〜14節
　わたしは神が宣言なさるのを聞きます。
　主は平和を宣言されます。
　御自分の民に、主の慈しみに生きる人々に
　彼らが愚かなふるまいに戻らないように。
　主を畏れる人に救いは近く
　栄光はわたしたちの地にとどまるでしょう。
　慈しみとまことは出会い
　正義と平和は口づけし
　まことは地から萌えいで
　正義は天から注がれます。
　主は必ず良いものをお与えになり
　わたしたちの地は実りをもたらします。
　正義は御前を行き
　主の進まれる道を備えます。

マタイによる福音書 5章9節
　平和を実現する人々は、幸いである、その人たちは神の子と呼ばれる。

「平和を実現する人々」
詩編 85編9〜14節

宣教：岡村　牧師

8月は広島と長崎に原爆が落とされたこと、そのことを経て８月15日に敗戦して戦争が終結したことを覚える時です。当事者の被害を受けた方々にとっては、毎年どころか毎日忘れたことはないでしょう。戦後72年たちました。私は戦後５年たってから生まれたので実際の戦争時のことは知りません。新聞や本、テレビ・ラジオ、インターネット、伝えてくれた人がいて当時の様子を想像しながら、二度と戦争はしたらいけない、という思いを強くされてきました。

しかし、キリストを信じる人々は、それだけではありません。主イエスが言われた「平和を実現する人々は幸いである。その人たちは神の子と呼ばれる。」（マタイ5:9）という言葉に表されるように積極的に平和を作り出す人として在ることが期待されています。

今日読んでいただくのは詩編85編の中の言葉です。１節から読むと作者は、神から遠くなってしまった自分たちだけれどもわたしたちのもとに帰って来て下さいと神に救いを求める祈りの言葉になっています。しかし９節からは作者の信仰によるビジョンの言葉です。

「わたしは神が宣言なさるのを聞きます。主は平和を宣言されます　御自分の民に、主の慈しみに生きる人々に　彼らが愚かなふるまいに戻らないように。・・・慈しみとまことは出会い　正義と平和は口づけし　まことは地から萌えいで　正義は天から注がれます。・・・」（詩編85: 9, 11）

イエス・キリストの出来事の後に生きる私たちは、平和をどのように理解するのでしょうか。平和とは戦争をしないことでしょうか。愚かなふるまいとはどのようなことでしょうか。イエスの時代よりはるか昔に詩人をとおして述べられた平和の宣言は、イエス・キリストによって導かれ、キリストを信じる人々に託されます。

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2017年8月20日

出エジプト記 2章16〜25節
さて、ミディアンの祭司に七人の娘がいた。彼女たちがそこへ来て水をくみ、水ぶねを満たし、父の羊の群れに飲ませようとしたところへ、羊飼いの男たちが来て、娘たちを追い払った。モーセは立ち上がって娘たちを救い、羊の群れに水を飲ませてやった。娘たちが父レウエルのところに帰ると、父は、「どうして今日はこんなに早く帰れたのか」と尋ねた。彼女たちは言った。「一人のエジプト人が羊飼いの男たちからわたしたちを助け出し、わたしたちのために水をくんで、羊に飲ませてくださいました。」
父は娘たちに言った。「どこにおられるのだ、その方は。どうして、お前たちはその方をほうっておくのだ。呼びに行って、食事を差し上げなさい。」
モーセがこの人のもとにとどまる決意をしたので、彼は自分の娘ツィポラをモーセと結婚させた。彼女は男の子を産み、モーセは彼をゲルショムと名付けた。彼が、「わたしは異国にいる寄留者（ゲール）だ」と言ったからである。
それから長い年月がたち、エジプト王は死んだ。その間イスラエルの人々は労働のゆえにうめき、叫んだ。労働のゆえに助けを求める彼らの叫び声は神に届いた。神はその嘆きを聞き、アブラハム、イサク、ヤコブとの契約を思い起こされた。神はイスラエルの人々を顧み、御心に留められた。

「そして、めぐり逢い」
出エジプト記2章16〜25節

宣教：高見協力牧師

モーセが荒野をさまよい、ミディアン地方に着いた時、ある小さな事件が起こりました。それは、ミディアンの祭司レウエルの娘たちが、羊たちに水を飲ませようとしたところ、あとから来た羊飼いの男たちに意地悪をされ、追い払われてしまうという事件でした。その一部始終を見ていたモーセは、その強い正義心によって娘たちを救い出します。その出来事が縁となり、モーセは祭司レウエルの娘ツィポラと結婚し、以来40年にわたり、その地に留まっていくことになったのでした。この出エジプト記2章16節以下は、普段何気なく読んでしまう聖書の箇所です。しかし、ここにはたいへん不自然なことが記されているのです。何が不自然であるかと言えば、この祭司レウエル一家の存在がとても不自然であるのです。

別名エトロとも呼ばれるこのレウエルは、ミディアン族の祭司でありました。祭司とは神に仕える宗教家のことですが、彼の場合はミディアンの土着宗教に仕える者であったのです。通常、宗教家というものは、どの国においても、その民から尊敬される職業であるのですが、ましてやモーセの時代の祭司は、現在よりもはるかに尊敬される存在だったのであり、祭司職一家は下賤な羊の世話などしないことになっていたのです。ところが奇妙なことに、16節では祭司の娘たちが羊の世話をしているのです。また17節によると、祭司よりもはるかに身分の低い羊飼いたちが、祭司の娘たちに敬意を払うどころか、彼女たちを蔑視し、いじめているのです。つまり、これら一連の出来事は、通常では起こり得ないお話であるということなのです。では、この奇妙で不自然な物語には、一体どのような意味が隠されているのでしょうか。

実はこの時、レウエルは祭司の職を辞して、真実の神を求める「第二の人生」を歩み始めていたのだと考えられているのです。このように真実を求めて生きる時、人は得てして多くの迫害や困難に遭遇するものなのです。しかし、そのような者の「求め」、「祈り」に応え、ふさわしい助け人と"めぐり逢わせ"その人を豊かに祝福してくださるのが、私たちの主であるのです。

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2017年8月27日

ペトロの手紙�� 3章8〜12節
終わりに、皆心を一つに、同情し合い、兄弟を愛し、憐れみ深く、謙虚になりなさい。悪をもって悪に、侮辱をもって侮辱に報いてはなりません。かえって祝福を祈りなさい。祝福を受け継ぐためにあなたがたは召されたのです。
「命を愛し、幸せな日々を過ごしたい人は、舌を制して、悪を言わず、唇を閉じて、偽りを語らず、悪から遠ざかり、善を行い、平和を願って、これを追い求めよ。主の目は正しい者に注がれ、主の耳は彼らの祈りに傾けられる。主の顔は悪事を働く者に対して向けられる。」

「平和を求めて、これを追え」
ペトロの手紙�� 3章8〜12節

宣教：岡村　牧師

「平和を求めて、これを追え」と題にした言葉は、今日読む聖書の箇所に出てくる11節の言葉の口語訳です。8月13日の宣教において詩編85編9節から「平和」について礼拝で取り上げてお話しました。今日はペトロの手紙�気�3章11節にある「平和を願って、これを追い求めよ。」に注目します。

この言葉が入っているまとまりの言葉は詩編からの引用ですが、ペトロ�気�3章では次のような文章になっています。「命を愛し、幸せな日々を過したい人は、舌を制して、悪を言わず、唇を閉じて、偽りを語らず、悪から遠ざかり、善を行い、平和を願って、これを追い求めよ。主の目は正しい者に注がれ、主の耳は彼らの祈りに傾けられる。主の顔は悪事を働く者に対して向けられる。」

この言葉は旧約聖書の時代からの古い時代の言葉ですが、どの時代にあっても神はいつの世でも変わらない神です。イエス・キリストが来られてから後の時代に生きる私たちは、キリストを抜きには聖書を読めません。命を愛し幸せな日々を過ごしたい人ということを、自分にとって不愉快な都合が悪い事が何事も起こらない状態と受け取るのでしょうか？　この引用の前にある言葉は、非常に積極的な言葉です。「…皆心を一つに、同情し合い、兄弟を愛し、憐れみ深く、謙虚になりなさい。悪を持って悪に、侮辱をもって侮辱に報いてはなりません。かえって祝福を祈りなさい。祝福を受け継ぐためにあなたがたは召されたのです。」（3章8, 9節）

まさにキリストの姿を表している言葉です。出会う様々な他者と共に生きるために、神に願い求めて自分のエゴと闘いつつ、キリストの姿を追って行く事が平和を求めて生きる事につながるのではないでしょうか。

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2017年9月3日

使徒言行録 11章19〜30節
ステファノの事件をきっかけにして起こった迫害のために散らされた人々は、フェニキア、キプロス、アンティオキアまで行ったが、ユダヤ人以外のだれにも御言葉を語らなかった。しかし、彼らの中にキプロス島やキレネから来た者がいて、アンティオキアへ行き、ギリシャ語を話す人々にも語りかけ、主イエスについて福音を告げ知らせた。主がこの人々を助けられたので、信じて主に立ち帰った者の数は多かった。このうわさがエルサレムにある教会にも聞こえてきたので、教会はバルナバをアンティオキアへ行くように派遣した。バルナバはそこに到着すると、神の恵みが与えられた有様を見て喜び、そして、固い決意をもって主から離れることのないようにと、皆に勧めた。バルナバは立派な人物で、聖霊と信仰とに満ちていたからである。こうして、多くの人が主へと導かれた。それから、バルナバはサウロを捜しにタルソスへ行き、見つけ出してアンティオキアに連れ帰った。二人は、丸一年の間そこの教会に一緒にいて多くの人を教えた。このアンティオキアで、弟子たちが初めてキリスト者と呼ばれるようになったのである。
そのころ、預言する人々がエルサレムからアンティオキアに下って来た。その中の一人のアガボという者が立って、大飢饉が世界中に起こると"霊"によって予告したが、果たしてそれはクラウディウス帝の時に起こった。そこで、弟子たちはそれぞれの力に応じて、ユダヤに住む兄弟たちに援助の品を送ることに決めた。そして、それを実行し、バルナバとサウロに託して長老たちに届けた。

「最悪から素晴らしいことが生まれた」
使徒言行録 11章19〜30節

宣教：岡村　牧師

イエス・キリストの復活から生まれた教会の人々は、大胆にイエス・キリストの福音を証ししていきました。同時に教会の人々への迫害が始まります。ステファノの証言に怒り狂った大勢の人々が、リンチのようにして殺害したことが使徒言行録６章後半と７章に詳しく記載されています。キリストを救い主と信じる人々が多く集るようになっていましたが、様々な地域へ逃げて行かざるを得ませんでした。それは客観的に見て最悪の状況でした。

ところがその迫害する側のパウロが９章では復活のキリストの声を聞き、迫害者から宣教者に大転向をしました。今日読んだ箇所で、散らされた人々が行った場所の中にアンティオキアがあり、そこで異邦人と言われたギリシャ語を話す人々にも主イエスについての福音が告げ知らせられたとあります。このアンティオキア教会が中心になって世界伝道が行われていったのです。

パウロが素晴らしい伝道者となったのはパウロ自身の力ではありませんでした。神は様々な人や場所を用意して、パウロの祈りと共にパウロが多くの人々の祈りに覚えられて働くことができるように導かれています。

神の子・救い主が捕えられて侮辱を受けて殺されるという最悪のことからキリストの復活が起こり、キリスト教会が生まれました。この2000年の間、世界で人間の恐るべき罪にもかかわらずキリストの福音が消え去ること無く伝えられてきました。振り返れば、最悪のことから悔い改めへと信仰が新たにされて、神は最悪から素晴らしいことが起きるように導いてこられたことを私たちは今日の聖書の箇所からも、また自分自身の体験から知ることになります。どんな時にも希望があること、あきらめる必要はないことを私たちは学んでいきます。

