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 そば粉に関する知識  そば粉の品質と保存  

 日本のソバ自給率はおよそ23%で、国内産のほかには中国、アメリカ、カナダ、などからたくさんの外国産が輸入されていて、近年ではロシアからの参入も注目されている。
国内産玄ソバは一部地場で消費されるものもあるが、大半は農業協同組合が集荷し問屋を通じて製粉業者に売り渡され、外国産の場合は輸入商社が輸入し製粉業者に売り渡される。
そしてそれらは製粉所でそば粉にされ、そば屋や生麺・乾麺の製麺業、または製菓・酒造業などに販売されている。
           ※参照 : 「全国版 そば粉の入手ガイド」

  「そば」の品質と鮮度
 ソバの実(玄ソバ)には15%ほどの水分が含まれているが、収穫後の時間の経過とともに乾燥が進み、一方で脂肪が分解されて脂肪酸度が高くなって鮮度が落ちていく。
昔から、その年の秋に穫れたソバを「新そば」といって食味と風味がともに良いとされ、冬を経て春が過ぎ、気温と湿度の高まる梅雨の頃を境として食味も風味も落ちるといわれている。(もっとも、現在は低温貯蔵の設備も向上しているので幾分は劣化の度合いも速度も改善されている面もあるが。)
また、産地による品質の差異も一部にいわれるが、特に国産と外国産との比較を一般的にいうと、外国産は輸送時の温度変化や保存によるハンディキャップもあって国産の方が良いとされていて、値段的にも大きな差が認められる。

  「そば粉」の鮮度と保存方法
 そば粉は挽かれたそのときから時間経過とともに脂肪酸度も高くなって劣化し、鮮度が落ちていく食品である。
だから、取り寄せたそば粉は出来るだけ早く使い切ることが肝心で、小分けして使う場合にもできるだけ外気に触れないように密閉することと、冷暗所(冷蔵庫の野菜室など)で保存することが大切である。
 私たち素人にとってのそば粉の選択は、まず国産であれば産地にこだわることよりも、「挽きたてのそば粉」かどうかということと、「そば粉の挽き方」はどうかということに関心をおくことが大切である。
 
そば粉の挽き方   石臼挽き