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2017年9月10日

マルコによる福音書 1章16〜20節
イエスは、ガリラヤ湖のほとりを歩いておられたとき、シモンとシモンの兄弟アンデレが湖で網を打っているのを御覧になった。彼らは漁師だった。イエスは、「わたしについて来なさい。人間をとる漁師にしよう」と言われた。二人はすぐに網を捨てて従った。また、少し進んで、ゼベダイの子ヤコブとその兄弟ヨハネが、舟の中で網の手入れをしているのを御覧になると、すぐに彼らをお呼びになった。この二人も父ゼベダイを雇い人たちと一緒に舟に残して、イエスの後について行った。
2章13〜17節
イエスは、再び湖のほとりに出て行かれた。群衆が皆そばに集って来たので、イエスは教えられた。そして通りがかりに、アルファイの子レビが収税所に座っているのを見かけて、「わたしに従いなさい」と言われた。彼は立ち上がってイエスに従った。イエスがレビの家で食事の席に着いておられたときのことである。多くの徴税人や罪人もイエスや弟子たちと同席していた。実に大勢の人がいて、イエスに従っていたのである。ファリサイ派の律法学者は、イエスが罪人や徴税人と一緒に食事をされるのを見て、弟子たちに、「どうして彼は徴税人や罪人と一緒に食事をするのか」と言った。イエスはこれを聞いて言われた。「医者を必要とするのは、丈夫な人ではなく病人である。わたしが来たのは、正しい人を招くためではなく、罪人を招くためである。」

「イエスが招いた人々、招いておられる人々」
マルコによる福音書 1章14〜20節、2章13〜17節

宣教：岡村　牧師

主イエスの宣教活動はガリラヤ地域を軸として始まります。道備えをしたバプテスマのヨハネが捕えられた後にヨハネと同じように「悔い改めよ。天の国は近づいた」という言葉をキーワードにして始まりました。マルコによる福音書で主イエスは「時は満ち、神の国は近づいた。悔い改めて福音を信じなさい」という言葉で呼びかけています。悔い改めだけではなく、福音を信じるように勧めています。

マタイによる福音書３章ではヨハネのもとにはファリサイ派やサドカイ派の人々まで含むおびただしい人々が悔い改めのバプテスマを受けに来ています。ヨハネの弟子になりたい人たちが大勢集いたことでしょう。ところが主イエスが活動を始めた時大勢の人々が集って来てすぐにグループができたのではありませんでした。主イエスは一人一人に声をかけて招かれたのです。

主イエスの弟子グループは12人とされていますが、イエスが最初に言葉をかけたシモン(ペトロ)、アンデレ、ヤコブ(ゼベダイの子)、ヨハネ、そして収税人だったレビの場合を見てみます。シモンとアンデレは兄弟、ヤコブとヨハネも兄弟でしたが、イエスが招かれたレビは収税人であり、律法を守って生きていた人からは支配者ローマに寝返った人として軽蔑されていた罪人でした。

一緒に活動していくことに抵抗を感じた弟子たちはいたでしょう。主イエスと共に生活していく中で差別意識が変っていくことを経験したのではないかと推測できます。イエス・キリストの死、そして復活を経て教会が生まれました。主イエスが示してくださった価値観や視点を教会は受け継いでいます。今週も主は共に礼拝する中で、「わたしについて来なさい」と招いておられます。

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2017年9月17日

出エジプト記 3章1〜6節
モーセは、しゅうとでありミディアンの祭司であるエトロの羊の群れを飼っていたが、あるとき、その群れを荒れ野の奥へ追って行き、神の山ホレブに来た。そのとき、柴の間に燃え上がっている炎の中に主の御使いが現れた。彼が見ると、見よ、柴は火に燃えているのに、柴は燃え尽きない。モーセは言った。「道をそれて、この不思議な光景を見届けよう。どうしてあの柴は燃え尽きないのだろう。」
主は、モーセが道をそれて見に来るのをご覧になった。神は柴の間から声をかけられ、「モーセよ、モーセよ」と言われた。彼が、「はい」と答えると、神が言われた。「ここに近づいてはならない。足から履物を脱ぎなさい。あなたの立っている場所は聖なる土地だから。」神は続けて言われた。「わたしはあなたの父の神である。アブラハムの神、イサクの神、ヤコブの神である。」モーセは、神を見ることを恐れて顔を覆った。
マタイによる福音書4章15〜16節
ゼブルンの地とナフタリの地、湖沿いの道、ヨルダン川のかなたの地、異邦人のガリラヤ、暗闇に住む民は大きな光を見、死の陰の地に住む者に光が射し込んだ。」

「思えば遠くへ来たもんだ」
出エジプト記 3章 1〜6節

宣教：高見協力牧師

モーセは偉大なイスラエルの宗教的指導者でしたが、彼は初めから優秀で、愛に満ちあふれた人物ではなかったのです。彼はヘブライ人でありながら、エジプト王家の王子として育てられ、愛国心と正義心が強い人間として成長しましたが、しかしこれが災いして、ある殺人事件を引き起こし、エジプト王子としての身分を失い、同族のヘブライ人からも嫌われて、ひとり荒野に落ちて行かなければならなくなったのです。

モーセはその荒野で羊飼いとなりましたが、これまで権力と繁栄の象徴である王宮に住んでいた者が、ある日突然、虚無と死の象徴である荒野に住まいを変えざるを得なくなり、また王子という高貴な身分から、羊飼いという最も卑しい身分の者に身を落とさなければならなくなってしまったのです。この人生の転落は、彼にとってあまりにもショッキングな出来事となったのであり、この時、彼はまさしく人生の荒野、虚無と悲哀と絶望の中に身を横たえざるを得なくなってしまったのです。

私たちにも、ある日まで持っていたもの、たとえば、健康、財産、愛する家族、仕事、地位、名誉などが、突然失われ、失意に喘ぐ時があります。まさしく人生の転落を味わい、その中で絶望し悲嘆に暮れるのです。しかし、このような悲哀の現実にあっても、神の御心は働いているのです。聖書によれば、モーセの羊飼いへの転落は、彼に弱者への配慮と慈悲を学ばさせるため、愛の資質を身につけさせるためのものであったのです。またモーセの荒野における生活も、真の神との出会いを実現させるため、真の神の愛と神の聖なる法則を彼に知らしめ、彼を造り変え、彼を新たなる使命へと遣わすためのものであったのです。

私たちの人生にも、この神の御心は働いています。たとえ転落を味わっても恐れることはないのです。神はあなたを鍛えておられるからなのです。そして必ずあなたと出会ってくださり、あなたを聖なる法則で満たし、あなたを引き上げてくださるのです。この真実を受け止めて、今ある荒野のような人生をも恐れずに歩んで行こうではありませんか。

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2017年9月24日

マルコによる福音書 1章21〜34節
一行はカファルナウムに着いた。イエスは、安息日に会堂に入って教え始められた。人々はその教えに非常に驚いた。律法学者のようにではなく、権威ある者としてお教えになったからである。そのとき、この会堂に汚れた霊に取りつかれた男がいて叫んだ。「ナザレのイエス、かまわないでくれ。我々を滅ぼしに来たのか。正体は分かっている。神の聖者だ。」　イエスが、「黙れ。この人から出て行け」とお叱りになると、汚れた霊はその人にけいれんを起こさせ、大声をあげて出て行った。人々は皆驚いて、論じ合った。「これはいったいどういうことなのだ。権威ある新しい教えだ。この人が汚れた霊に命じると、その言うことを聴く。」　イエスの評判は、たちまちガリラヤ地方の隅々にまで広まった。
すぐに、一行は会堂を出て、シモンとアンデレの家に行った。ヤコブとヨハネも一緒であった。シモンのしゅうとめが熱を出して寝ていたので、人々は早速、彼女のことをイエスに話した。イエスがそばに行き、手を取って起こされると、熱は去り、彼女は一同をもてなした。夕方になって日が沈むと、人々は、病人や悪霊に取りつかれた者を皆、イエスのもとに連れて来た。町中の人が、戸口に集った。イエスは、いろいろな病気にかかっている大勢の人たちをいやし、また、多くの悪霊を追い出して、悪霊にものを言うことをお許しにならなかった。悪霊はイエスを知っていたからである。

「闇の夜の主権者を縛る権威」
マルコによる福音書 1章21〜34節

宣教：岡村　牧師

今日の宣教のタイトルにある「闇の世の主権者」というのは、私たちの目には見えない悪霊が支配する世界の支配者のことです。礼拝の「招詞」で読んでいただくエフェソの信徒への手紙６章12節にはこうあります。「わたしたちの戦いは、血肉を相手にするものではなく、支配と権威、暗闇の世界の支配者、天にいる悪の諸霊を相手にするものなのです。」

主イエスが弟子たちと共に各地を宣教をして回りましたが、まさにその戦いの連続でした。今日の箇所では悪の諸霊の働きがわかりやすく記されています。人の心と体に入り込んでその人を弱らせ操る目に見えない存在は、普通にはわかりません。しかし主イエスはその人やものごとの本質を見抜かれる方です。今日読んでいただく１章24節で悪霊はその人を通してこう叫んでいます。「ナザレのイエス、かまわないでくれ。我々を滅ぼしに来たのか。…」とあります。

悪霊はイエスこそが自分たちを滅ぼす力のある方であることを知っています。神の子で救い主であるイエスが自分たちより権威があるお方で、自分たちは最終的には滅びる存在でしかないということを悪霊は知っているのです。

見えない霊の世界のことは私たちにはわかりません。2000年前よりも科学が発達し、様々な病気もいやされるようにもなっています。しかし、確実なことはイエスが死から復活なさって終末が来るまでの間のところに生きている私たちの世界には、未だに悪霊の力が猛威をふるっているということです。

人や物事の背後に働く闇の世の主権者を、主は今でも縛ることがおできになる主であります。その主と共に生きることが私たちに求められています。最も大きな悪である戦争に引きずり込まれないように、主イエスの名による祈りは重要です。現代のイエスの弟子である教会の使命でもあります。

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2017年10月1日

ヨハネによる福音書 6章22〜35節（抜粋）
群衆は、イエスも弟子たちもそこにいないと知ると、自分たちもそれらの小舟に乗り、イエスを捜し求めてカファルナウムに来た。そして、湖の向こう岸でイエスを見つけると、「ラビ、いつ、ここにおいでになったのですか」と言った。イエスは答えて言われた。「はっきり言っておく。あなたがたがわたしを捜しているのは、しるしを見たからではなく、パンを食べて満腹したからだ。朽ちる食べ物のためではなく、いつまでもなくならないで、永遠の命に至る食べ物のために働きなさい。これこそ、人の子があなたがたに与える食べ物である。父である神が、人の子を認証されたからである。」そこで彼らが、「神の業を行うためには、何をしたらよいでしょうか」と言うと、イエスは答えて言われた。「神がお遣わしになった者を信じること、それが神の業である。」そこで彼らは言った。「それでは、わたしたちが見てあなたを信じることができるように、どんなしるしを行ってくださいますか。どのようなことをしてくださいますか。わたしたちの先祖は、荒れ野でマンナを食べました。『天からのパンを彼らに与えて食べさせた』と書いてあるとおりです。すると、イエスは言われた。 「はっきり言っておく。モーセが天からのパンをあなたがたに与えたのではなく、わたしの父が天からのまことのパンをお与えになる。神のパンは、天から降って来て、世に命を与えるものである。」
そこで、彼らが、「主よ、そのパンをいつもわたしたちにください」と言うと、イエスは言われた。「わたしが命のパンである。わたしのもとに来る者は決して飢えることがなく、わたしを信じる者は決して渇くことがない。・・・」

「命の糧」
ヨハネによる福音書 6章22〜35節

宣教：岡村　牧師

不思議なことや奇蹟とみられることは、今の時代でも起こっていますが、聖書に書かれている奇蹟は、神の顕現を示しています。神がどのようなお方であるのか、主イエスの奇蹟は常に人を憐れみ助けることをとおして神をあらわします。しかし人は奇蹟にだけ心を動かされ、その奇蹟を起こした方のことやその動機までを知ろうとしないのです。

今日の箇所は群衆と主イエスの対話の内容が記されていますが、少し前を読むとイエスのもとに集った大勢の人々を、主イエスが食事を分け与えて満腹させたという奇蹟が起こっています。それを見た人々が、黙っていなくなったイエスを追いかけてきました。パンを生み出すイエスを求める人々との対話の中でイエスは言われます。

「朽ちる食べ物のためではなく、いつまでもなくならないで、永遠の命に至る食べ物のために働きなさい。これこそ、人の子があなたがたに与える食べ物である。…」

「神がお遣わしになった者を信じること、それが神の業である。」

「わたしが命のパンである。わたしのもとに来る者は決して飢えることがなく、わたしを信じる者は決して渇くことがない。」

これらの言葉について共に考えてみたいと思います。私たちが生きるためには水も食糧も必要です。しかしそれだけで人間は生きるのではありません。「人はパンだけで生きるものではない。神の口から出る一つ一つの言葉で生きる」と、イエスは別の言葉で宣べています。

人が神と出会う様相はそれぞれに違います。イエス・キリストにあらわされる神を信じた時私は自分の人生で揺らがない背骨ができたと思いました。十字架の死を経て復活なさったキリストがいつも軌道修正へと導いてくださる人生は、感謝であります。

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2017年10月8日

マルコによる福音書 2章1〜12節
数日後、イエスが再びカファルナウムに来られると、家におられることが知れ渡り、大勢の人が集ったので、戸口の辺りまですきまもないほどになった。 イエスが御言葉を語っておられると、四人の男が中風の人を運んで来た。 しかし、群衆に阻まれて、イエスのもとに連れて行くことができなかったので、イエスがおられる辺りの屋根をはがして穴をあけ、病人の寝ている床をつり降ろした。 イエスはその人たちの信仰を見て、中風の人に、「子よ、あなたの罪は赦される」と言われた。ところが、そこに律法学者が数人座っていて、心の中であれこれと考えた。 「この人は、なぜこういうことを口にするのか。神を冒?している。神おひとりのほかに、いったいだれが、罪を赦すことができるだろうか。」 イエスは、彼らが心の中で考えていることを、御自分の霊の力ですぐに知って言われた。 「なぜ、そんな考えを心に抱くのか。中風の人に『あなたの罪は赦される』と言うのと、『起きて、床を担いで歩け』と言うのと、どちらが易しいか。人の子が地上で罪を赦す権威を持っていることを知らせよう。」 そして、中風の人に言われた。「わたしはあなたに言う。起き上がり、床を担いで家に帰りなさい。」 その人は起き上がり、すぐに床を担いで、皆の見ている前を出て行った。人々は皆驚き、「このようなことは、今まで見たことがない」と言って、神を讃美した。

「罪を赦すことができるのは神」
マルコによる福音書 2章1〜12節

宣教：岡村　牧師

今日の題の言葉は、今日読む箇所に出てくる律法学者の心のつぶやきの言葉です。罪を赦すことができるのは神おひとりだ、ということは、当時のユダヤ人社会の中では常識でした。しかし、私たちのようにもともと神の本質を知らず、何が恵みかもわからなかった者にとっては、まことに新鮮な新しい真理を示されたような言葉です。

主イエスが、中風の人を癒されたことが記されている箇所をマルコによる福音書２章から読みます。主イエスは神の子で救い主だから奇蹟を起こしたのは当たり前だろう、と、今の時代の私たちは思います。そして私たちは奇蹟を起こしたことに目が奪われがちのものだと思います。

奇蹟が起こる前に律法学者が述べた言葉は真実の言葉でした。中風の人に向って「あなたの罪は赦される」と主イエスは宣言したのですが、律法学者でなくても他の人々も同じように感じていた人は多かったはずです。まだ誰もイエスが全ての人の罪を背負って死んで下さる神の子だとは知らないのですから。

もし私がイエス・キリストにあらわされる神を知らないままだったら、人の評価や人々の言葉に大きく影響を受けて、それによって流されて行くような人生を送ったかもしれません。もし私が罪を赦して下さる神を知らなかったら、感謝と喜びの生き方をすることを拒んだことでしょう。

私たちは周辺のことで影響を受けて右往左往するものかもしれません。物事の本質を見抜いて対応するということは簡単なことではありませんが、主イエスはそうなさることがおできになりました。日ごとに主により頼むことがゆるされている私たちです。今週も主の導きを祈って生活してまいりたいと思います。

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2017年10月15日

出エジプト記 3章1〜6節
モーセは、しゅうとでありミディアンの祭司であるエトロの羊の群れを飼っていたが、あるとき、その群れを荒れ野の奥へ追って行き、神の山ホレブに来た。そのとき、柴の間に燃え上がっている炎の中に主の御使いが現れた。彼が見ると、見よ、柴は火に燃えているのに、柴は燃え尽きない。モーセは言った。「道をそれて、この不思議な光景を見届けよう。どうしてあの柴は燃え尽きないのだろう。」
主は、モーセが道をそれて見に来るのをご覧になった。神は柴の間から声をかけられ、「モーセよ、モーセよ」と言われた。彼が、「はい」と答えると、神が言われた。「ここに近づいてはならない。足から履物を脱ぎなさい。あなたの立っている場所は聖なる土地だから。」神は続けて言われた。「わたしはあなたの父の神である。アブラハムの神、イサクの神、ヤコブの神である。」モーセは、神を見ることを恐れて顔を覆った。
ダニエル書3章17節
わたしたちのお仕えする神は、その燃え盛る炉や王様の手からわたしたちを救うことができますし、必ず救ってくださいます。

「裸足になろう」
出エジプト記 3章 1〜6節

宣教：高見　協力牧師

短気で性急な性格の持ち主であったモーセは、その自己中心的な振る舞いによって過ちを犯し、それまで持っていたもの全て失って、ひとり荒野という絶望世界に堕ちて行かなければなりませんでした。しかし、私たち人間の挫折や失敗、絶望の中にこそいてくださる神との出会いにより、彼は救われていくことになったのです。しかもその出会いは、モーセから求めたのではなく、神の方からの一方的な働きかけ、招き（燃える柴の顕現、呼びかけ）によってもたらされたもの、すなわち、神からの一方的な恵みによって彼は救われていくことになったのです。このように、私たちの救いには、まず、神からの「恵みありき」ということが分かります。しかし、「神からの恵みを受ければ、あとは全自動に救われる」というものでもないのです。実に私たちが救われるためには、神からの恵みに対して、2つの応答を果たしていく必要があるのです。

神からの招きを受けたならば、まず�　崙擦鬚修譴襦廚海箸任后�モーセも神からの招き（燃える柴の顕現）の後、道をそれています。それは、モーセがそれまで歩んできた道（自己中心的生、厭世的生）から脱却し、神の居ます方向へと踏み出していったことを意味しているのです。私たちも、これまで歩んできた自己中心的な生き方や人生を悲観的に捉えていた生き方を悔い改め、神の方へと踏み出していくことが必要なのです。

神の御言葉を受けたならば、�◆嵳�物を脱ぐ」ことです。それは神の「奴隷」になることを意味しています。しかし、モーセの場合、辺り一面火の海、燃える柴の状況下にあって、「もし裸足になれば、足の裏は焼かれてしまうではないか…」との恐れや不安に襲われたはずなのです。私たちも、人生の全て（お金、時間、能力、体）を神に献げることには困難が伴います。「もしそうすれば、自分の生活が火の車になってしまうではないか…」と恐れや不安を抱くものなのです。しかし、私たちが裸足になっても決して焼かれることはないのです。なぜなら、私たちの人生は、神によって創造された、神の愛の支配が息づく「聖なる人生」であるからなのです。これら2つの応答に生きる時、私たちもモーセ同様、真の救いに与り、新しい喜びと希望の人生が与えられていくのです。

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2017年10月22日

コリントの信徒への手紙II
4章14節 主イエスを復活させた神が、イエスと共にわたしたちをも復活させ、あなたがたと一緒に御前に立たせてくださると、わたしたちは知っています。
4章16〜18節 だから、わたしたちは落胆しません。たとえわたしたちに「外なる人」は衰えていくとしても、わたしたちの「内なる人」は日々新たにされていきます。わたしたちの一時の軽い艱難は、比べものにならないほど重みのある永遠の栄光をもたらしてくれます。わたしたちは見えるものではなく、見えないものに目を注ぎます。見えるものは過ぎ去りますが、見えないものは永遠に存続するからです。
コリントの信徒への手紙I 13章13節
それゆえ、信仰と、希望と、愛、この三つは、いつまでも残る。その中で最も大いなるものは、愛である。

「信仰、希望、愛、と私たち」
コリントの信徒への手紙II 4章14〜18節

宣教：岡村　牧師

本日の礼拝は召天者記念礼拝としており、この宝塚バプテスト教会で教会員として共にして過ごして先に神の元に召された方々のことを覚えて行います。お配りした召天者リストには、教会員だった方、教会員のご家族、この教会で葬儀を行った方のお名前が記されています。ここにお名前を記されていない方を含めてどの方も、間違いなく主なる神さまから覚えられています。

　死んだら全てがお終いだと思うことが常識の世界に生きていますが、聖書は見えない永遠の命があることを証言しています。それはキリストの復活によるものです。今日の聖書箇所でも次のように証言しています。

「主イエスを復活させた神が、イエスと共にわたしたちをも復活させ、あなたがたと一緒に御前に立たせてくださると、わたしたちは知っています。」(4:14)

主イエス・キリストだけではなく、わたしたちもまた死から復活させられて、神の前に立つということが約束されているのです。しかも自分だけではなくわたしたちという人々と会えて、共に神といるというのです。人が復活を信じることができるようになったのは、主イエスが死から復活したという出来事が起こったからであり、神の霊が今も働いているからです。

今日招詞で読んでいただくコリントの信徒への手紙Iの13章13節の言葉にこうあります。「信仰と希望と愛、この三つはいつまでも残る。」 将来がどうなるかわからなくても確実に残っていくものがあるのです。神を信じて先に召された方々と共に生きるようにと、主イエス・キリストが準備してくださいました。そこまでしてくださった神を信じて生きる幸いを共に受けたいです。

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2017年10月29日

ガラテヤの信徒への手紙 3章2節
あなたがたに一つだけ確かめたい。あなたがたが、"霊"を受けたのは、律法を行ったからですか。それとも、福音を聞いて信じたからですか。

「恩寵義認　〜ルターの宗教改革から５００年目の日を覚えて〜」
ガラテヤの信徒への手紙 3章1〜14節

宣教：古田　執事

1517年10月31日は、マルティン・ルターが、ヴィッテンベルク城教会の扉に「９５箇条の論題」を張り付けたとされる日です。今から500年前のことです。 現在のキリスト教会は、カトリック教会、正教会、プロテスタント教会に分かれますが、プロテスタント教会はここから始まりました。 プロテスタント教会は、その教会組織や牧会観に着目すると、三つの系統に分かれると言えます。�）匯佞慮�限が強いタイプ：聖公会（イギリス国教会）やメソジスト派。��長老会（役員会、執事会）の権限が強いタイプ：長老派や改革派。�Ｌ閏臈�に会衆全体で決めていくタイプ：組合派やバプテスト派。主な学校としては、立教、桃山学院、神戸松蔭、神戸国際大学（八代学院）などが聖公会。青山学院、東洋英和女学院、関西学院、啓明学院などがメソジスト派。明治学院、フェリス女学院、大阪女学院などが長老派。同志社、神戸女学院、梅花学園などが組合派。関東学院、西南学院、西南女学院、日ノ本学園（姫路市）などがバプテスト派です。 プロテスタントの活動に対して、カトリック教会の中に対抗宗教改革が起きました。日本で様々な活動を行ったイエズス会もその一つです。カトリックの場合には、多様性を持ちつつ、その頂点にはローマ教皇が存在しています。それに比べるとプロテスタントは数えきれないくらい多くの教派に細分化されています。多様性を尊重することは大切ですが、同じ神、同じキリストを信じる教会がこんなにも細分化されていてよいのかという素朴な疑問も湧きます。とはいうものの、社会全体の中では圧倒的に少数派の日本のキリスト教界では、カトリックとプロテスタントの協同も行われています。新共同訳聖書をはじめ、日本カトリック学校連合会とキリスト教学校教育同盟（プロテスタント）の合同セミナー、全国キリスト教学校人権教育協議会の活動などがその例です。

500年前、ルターはなぜ宗教改革を行うに至ったのでしょうか。宗教改革は、今日を生きる私たちにとっていかなる意味を持っているのでしょうか。共に考えてみたいと思います。

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2017年11月5日

エフェソの信徒への手紙2章14〜22節（抜粋）
実にキリストはわたしたちの平和であります。・・・・・・・十字架を通して、両者を一つの体として神と和解させ、十字架によって敵意を滅ぼされました。キリストはおいでになり、遠く離れているあなたがたにも、また、近くにいる人々にも、平和の福音を告げ知らせられました。それで、このキリストによってわたしたち両方の者が一つの霊に結ばれて、御父に近づくことができるのです。・・・・・・・キリストにおいて、この建物全体は組み合わされて成長し、主における聖なる神殿となります。キリストにおいて、あなたがたも共に建てられ、霊の働きによって神の住まいとなるのです。

「排除ではなく共存するために」
エフェソの信徒への手紙 2章11〜22節

宣教：岡村　牧師

この手紙の１章１節にパウロから書いた手紙としていますので、そのまま読むことにします。紀元80年から９０年頃に書かれた手紙です。パウロは世界にキリストの福音を伝えた大伝道者で、当時様々な宗教や思想が混在していた世界の中でイエス・キリストの福音の本質をよく理解して突き進んだ勇者です。イエス・キリストの12弟子の一人でもなく、復活の時に弟子たちや人々に現れたというその中にいた人ではありませんでした。むしろ主イエスと終始敵対していたファリサイ派の出身でした。

パウロがファリサイ派だった頃は、キリスト者を異端者とみなし「排除」する人でした。イエスの死と復活の出来事が起こってから教会の歴史に登場する人です。このパウロの回心一つをとってみても、主イエス・キリストの復活を証明していると言うに足ります。

敵だった人が味方になったということをにわかに信じる人は少なく、パウロがキリスト教会から信任を得るのにも苦しい時期を経なければなりませんでした。受け入れられず外へ外へと旅をしながら、ユダヤ教では異邦人として軽んじられていた人々へキリストの福音を伝えることになり、彼の語る言葉によって回心する人々が大勢生まれ、神の導きによって外国へと伝道の歩みを進めていきました。

排除する人だったパウロが、共存、共に生きる、というところに立つことができるようになっていったのです。人間の元々ある自然な本質は、排除する方向にあるのではないでしょうか。しかし、パウロは宣言します。「十字架を通して両者を一つの体として神と和解させ、十字架によって敵意を滅ぼされました。」「キリストにおいて、あなたがたも共に建てられ、霊の働きによって神の住まいとなるのです。」　キリストを信じる私たちの生き方に希望があります。

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2017年11月12日

エフェソの信徒への手紙4章2〜16節（抜粋）
・・・神から招かれたのですから、その招きにふさわしく歩み、一切高ぶることなく、柔和で、寛容の心を持ちなさい。愛をもって互いに忍耐し、平和のきずなで結ばれて、霊による一致を保つように努めなさい。体は一つ、礼拝一つです。それは、あなたがたが、一つの希望にあずかるようにと招かれているのと同じです。主は一人、信仰は一つ、洗礼(バプテスマ)は一つ、すべてのものの父である神は唯一であって、すべてのものの上にあり、すべてのものを通して働き、すべてのものの内におられます。
・・・・・
キリストにより、体全体は、あらゆる節々が補い合うことによってしっかり組み合わされ、結び合わされて、おのおのの部分は分に応じて働いて体を成長させ、自ら愛によって造り上げられてゆくのです。

「一つの希望」
エフェソの信徒への手紙 4章1〜16節

宣教：岡村　牧師

パウロからと１章に記されているこの手紙は、フィリピの信徒への手紙やコロサイの信徒への手紙、フィレモンへの手紙と同じく、パウロが牢獄に囚われていたときのものだと推測されています。パウロは町から町へ、国から国へとキリストの恵み、神の愛を伝道して廻った人です。パウロを敵視する人々に狙われて命の危機を日ごとに感じながらの日々でした。

キリストを伝えている、ということで捕えられたのですが、パウロの手紙には自分の身を案じる悲壮感や捕えた人々を批判したりする言葉は一つもありません。キリスト教会に対する迫害が起こっている中で、ひたすらキリストの恵みや祝福を熱く語り、キリストを信じて生きる者としてのあるべき姿を語り、「一つ」をキーワードに励ましています。

「体は一つ、霊は一つです。それは、あなたがたが、一つの希望にあずかるようにと招かれているのと同じです。主は一人、信仰は一つ、洗礼(バプテスマ)は一つ、すべてのものの父である神は唯一であって、すべてのものの上にあり、すべてのものを通して働き、すべてのものの内におられます。」(4:4-6)

キリストが頭であり、その体を構成する教会の人々には、キリストに召された者としてそれぞれに例外無く様々な賜物が与えられていて、ここではその賜物が使徒、預言者、福音宣教者、牧者、教師というものとして記されています。誰かふさわしい者が特別にそれらの使命を与えられているというよりも、この世におかれているクリスチャンとして、一人一人がキリストとの関係を育てられてきており、恵みの証しを持っているからです。

私たちはそれぞれ賜物も、状況も課題も違うし、教会でも胸はって自分の奉仕に自信を持つ人はいないでしょう。しかし、聖書の言葉に希望を持っています。キリストにおいて一つとされていることに希望があります。

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2017年11月19日

出エジプト記 3章 7〜 12節
主は言われた。「わたしは、エジプトにいるわたしの民の苦しみをつぶさに見、追い使う者のゆえに叫ぶ彼らの叫び声を聞き、その痛みを知った。それゆえ、わたしは降って行き、エジプト人の手から彼らを救い出し、この国から、広々としたすばらしい土地、乳と蜜の流れる土地、カナン人、ヘト人、アモリ人、ペリジ人、ヒビ人、エブス人の住む所へ彼らを導き上る。見よ、イスラエルの人々の叫び声が、今、わたしのもとに届いた。また、エジプト人が彼らを圧迫する有様を見た。今、行きなさい。わたしはあなたをファラオのもとに遣わす。わが民イスラエルの人々をエジプトから連れ出すのだ。」
モーセは神に言った。「わたしは何者でしょう。どうして、ファラオのもとに行き、しかもイスラエルの人々をエジプトから導き出さねばならないのですか。」
神は言われた。「わたしは必ずあなたと共にいる。このことこそ、わたしがあなたを遣わすしるしである。あなたが民をエジプトから導き出したとき、あなたたちはこの山で神に仕える。」

「Who am I ?」
出エジプト記 3章 7〜12節

宣教：高見 協力牧師

シナイ山でご自身を顕現された神は、「わたしは、エジプトにいるわたしの民の苦しみをつぶさに見、追い使う者のゆえに叫ぶ彼らの叫び声を聞き、その痛みを知った。それゆえ、わたしは降って行き、エジプト人の手から彼らを救い出し、この国から、広々としたすばらしい土地、乳と蜜の流れる土地、カナン人、ヘト人、アモリ人、ペリジ人、ヒビ人、エブス人の住む所へ彼らを導き上る」とモーセに語りかけられました。そしてこの語りかけの中に、神の本性（愛）から生じる、神の私たちへの働きかけ、私たちへの取り扱いを垣間見ることができるのです。

神は、抑圧され、もがき苦しむ者を放っておくことが出来ません。それはご自身の本性（愛）のゆえです。愛とは積極的に自分以外の者の苦しみと痛みに連帯し、その者を憐れみ、絶望と死に瀕している彼らを何とか救い上げようとするものなのです。ゆえに神は、エジプトで奴隷として虐げられていたイスラエルの民を、必ず『救い出す』と宣言されたのです。このことから、神は私たち人間に対し、苦難からの解放者、贖いの行為者として働いて下さることが分かるのです。

さらに神は、苦難に喘ぐ者を解放し、贖うだけで、その務めを終えてしまわれる方ではないのです。愛には責任が伴います。ゆえに神はイスラエルの民を苦難から解放したのち、彼らを混沌とした荒野に置き去りするようなことはせず、むしろ、乳と蜜とその他驚くべきもので満ち、全ての民を支えることが出来るほどの広々としたすばらしい土地、新しい創造の世界へ、彼らを『導き入れる』と宣言してくださったのです。このことから、神は私たち人間に対し、新しい生命、祝福、創造の世界への解放者としても働いて下さることが分かるのです。

神は「私は一体何者か？」と失望し、苦しんでいる者を救われます。またそればかりか、失望していた者が、神と共に歩みを始める時、神は全責任をもって、その者を新しい創造の世界へと解放してくださるのです。この神の本性（愛）から発せられる神の働きかけを信じ、あなたも失望から解放され、新しい生命に生きられることを念願します。

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2017年11月26日

エフェソの信徒への手紙3章5〜8節
この計画は、キリスト以前の時代には人の子らに知らされていませんでしたが、今や"霊"によって、キリストの聖なる使徒たちや預言者たちに啓示されました。すなわち、異邦人が福音によってキリスト・イエスにおいて、約束されたものをわたしたちと一緒に受け継ぐ者、同じ体に属する者、同じ約束にあずかる者となるということです。神は、その力を働かせてわたしに恵みを賜り、この福音に仕える者としてくださいました。この恵みは、聖なる者たちすべての中で最もつまらない者であるわたしに与えられました。
イザヤ書43章10〜11節
わたしの証人はあなたたち　わたしが選んだわたしの僕だ、と主は言われる。
あなたたちはわたしを知り、信じ　理解するであろう。
わたしこそ主、わたしの前に神は造られず　わたしの後にも存在しないことを。
わたし、わたしが主である。わたしのほかに救い主はない。

「万人宣教者」
エフェソの信徒への手紙 3章5〜9節

宣教：岡村 牧師

今日から次週アドベント(待降節)が始まる12月3日まで、日本バプテスト連盟に連なる諸教会・伝道所では、「世界バプテスト祈祷週間」としてこの週を迎えます。1873年に中国へ伝道のために渡ったアメリカのロティ・ムーンがクリスマス献金として伝道献金を募ったのがその始まりです。

日本バプテスト女性連合はその伝道の心を大切にし、1931年から今に至るまで、毎年「世界祈祷週間」として覚え、宣教師を覚えて祈り、献げることをアピールしてきました。今までに多くの人々が、聖書でイエス・キリストを知り、回心して世界へ伝道することになったパウロに心を燃やされて、同じように出かけて行ったのです。世界のすべての人がイエス・キリストの福音を知って、受け入れて救われてほしい、という思いで異国に移り住んだのでした。

今日読むのはエフェソの信徒への手紙３章のほんの一部ですが、宗教や民族の壁がどれほど大きく立ちはだかっていたかが、推測できます。パウロはキリストの計画であり、計り知れない冨として次のことを述べています。

「･･･異邦人が福音によってキリスト・イエスにおいて、約束されたものをわたしたちと一緒に受け継ぐ者、同じ体に属する者、同じ約束にあずかる者となるということです。」（エフェソ3:6）

唯一神の信仰教育を受けてきたユダヤ人キリスト者と異邦人キリスト者が同じ約束を一緒に受け継ぎ、同じ体に属し、同じ約束に預かるということがどんなに当たり前ではなかったかということがわかります。福音を伝えられた私たちがその恵みを十分には理解できなくても、キリストの教会としてその体を形作るすべての人が与えられている恵みに立った使命を確認したいと思います。

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2017年12月3日

ルカによる福音書 1章13〜25節(抜粋)
天使は言った。「恐れることはない。ザカリア、あなたの願いは聞き入れられた。あなたの妻エリサベトは男の子を産む。その子をヨハネと名付けなさい。・・・そこでザカリアは天使に言った。「何によって、わたしはそれを知ることができるのでしょうか。わたしは老人ですし、妻も年をとっています。」天使は答えた。「わたしはガブリエル、神の前に立つ者。あなたに話しかけて、この喜ばしい知らせを伝えるために遣わされたのである。あなたは口が利けなくなり、この事の起こる日まで話すことができなくなる。時が来れば実現するわたしの言葉を信じなかったからである。」・・・
その後、妻エリサベトは身ごもって、五ヶ月の間身を隠していた。そして、こう言った。「主は今こそ、こうして、わたしに目を留め、人々の間からわたしの恥を取り去ってくださいました。」

「神の恵みと慈しみはとこしえまで」
ルカによる福音書 1章5〜25節

宣教：岡村 牧師

2017年の待降節(アドヴェント)に入りました。2017年の終わりにクリスマスが置かれていることは、新しい次の年の先取りとして、また、神が先立ってくださることを象徴しているようで、安心して歩める思いがいたします。

キリストがこの世に来られるに先立って、神さまはヨハネという人がキリストの前を歩いてキリストのための道を準備する役割を与えました。そのヨハネがどのような人なのか、著者は主イエスもヨハネも歴史の中に確実に存在した人であるとわかるように出自を記しています。

神は、神に信頼しつつも心くじけて希望を失いかけている人をお忘れになりません。神はそれらの人々を用いて、神と共に人々のための道を拓いて準備される神であることを今日の聖書の言葉は証ししています。

ザカリアが神の言葉を受けたとき、「あなたの願いは聞きいれられた。」というものでした。妻のエリサベトと共に生きるようになってから、どれだけ二人で心を合わせて子どもが授かるようにと祈り続けただろうか、と想像できます。今の時代と違って、子どもができないことは神の祝福からもれた人であるとみなされていました。けれども子どもが持てない年齢になってから「祈りは聞き入れられた」と言われても、「遅すぎる」と思わなかったのでしょうか。

聖書の旧約聖書には、「神の恵み、慈しみはとこしえに」という言葉が様々に証しされています。しかし、神の子イエス・キリストが来られてその活動、死と復活を証ししている聖書によって信仰を得た私たちこそが「神の恵みと慈しみはとこしえまで」と感謝の言葉をささげることができる者です。今目に見えることで判断しないでいる事の大切さや、永遠にまで思いを留める心を養われたいです。

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2017年12月17日

出エジプト記 3章13〜18節a
モーセは神に尋ねた。「わたしは、今、イスラエルの人々のところへ参ります。彼らに、『あなたたちの先祖の神が、わたしをここに遣わされたのです』と言えば、彼らは、『その名は一体何か』と問うにちがいありません。彼らに何と答えるべきでしょうか。」
神はモーセに、「わたしはある。わたしはあるという者だ」と言われ、また、「イスラエルの人々にこう言うがよい。『わたしはある』という方がわたしをあなたたちに遣わされたのだと。」神は、更に続けてモーセに命じられた。「イスラエルの人々にこう言うがよい。あなたたちの先祖の神、アブラハムの神、イサクの神、ヤコブの神である主がわたしをあなたたちのもとに遣わされた。これこそ、とこしえにわたしの名　これこそ、世々にわたしの呼び名。
さあ、行って、イスラエルの長老たちを集め、言うがよい。『あなたたちの先祖の神、アブラハム、イサク、ヤコブの神である主がわたしに現れて、こう言われた。わたしはあなたたちを顧み、あなたたちがエジプトで受けてきた仕打ちをつぶさに見た。あなたたちを苦しみのエジプトから、カナン人、ヘト人、アモリ人、ペリジ人、ヒビ人、エブス人の住む乳と蜜の流れる土地へ導き上ろうと決心した』と。彼らはあなたの言葉に従うであろう。

「神様の自己紹介」
出エジプト記 3章13〜22節

宣教：高見 協力牧師

シナイ山でご自身を顕現された神は、モーセにその名を聞かれた時、「わたしはある。わたしはあるという者である」と自己紹介をされました。この言葉は、ヘブル語原文で「エヘイェー・アシェル・エヘイェー」と記されています。

ところで、ユダヤ人の思想世界における「存在」の形態は、すでに過去において存在してしまったか、あるいは現在も含めて未来に向かって存在し続けようとしているのかのどちらかを指すものであると言われています。すなわちそれは、「現在」というものが、時間の世界において刻々と過去に飛び去っていく一方で、刻々と未来に向かって延びていっていることと一致するものなのです。このような観点に立つため、ヘブル語における動詞の時制は、完了形と未完了形の2種類しかないのだそうです。

これに従って言えば、前述の神の自己紹介文は、現在から未来に向かっての語りとなるため、「I will be who I will be」、すなわち「わたしは存在しようと意志し、これからも存在するつもりである」と訳した方が正確なニュアンスを捉えることが出来るのです。つまり、この正確なニュアンスから、「神は存在することを意志され、未来永劫に存在し続ける方である」ということが分かるのですが、では一体、神はどのように存在し、どのように存在し続けようとする方なのでしょうか。

実にそのことは、神がモーセに語られた2つの約束の中に言い表されています。神は�〔韻鬟┘献廛箸�ら救い出すとの約束において、自分が人間を苦難から解放する者として存在していることを宣言され、�¬韻鯑�と蜜の流れる地へ導き入れるとの約束においては、自分が人間を新しい祝福で満たす者として存在していることを宣言されていたのです。

神は私たちを苦難から解放するために、また私たちに祝福を与えるために、今、存在され、またこれからも存在し続けてくださる方なのです。このことのゆえに、あなたは現実の苦難に恐れおののく必要はないのです。主に信頼して人生を歩み続けてください。そうすれば、必ずや主による解放の恵みと祝福があなたのもとに届けられますから。

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2017年12月24日

ルカによる福音書 2章1〜１7節(抜粋)
そのころ、皇帝アウグストゥスから全領土の住民に、登録せよとの勅令が出た。・・・・・ところが、彼らがベツレヘムにいるうちに、マリアは月が満ちて、初めての子を産み、布にくるんで飼い葉桶に寝かせた。宿屋には彼らの泊まる場所がなかったからである。
その地方で羊飼いたちが野宿をしながら、夜通し羊の群れの番をしていた。すると、主の天使が近づき、主の栄光が周りを照らしたので、彼らは非常に恐れた。天使は言った。「恐れるな。わたしは、民全体に与えられる大きな喜びを告げる。今日ダビデの町で、あなたがたのために救い主がお生まれになった。この方こそ主メシアである。あなたがたは、布にくるまって飼い葉桶の中に寝ている乳飲み子を見つけるであろう。これがあなたがたへのしるしである。」　すると、突然、この天使に天の大群が加わり、神を賛美して言った。「いと高きところには栄光、神にあれ、地には平和、御心に適う人にあれ。」　天使たちが離れて天に去ったとき、羊飼いたちは、「さあ、ベツレヘムへ行こう。主が知らせてくださったその出来事を見ようではないか」と話し合った。そして急いで行って、マリアとヨセフ、また飼い葉桶に寝かせてある乳飲み子を探し当てた。その光景を見て、羊飼いたちは、この幼子について天使が話してくれたことを人々に知らせた。
マタイによる福音書 1章23節
「見よ、おとめが身ごもって男の子を産む。その名はインマヌエルと呼ばれる。」
この名は、「神は我々と共におられる」という意味である。

「あなたがたのための救い主」
ルカによる福音書 2章1〜17節

宣教：岡村 牧師

メリー　クリスマス♪
救い主イエス・キリストの御降誕おめでとうございます！
2017年のクリスマスにようこそご出席くださいました。クリスマスは神からのプレゼントである救い主イエス・キリストの降誕を人々と共に祝う時です。そして今日は礼拝の中でY君が自分の言葉で信仰告白をしてバプテスマ(浸礼)を受けることになっています。若いクリスチャンの誕生です。喜びが何倍にもふくらみます。教会にとっては12月10日のMさんのバプテスマ式と共に最も嬉しい出来事になります。

最初のクリスマスで大きな役割をするのは神の使い、天使です。神の言葉から「こと」が始まるからです。マリアにもヨセフにも神は天使を通して言葉で神のご計画を伝えました。神の言葉は成就するのです。

神は神の子・救い主が生まれたことをまず野宿している羊飼いたちに知らせました。羊飼いたちは仕事が忙しくて礼拝にも行かず、神からの恵みは望めない人と自分で思っていたでありましょう。私たちの姿と重なります。そのような人々に神は、「あなたがたのために救い主がお生まれになった。」と伝えます。この神は「神はわれわれと共におられる(インマヌエル)」と呼ばれる御方だと聖書は語っています。

「神が共におられる」とキリスト教会では励ましとしてよく語られます。神が共におられるとはどのようなことなのでしょうか。全てはわからないながらも共に考えてみたいと思います。あなたを救うためにこられた救い主です。あなたを待たれる神です。

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2017年12月31日

ルカによる福音書 2章22〜38節(抜粋)
・・・そのとき、エルサレムにシメオンという人がいた。この人は正しい人で信仰があつく、イスラエルの慰められるのを待ち望み、聖霊が彼にとどまっていた。・・・シメオンは幼子を腕に抱き、神をたたえて言った。
「主よ、今こそあなたは、お言葉どおりこの僕を安らかに去らせてくださいます。・・・これは万民のために整えてくださった救いで、異邦人を照らす啓示の光、あなたの民イスラエルの誉れです。」
父と母は、幼子についてこのように言われたことに驚いていた。・・・・・
また、アシェル族のファヌエルの娘で、アンナという女預言者がいた。・・・彼女は神殿を離れず、断食したり祈ったりして、夜も昼も神に仕えていたが、そのとき、近づいて来て神を賛美し、エルサレムの救いを待ち望んでいる人々皆に幼子のことを話した。

「待つことができる幸い」
ルカによる福音書 2章22〜38節

宣教：岡村 牧師

2017年最後の礼拝となりました。明日から2018年が始まります。2017年を宝塚バプテスト教会としてここに存在して礼拝を続けて来たこと、木曜日の祈祷会をし続けて来たこと、様々な活動を主の名によって共に祈りながら行ってくることができたことを心から感謝しています。本当に皆様今年もありがとうございました。

2017年が終ります。様々な最後があります。そして一つが終ることは新しいことの始まりです。クリスマスがあってその後に新年を迎えることにも、神が先立って導いて下さっていることを象徴しているような気がいたします。私たちは将来を知る事ができません。世の中では自分の将来を知りたくて色々な占いが商売として成りたっています。しかし、私たちは神が伝えて下さった言葉や、神が最善に導かれた過去のことや、過去から続いている現在の神の御業を思いながら、神に感謝しつつ歩みます。ボートが前に進む時に自分は後ろ向きで漕ぐように、前は神が先立って導かれていることを信じて、神のなさったことへの感謝で進みます。

今日はイエスが誕生なさってヨセフとマリアが当時の律法に従って、生まれて40日たった赤ちゃんイエスを連れて、エルサレム神殿へ行ったときのお話です。高齢と思われるシメオンと84歳のアンナという二人の信仰者が、赤ちゃんイエスが入って来た時に、神が預言されていた救い主だとわかって、神を讃美し、ヨセフとマリアを祝福し、救いを待ち望んでいた人々にイエスのことを伝えたのでした。

神の恵みも神からいただいた言葉も忘れてしまうのが人間の常です。しかしシメオンやアンナは年をとってもそれぞれ神から受けた言葉を忘れずに待つことができたのでした。私たちはイエス・キリストの死と復活の後に生きるものであり、主の再臨を待つ中に生きています。イエス・キリストを伝える教会として礼拝しつつ歩みます。

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2018年1月7日

マルコによる福音書 1章3〜15節(抜粋)
・・・荒れ野で叫ぶ者の声がする。『主の道を整え、その道筋をまっすぐにせよ。』
そのとおり、洗礼者ヨハネが荒れ野に現れて、罪の赦しを得させるために悔い改めの洗礼(バプテスマ)を宣べ伝えた。・・・・・
そのころ、イエスはガリラヤのナザレから来て、ヨルダン川でヨハネから洗礼(バプテスマ)を受けられた。水の中から上がるとすぐ、天が裂けて"霊"が鳩のように御自分に降って来るのを、御覧になった。すると、「あなたはわたしの愛する子、わたしの心に適う者」という声が、天から聞こえた。・・・・・
ヨハネが捕えられた後、イエスはガリラヤへ行き、神の福音を宣べ伝えて、「時は満ち、神の国は近づいた。悔い改めて福音を信じなさい」と言われた。

「貫かれている神のご計画」
マルコによる福音書 1章1〜15節

宣教：岡村 牧師

主の年2018年あけましておめでとうございます！
今年もよろしくお願いいたします。年末年始にはいつもなさっていることがおありと思います。クリスチャンたちは新しい年に向けて、神様から言葉をいただきたいという思いで、聖書をめくります。教会の年度聖句にあるように、「あなたの御言葉は、わたしの道の光 私の歩みを照らす灯」だからです。私は年始にエレミヤ書42章6節の言葉に出会いました。今日の招詞としています。

「良くても悪くても、我々はあなたを遣わして語られる神である主の御声に聞き従います。我々の神である主の御声に聞き従うことこそ最善なのですから。」

旧約の時代に語られたこの言葉を今の時代に読んだ私は、「あなた」というのはイエス・キリストのことと読んで受け取りました。イエス・キリストは教会の存在理由の原点です。今年のイースターは４月１日ですが、その日までマルコによる福音書から、主イエスを少しでも知るべく読んでまいります。

今日の箇所は、主イエスが生まれてから30年ほど経った時のことです。イエスより半年早く生まれたバプテスマのヨハネは、生まれる前から神のご計画の中に入っていた人でした。30年の間に互いに別々の生活をして、一緒に伝道活動をすることはありませんでした。主イエスはヨハネからバプテスマを受け、神の霊が注がれ、神から言葉をいただいたことが記されています。このことをもって主イエスは荒野へ向い、その後ガリラヤから伝道を始めるのでした。全ての人の罪を背負うために、十字架につけられて死ぬ旅の始まりです。

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2018年1月14日

マルコによる福音書 2章1〜１2節(抜粋)
数日後、イエスが再びカファルナウムに来られると、家におられることが知れ渡り、大勢の人が集ったので、戸口の辺りまですきまもないほどになった。 イエスが御言葉を語っておられると、四人の男が中風の人を運んで来た。しかし、群衆に阻まれて、イエスのもとに連れて行くことができなかったので、イエスがおられる辺りの屋根をはがして穴をあけ、病人の寝ている床をつり降ろした。 イエスはその人たちの信仰を見て、中風の人に、「子よ、あなたの罪は赦される」と言われた。ところが、そこに律法学者が数人座っていて、心の中であれこれと考えた。 「この人は、なぜこういうことを口にするのか。神を冒とくしている。神おひとりのほかに、いったいだれが、罪を赦すことができるだろうか。」 イエスは、彼らが心の中で考えていることを、御自分の霊の力ですぐに知って言われた。「なぜ、そんな考えを心に抱くのか。中風の人に『あなたの罪は赦される』と言うのと、『起きて、床を担いで歩け』というのと、どちらが易しいか。 人の子が地上で罪を赦す権威を持っていることを知らせよう。」そして、中風の人に言われた。「わたしはあなたに言う。起き上がり、床を担いで家に帰りなさい。」その人は起き上がり、すぐに床を担いで、皆の見ている前を出て行った。

「主のもとに連れて行く人々」
マルコによる福音書 2章1〜12節

宣教：岡村 牧師

先週私のお話の中で、教会学校で使用している「聖書教育」と同じ箇所からしばらくメッセージをすることにする、ということを皆様にお伝えしました。以前から考えていたことでもあります。教会に来る子どもたちが日々成長しています。信仰告白をしてバプテスマを受けた子どもが二人になりました。高学年になった子どもたちが子どもメッセージだけでなく、面白くなくても礼拝にずっと座って出席できるようになることをそっと願っています。同じ箇所なら少しは興味が湧くかもしれないというささやかな思いです。マルコによる福音書からのメッセージは４月１日のイースターまで続きます。読むたびに新しく心に響くことを与えて下さる聖書の言葉です。

今日読んでいただくところは、実は昨年１０月にも同じ箇所からお話をしています。ここはイエスが、罪を赦す権威を持つ神と同格の御方であることをあらわしているところです。中風の人の癒しは、全く主イエスの一方的な御業でした。中風の人が癒して下さいと叫んだわけでもなく、この人はされるがままにそこに横たわっているだけでした。しかし、主イエスが癒しの業をなさったきっかけがありました。それは中風の人を連れて来た四人の人々の存在です。その人たちの信仰を見て、主は動かれたのです。四人の人々はまるで教会を表しているようではないかと思いました。目標を定めた一途な四人の姿です。

どんな事情でどんな関係でこの病の中にある人を主イエスのもとに連れて来たのかはわかりません。行間を読みたくなります。四人の思いは一つであったことは確かです。主イエス様のもとにお連れする、そうすればきっと・・・という信仰です。心を合わせて祈りつつの姿が見えてきます。私たちも・・・。

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2018年1月21日

出エジプト記 4章10〜１7節
それでもなお、モーセは主に言った。「ああ、主よ。わたしはもともと弁が立つ方ではありません。あなたが僕にお言葉をかけてくださった今でもやはりそうです。全くわたしは口が重く、舌の重い者なのです。」主は彼に言われた。「一体、誰が人間に口を与えたのか。一体、誰が口を利けないようにし、耳を聞こえないようにし、目を見えるようにし、また見えなくするのか。主なるわたしではないか。さあ、行くがよい。このわたしがあなたの口と共にあって、あなたが語るべきことを教えよう。」モーセは、なおも言った。「ああ主よ。どうぞ、だれかほかの人を見つけてお遣わしください。」
主はついに、モーセに向かって怒りを発して言われた。
「あなたにはレビ人アロンという兄弟がいるではないか。わたしは彼が雄弁なことを知っている。その彼が今、あなたに会おうとして、こちらに向かっている。あなたに会ったら、心から喜ぶであろう。彼によく話し、語るべき言葉を彼の口に託すがよい。わたしはあなたの口と共にあり、また彼の口と共にあって、あなたたちのなすべきことを教えよう。彼はあなたに代わって民に語る。彼はあなたの口となり、あなたは彼に対して神の代わりとなる。あなたはこの杖を手に取って、しるしを行うがよい。」

「仏の顔も三度まで」
出エジプト記 4章1〜17節

宣教：高見 協力牧師

古代エジプトは、文字を発明しそれを駆使して科学技術を発展させた知者の国でありました。それゆえ、少しぐらいのしるし（不思議な現象）を見せられても、それらの現象を科学的に説明することが出来たため、彼らはしるしだけを見て、神を畏れ、神を信じたりするようなことは決してなかったのです。このことは、現代を生きる私たちにも通ずることであり、科学万能の現代にあって人が神を信じるようになるためには、しるしだけでは事足りず、合せてそこには御言葉の語りが必須となってくるのです。

イエス・キリストも御言葉と行い（しるし）をもって、人々を救い、彼らに祝福を分け与えられました（マタイ9：35）。イエスの弟子たちの働きが「使徒言行録」と名付けられているように、彼らもまた師に倣い、御言葉と行い（しるし）をもって伝道の使命を全うしたのです。また、今日における教会の牧師も、救いと祝福を生むために、礼拝における御言葉の語りと行い（牧会における奉仕）を大切にし、それに励んでいるのです。

モーセは神からいくつかのしるしを授かりながらも、生まれつきの口下手を理由に、神から命じられたイスラエル救済の使命を拒絶します。これは単にモーセの神への信頼が欠けていたとか、彼の怠慢および自己中心による拒絶なのではなく、彼自身が言葉の重要性を痛いほど知っていたからこその拒絶であったのです。彼は神の愛に信頼していたがゆえに、その召命に応えたいと思いつつも、言葉が足りない自らの欠けを恐れ、それに苦しんでいたということなのです。しかし、驚くべきことに、神は召命を三度も拒絶したモーセを、怒りと共に裁いたのではなく、むしろ葛藤に苦しむ彼の弱さ、痛みにまで下ってくださって、「言葉を語る者」としてのアロンの派遣を約束し、愛をもってモーセの欠けを補ってくださったのです。「仏の顔も三度まで」と言われる通り、仏様は私たちの過ちを四度目にはお赦しにならないのでしょう。しかし、神の愛は無限に私たちの欠けを赦し、またそれを補い、なお私たちを使命に生かしめてくださるのです。

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2018年1月28日

使徒言行録 15章1〜１1節(抜粋)
ある人々がユダヤから下って来て、「モーセの慣習に従って割礼を受けなければ、あなたがたは救われない」と兄弟たちに教えていた。それで、パウロやバルナバとその人たちとの間に、激しい意見の対立と論争が生じた。この件について使徒や長老たちと協議するために、パウロとバルナバ、そのほか数名の者がエルサレムへ上ることに決まった。・・・・・エルサレムに到着すると、彼らは教会の人々、使徒たち、長老たちに歓迎され、神が自分たちと共にいて行われたことを、ことごとく報告した。ところが、ファリサイ派から信者になった人が数名立って、「異邦人にも割礼を受けさせて、モーセの律法を守るように命じるべきだ」と言った。
そこで、使徒たちと長老たちは、この問題について協議するために集まった。・・・・・
「人の心をお見通しになる神は、わたしたちに与えてくださったように異邦人にも聖霊を与えて、彼らをも受け入れられたことを証明なさったのです。また、彼らの心を信仰によって清め、わたしたちと彼らとの間に何の差別をもなさいませんでした。 それなのに、なぜ今あなたがたは、先祖もわたしたちも負いきれなかった軛を、あの弟子たちの首に懸けて、神を試みようとするのですか。」

「私たちのエルサレム会議」
使徒言行録 15章1〜11節

宣教：鮫島　牧師

使徒言行録の山場である「エルサレム会議」の場面です。救いの条件として、割礼と律法遵守を異邦人キリスト者に強要する、ファリサイ派からの改宗キリスト者たち　VS 救いはイエス・キリストを信じる信仰によってのみ、を主張するパウロやバルナバたち。この主張の対立に決着をつけたのは、ペトロの証しでありパウロとバルナバの第一次伝道旅行の果実でした。

それは、神を敬う異邦人たちの上に聖霊が降ったという神さまご自身の証しであったり、異邦人にも聖霊を与えて彼らを受け入れられた神さまの出来事であったり、実は昔の預言者たちが人を分け隔てなさらない神さまを語っていたという旧約聖書の中の証拠であったり…、つまりは神さまの御旨そのものだったのです。全会衆は｢神さまのご真実｣の前に心から納得し、双方は一致するに至ったのです。そしてエルサレム会議は「神に立ち返る異邦人を断じて悩ませてはならない」という結論を導き出したのでした。

この「共同声明」を機に、異邦人伝道は一気に勢いづきます。パウロとバルナバはそれぞれに同労者を得て海外宣教へと出かけて行き、聖霊が彼らの働きをおおいに助けたのでした。

人は「変わる」ことができます。でも簡単には変われないのも事実であることを、私たちは経験的に知っています。聖書は、パウロの回心やペトロの変化、ファリサイ派からの改宗者たちの自己解放や異邦人たちの改宗など、人の力や努力や知恵だけでは変わり得なかった信仰における「変化」や「脱皮」を、聖霊が助ける、と証ししています。

新しい神学や聞いたことのなかった聖書解釈などに触れる時、どうしても私たちの中に抵抗が生まれます。大切に守り抜いてきたものが揺らぐことに不安を覚えます。「北風と太陽」の童話ではありませんが、神さまは北風ではなく太陽だと信じて、握りしめている拳を緩めてみませんか。聖霊に身を委ねる勇気さえあれば、私たちは変われると思います、きっと。

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2018年2月4日

マルコによる福音書 5章1〜20節(抜粋)
・・・イエスが舟から上がられるとすぐに、汚れた霊に取りつかれた人が墓場からやって来た。この人は・・・イエスを遠くから見ると、走り寄ってひれ伏し、大声で叫んだ。「いと高き神の子イエス、かまわないでくれ。後生だから苦しめないでほしい。」イエスが、「汚れた霊、この人から出て行け」と言われたからである。・・・そして、自分たちをこの地方から追い出さないようにと、イエスにしきりに願った。
・・・汚れた霊どもはイエスに、「豚の中に送り込み、乗り移らせてくれ」と願った。イエスがお許しになったので、汚れた霊どもは出て、豚の中に入った。すると、二千匹ほどの豚の群れが崖を下って湖になだれ込み、湖の中で次々とおぼれ死んだ。・・・そこで、人々はイエスにその地方から出て行ってもらいたいと言いだした。イエスが舟に乗られると、悪霊に取りつかれていた人が、一緒に行きたいと願った。イエスはそれを許さないで、こう言われた。「自分の家に帰りなさい。そして身内の人に、主があなたを憐れみ、あなたにしてくださったことをことごとくしらせなさい。」その人は立ち去り、イエスが自分にしてくださったことをことごとくデカポリス地方に言い広め始めた。人々は皆驚いた。

「世から捨てられた人の逆転人生」
マルコによる福音書5章1〜20節

宣教：岡村 牧師

主イエスが弟子たちと共に湖を渡って着いた場所は、ユダヤ人にとっては異教の神々を信じる異邦人のゲラサ人が住む場所でした。社会生活ができなくなり、墓場に住んで自傷行為をしていた人を、主イエスがその人に取りついている悪霊を追い出して正気に戻したときのことが記されています。

悪霊などと言われてもよくわからないことですが、主イエスはこのゲラサ人の人自身を悪い者、汚れた者とはせずに、この人を操作している悪霊の存在を見逃しませんでした。いと高き神の子イエスの言葉は悪霊に名を言わせ、その大勢の悪霊は、二千匹の豚に乗り移って豚は湖で溺れてしまいした。

動物愛護協会からはお叱りを受けそうな話しです。豚はユダヤ人にとっては昔から汚れた動物と指定され、食べる事は禁止されていましたので、その背景があるからだと思われます。豚なら死んでもかまわない、ということでもないでしょう。別の動物に乗り移ればこの人が助かるということで、あくまでも一人の苦しむ人の救いをイエスが重んじた、ということでありましょう。

イエス・キリストは、人が神を知って救われるために来られました。主は、狂人のようなこの人の叫びの深みまでを、湖の反対側から聞いておられたのかもしれません。イエスについて一緒に行きたいと願ったその人に対して、イエスは言われました。「自分の家に帰りなさい。そして身内の人に、主があなたを憐れみ、あなたにしてくださったことをことごとく知らせなさい。」

主が関わられて救われた人の人生は逆転し、目的のある新しい人生が始まります。

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2018年2月11日

マルコによる福音書 7章31〜37節
それからまた、イエスはティルスの地方を去り、シドンを経てデカポリス地方を通り抜け、ガリラヤ湖へやって来られた。 人々は耳が聞こえず舌の回らない人を連れて来て、その上に手を置いてくださるようにと願った。 そこで、イエスはこの人だけを群衆の中から連れ出し、指をその両耳に差し入れ、それから唾をつけてその舌に触れられた。 そして、天を仰いで深く息をつき、その人に向って、「エッファタ」と言われた。これは、「開け」という意味である。 すると、たちまち耳が開き、舌のもつれが解け、はっきり話すことができるようになった。イエスは人々に、だれにもこのことを話してはいけない、と口止めをされた。 しかし、イエスが口止めをされればされるほど、人々はかえってますます言い広めた。そして、すっかり驚いて言った。 「この方のなさったことはすべて、すばらしい。耳の聞こえない人を聞こえるようにし、口の利けない人を話せるようにしてくださる。」

「ひらかれよ！」
マルコによる福音書7章31〜37節

宣教：岡村 牧師

主イエスによるいやしの出来事は、今の時代に生きる私たちにはなかなか信じられないことだろうと思います。耳が聞こえず口ではっきり話すことができない人が主イエスによって耳が開き、舌のもつれが解けてはっきり話すことができるようになったのです。主イエスがどのような方なのかを知るエピソードです。

主イエスは、主を信頼する人々のもとで神の業を行われました。いやされた当人ではなく人々がその人を連れて来て、手を置いて下さるように、と願ったのです。ただその困難を抱える人を祝福して下さるように、という思いだけだったのかもしれませんが、主イエスを信頼して来る人々に対して、主は最善のことを成して下さいました。

主イエスが言われた言葉、「エッファタ」はアラム語で「開け」という意味であると聖書の中で説明があります。「エッファタ」はここに出てくる耳が聞こえず舌の回らない人にとっては、忘れられない言葉として記憶されたのでしょう。この言葉を調べてみましたのでそのことについてもお話したいと思います。

マルコ２章の中風の人がいやされた時の様に、この人を連れて来た人々に希望を感じます。困難を抱えるこの人を案じて、人々がちゃんと話すことができない人を主イエスのもとに連れて来たのです。将来のキリスト者の姿や教会の姿をあらわしているような気がいたします。

今日は、キリスト教を含めた宗教団体では「信教の自由を守る日」としています。日本国憲法では、人が信じる神への信仰の自由が保障されることと、特定の宗教団体が国から特権を受けることを禁じています。私たちは聖書から何を聞いていくのでしょうか。聞くべきことを聞いて、実行して行く者でありたいと心から思います。

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2018年2月18日

出エジプト記 4章18〜26節
モーセがしゅうとのエトロのもとに帰って、「エジプトにいる親族のもとへ帰らせてください。まだ元気でいるかどうか見届けたいのです」と言うと、エトロは言った。「無事で行きなさい。」
主はミディアンでモーセに言われた。「さあ、エジプトに帰るがよい、あなたの命をねらっていた者は皆、死んでしまった。」モーセは、妻子をろばに乗せ、手には神の杖を携えて、エジプトの国を指して帰って行った。主はモーセに言われた。「エジプトに帰ったら、わたしがあなたの手に授けたすべての奇跡を、心してファラオの前で行うがよい。しかし、わたしが彼の心をかたくなにするので、王は民を去らせないであろう。あなたはファラオに言うがよい。主はこう言われた。『イスラエルはわたしの子、わたしの長子である。わたしの子を去らせてわたしに仕えさせよと命じたのに、お前はそれを断った。それゆえ、わたしはお前の子、お前の長子を殺すであろう』と。」
途中、ある所に泊まったとき、主はモーセと出会い、彼を殺そうとされた。ツィポラは、とっさに石刀を手にして息子の包皮を切り取り、それをモーセの両足に付け、「わたしにとって、あなたは血の花婿です」と叫んだので、主は彼を放された。彼女は、そのとき、割礼のゆえに「血の花婿」と言ったのである。

「モーセ暗殺未遂事件の真相」
出エジプト記 4章18〜31節

宣教：高見　協力牧師

神から「イスラエル救済」の使命を託されたモーセ。そのモーセがエジプトに向けて出立した時、ある事件が起こりました。それは、モーセが神に命を狙われるという世にも奇々怪々な事件であったのです。なぜ、神はイスラエル救済のために召し出したばかりのモーセを殺そうとされたのでしょうか。

この事件が起こる直前に、神は「私の命令に不従順な者には、死の制裁を下す」（4：23）と語られていました。神は決して罪・不義をお赦しにならない方であり、ここにおいて、神の本性は「正義」であることが宣言されていたのです。

その昔、神がイスラエル民族と契約した際（創世記17章）、神はイスラエル男子に対し、割礼を施すことを命じておられました。しかし、この時のモーセは、神に出会い、神から召命を受けた高揚感とエジプト行きの準備のために、誕生したばかりの次男エリエゼルに割礼を施すことを忘れてしまっていたのでした。それで、神はご自身の命令を守らない不従順なモーセに対し、死の制裁を下そうとされたのです。このモーセの命の危機に際し、妻のツィポラが機転を利かせ、息子に割礼を施し、神の命令を遵守したため、神はモーセを放され、彼に対する命の追求を中止されたというのが、この「モーセ暗殺未遂事件の真相」なのです。

モーセは自らの失敗により招いた、この命の危機、苦難を通して、主が正義の神であることを実体験していくことになりました。これにより「この先どんなにファラオが妨害してこようとも、正義の神が制裁を下してくださる。自分が事をなすのではない。主に全てをお任せしていればよいのだ」と確信することができ、エジプトに対する恐れを捨て、心に平安を得て、使命に遣わされていくことができたのです。私たちも自らの失敗により苦難を被りますが、神はこの苦難を通して、私たちにも神の本性と真実を実体験させてくださるのです。この恵みの体験から力を得、私たちもモーセのように使命に遣わされていく者になりたいですね。

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2018年2月25日

マルコによる福音書 11章1〜11節（抜粋）
一行がエルサレムに近づいて、オリーブ山のふもとにあるベトファゲとベタニアにさしかかったとき、イエスは二人の弟子を使いに出そうとして、言われた。「向こうの村へ行きなさい。村に入るとすぐ、まだだれも乗ったことのない子ろばのつないであるのが見つかる。それをほどいて、連れて来なさい。もし、だれかが、『なぜ、そんなことをするのか』と行ったら、『主がお入り用なのです。すぐここにお返しになります』と言いなさい。」・・・・・二人が子ろばを連れてイエスのところに戻って来て、その上に自分の服をかけると、イエスはそれにお乗りになった。多くの人が自分の服を道に敷き、また、ほかの人々は野原からの葉の付いた枝を切って来て道に敷いた。そして、前を行く者も後に従う者も叫んだ。
「ホサナ。主の名によって来られる方に、祝福があるように。我らの父ダビデの来るべき国に、祝福があるように。いと高きところにホサナ。」
こうして、イエスはエルサレムに着いて、神殿の境内に入り、辺りの様子を見て回った後、もはや夕方になったので、十二人を連れてベタニアへ出て行かれた。

「主がお入り用なのです」
マルコによる福音書 11章1〜11節

宣教：岡村　牧師

マルコによる福音書は十字架までの道のりを丁寧に記載しています。今日の箇所は主イエスが死と復活への歩みの最後の1週間の第一日目のことが記されています。子ロバに乗ってエルサレム入場から1週間のうちに主イエスは捕えられて十字架刑に処されるのです。この"棕櫚の日曜日"と呼ばれる日曜日が地上に生きておられた最後の日曜日でした。

死を覚悟した主イエスのエルサレム入場のシーンです。イエスのその時代から五百年も前の預言者ゼカリヤの預言の言葉がゼカリヤ書９章９節にあります。『・・・娘エルサレムよ、歓呼の声をあげよ。見よ、あなたの王が来る 雌ろばの子であるろばに乗って。』　主イエスはこの言葉を御自分と重ねて用いられることを考えておられたのでありましょう。そのために主は子ろばを準備することを含めてあらかじめ色々と段取りを整えておられたのだろうと推測します。

ローマや他の国々に長い間支配された民族の人々が期待し望みをかけたのは、かつての憧れのダビデ王の子孫です。主イエスが子ろばに乗って入場したときに、本当に人々がイエスを救い主として期待しただろうか、と思ってしまいます。なぜなら格好良く勇ましい馬に乗ってではなく、敢えて言えばかっこわるく鈍臭いろばに乗って、しかも子どものろばに乗って入場なさるからです。ゼカリヤ書９章９?10節の預言の言葉を思い出してほしいと、主イエスは思われたのかもしれません。ロバは戦争では役に立ちません。その10節には、神は争いあう場所から、戦車と軍馬を絶ち、諸国の民に平和が告げられ、それは地の果てまでに及ぶという言葉が記されています。

人々の好奇心や期待を満足させるためではなく、人の人気を取るためでもなく、あくまでも神の言葉に従って主イエスは最後の歩みを続けます。それが罪ある我々を救うためであったことに思いを留められますように。

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2018年3月4日

マルコによる福音書 12章38〜44節
イエスは教えの中でこう言われた。「律法学者に気をつけなさい。彼らは、長い衣をまとって歩き回ることや、広場で挨拶されるおと、会堂では上席、宴会では上座に座ることを望み、またやもめの家を食い物にし、みせかけの長い祈りをする。このような者たちは、人一倍厳しい裁きを受けることになる。」
イエスは賽銭箱の向かいに座って、群衆がそれに金を入れる様子を見ておられた。大勢の金持ちがたくさん入れていた。ところが、一人の貧しいやもめが来て、レプトン銅貨二枚、すなわち一クアドランスを入れた。イエスは弟子たちを呼び寄せて言われた。「はっきり言っておく。この貧しいやもめは、賽銭箱に入れている人の中で、だれよりもたくさん入れた。皆は有り余る中から入れたが、この人は、乏しい中から自分の持っている物をすべて、生活費を全部入れたからである。

「人生を神に賭ける」
マルコによる福音書 12章35〜44節

宣教：岡村　牧師

今年のイースター（キリストの復活記念日）は４月1日です。イースターはキリスト教会にとっては最も大切な記念日でありお祭りです。主イエスが罪を引き受けて十字架につけられて死なれたこと、復活されたこと、それがキリスト教の原点だからです。毎週日曜日にキリスト教会が礼拝をするのは、キリストの復活を記念してですので、クリスチャンたちにとっては特別にイースターを祝うこともないかもしれません。しかし、イエス・キリストの恵みを知らない人々はまだまだたくさん世にいます。教会はイエス・キリストの福音を伝える使命があります。また教会から離れてしまっている人たちも多くいることでしょう。イースターを一つのイベントにしているのは、一人でも呼びかけて福音を伝えるためであり、教会から離れている人々を招き入れるためでもあります。

さて、今日の箇所は11章でエルサレムに入場なさった主イエスが、律法学者たちを意識して批判する内容となっています。死を覚悟された主イエスの言動は、指導者層である律法学者や祭司長たちファリサイ派の人々に対して厳しいものでした。律法学者の皆がイエスがおっしゃるような批判にあたる人々ではなかったと思います。しかしイエスが厳しく律法学者に言われたのは、彼らが社会のリーダーとして活動していたからです。高い地位にいて経済の心配はなく、目立ちたがり、尊敬されたがり、名誉欲や金銭欲、支配欲を隠して人を欺きながら、敬虔さを売り物にしている人が多かったからでありましょう。

一方で貧しいやもめのした銅貨二枚の献金をイエスは取り上げて、弟子たちに教えます。その額が問題なのではなく、その貧しいやもめが自分の人生を神に賭けている姿が尊いとなさったのです。イエスの感動が伝わって来るような気がします。十字架に向かわれる主への大きな励ましとなった、と思いました。

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2018年3月11日

マルコによる福音書 14章3〜9節
イエスがベタニアでらい病の人シモンの家にいて、食事の席に着いておられたとき、一人の女が、純粋で非常に高価なナルドの香油の入った石膏の壺を持って来て、それを壊し、香油をイエスの頭に注ぎかけた。そこにいた人の何人かが、憤慨して互いに言った。「なぜ、こんなに香油を無駄使いしたのか。この香油は三百デナリオン以上に売って、貧しい人々に施すことができたのに。」そして、彼女を厳しくとがめた。イエスは言われた。「するままにさせておきなさい。なぜ、この人を困らせるのか。わたしに良いことをしてくれたのだ。 貧しい人々はいつもあなたがたと一緒にいるから、したいときに良いことをしてやれる。しかし、わたしはいつも一緒にいるわけではない。この人はできるかぎりのことをした。つまり、前もってわたしの体に香油を注ぎ、埋葬の準備をしてくれた。はっきり言っておく。世界中どこでも、福音が宣べ伝えられる所では、この人のしたことも記念として語り伝えられるだろう。」

「彼女を記念して」
マルコによる福音書 14章3〜9節

宣教：岡村　牧師

今日は東日本大震災からちょうど７年を数える日となりました。私たちの教会が所属している日本バプテスト連盟では、震災以来ずっと被災地支援をしています。全国諸教会が同じ祈りを合わせたいということで、被災地支援委員会が作成した「祈り」が送られてきましたので、礼拝の中でご一緒に祈りたいと思います。

主イエス様がこの地上におられた時代にも災害で苦しむ人々がいたでしょう。様々な苦しみに喘ぐ人々を主は救われました。絶望して死ぬしかないと思うほどの苦しみの中にある人が主によって救われ、希望を見いだした時、その人はどんなに喜んで感謝で溢れることでしょうか。自分を救ってくださった方のために何でもできることをしよう、と思うことでしょう。

今日読んで頂く箇所は、主イエスへの感謝を人々がびっくりするような形で表した女性のお話です。今の相場でいったら三百万円ぐらいの価値のある香油を一度に主イエスの頭に注ぎかけたのです。それだけのお金があったら貧しいために苦しむ人々を多く助けることができるだろうに、とそこにいた人々が皆憤慨して言ったと記されています。彼女のしたことは、人々には無駄遣いと映ったのでした。

しかし主はこの女性のしたことをかばい、意味付けをなさり、大いに祝福なさいました。「はっきり言っておく。世界中どこでも福音が宣べ伝えられる所では、この人のしたことも記念として語り伝えられるだろう。」

その行為が愛からくるものだったが故に、主は喜んで受けて苦難への道を歩まれます。キリストの福音と共に、高貴な香が現代までただよってくるかのようです。

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2018年3月18日

出エジプト記 5章20節〜6章2節
彼らがファラオのもとから退出して来ると、待ち受けていたモーセとアロンに会った。彼らは、二人に抗議した。「どうか、主があなたたちに現れてお裁きになるように。あなたたちのお陰で、我々はファラオとその家来たちに嫌われてしまった。我々を殺す剣を彼らの手に渡したのと同じです。モーセは主のもとに帰って、訴えた。
「わが主よ。あなたはなぜ、この民に災いをくだされるのですか。わたしを遣わされたのは、一体なぜですか。わたしがあなたの御名によって語るため、ファラオのもとに行ってから、彼はますますこの民を苦しめています。それなのに、あなたは御自分の民を全く救い出そうとされません。」
主はモーセに言われた。
「今や、あなたは、わたしがファラオにすることを見るであろう。わたしの強い手によって、ファラオはついに彼らを去らせる。わたしの強い手によって、ついに彼らを国から追い出すようになる。」
神はモーセに仰せになった。「わたしは主である。」

「エジプトを去って、荒野で礼拝せよ」
出エジプト記 5章1〜9節、20節〜6章2節

宣教：高見　協力牧師

出エジプト記5章には、神のいない世界の内実が描き出されています。すなわち、罪により混乱する人の世の姿が記されているのです。

ファラオは自己中心の塊でした。なぜなら、彼は当時の人々から神と崇められていたからなのです。それゆえ、人々を力で支配し、搾取と人権無視の政治を行いました。常に損得勘定で物事を判断し、不利益をもたらそうとする者には、問答無用で怒りを発し、それらの者を裁いて生きていたのです。

イスラエルの民はこれらファラオの罪に翻弄され、苦しめられていました。しかし、自分たちに降りかかった災難が、モーセとアロンに起因していることを知るや否や、助け人である彼らに対して怒りを燃やし、彼らを攻撃することさえ始めたのです。

モーセはイスラエルの民からの攻撃を受け、彼らとの信頼関係が損なわれたこと、自身のプライドが傷ついたこと、また「共にいてくださらず、何もしてくれない神」に対して憤りを感じ、怒りをもって神に抗議をしてみせたのです。

このように、文明国エジプトは、物質的には豊かであったのですが、その内実は、すべての人が怒りを抱き、裁き合っていたため、そこに混乱が生じていたのです。外面的に繁栄していても、内面的には誰一人安らぎがなかった。これが人の世、罪の世の実態であることを５章は明確に示しているのです。人間の力だけでこの罪の世、罪の現実を変えていくことはできない。この罪の世に住む人々が救われ、真の安らぎと平和を確立していくためには、神の力が必要となる。神の出動が必要となる。そのことが6章1節以下で語られているのです。

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2018年3月25日

マルコによる福音書 15章33〜34節
昼の十二時になると、全地は暗くなり、それが三時まで続いた。 三時にイエスは大声で叫ばれた。「エロイ、エロイ、レマ、サバクタニ。」これは、「わが神、わが神、なぜわたしをお見捨てになったのですか」という意味である。

ローマの信徒への手紙 3章23〜24節
人は皆、罪を犯して神の栄光を受けられなくなっていますが、ただキリスト・イエスによる贖いの業を通して、神の恵みにより無償で義とされるのです。

「希望が失われた中で」
マルコによる福音書 15章33〜47節

宣教：岡村　牧師

2018年のイースター前の受難週を迎えました。私たちは１週間後にイースターがやってくることを知っています。当時の人々は、死と復活を主イエスから直々に予告されていた弟子たちでさえ誰一人として、主イエスが死から復活することがわからず信じられませんでした。主イエスが十字架につけられて息を引き取ったとき、絶望の闇が世を覆いました。

主イエスが十字架につけられた時に、主イエスを信じる人々は最後の最後まで何か神の業が行われることを期待していたでしょう。裏切ったユダはイエスが捕えられた時点で希望を失いました。最後までどうなるかと一抹の希望を抱いていた人々は、主が侮辱を受けて死なれた時、最後の希望の光が消え去ったと思ったことでしょう。

そんな中で、弟子たちは何もする気力を失い、今度は自分たちが捕えられるのではないかと恐れの中におりました。マルコによる福音書によれば十字架のそばには外国人のローマの軍隊の百人隊長がいて「本当に、この人は神の子だった。」と述べていますが、弟子たちは一人もいませんでした。しかしそんな中で、主の死を受けて失望の中で、自分が何を成すべきかを考えた人々がいました。イエスと行動を共にして来た女性の弟子たちともいえる人々と、イエスを信じながらも恐れの故に公にはイエスに従うことができなかった身分の高い議員のヨセフでした。神はそれらの人々を用いて、復活のご準備をなさるのです。主イエスを信じる人々の深い悲しみと悔い改めの心を神は軽んじられませんでした。誰もが希望を失っている中で、いわゆる弟子たちではなかった人々を神はお用いになられるのです。神のご計画は着々と進んでいきます。昔も今もです。

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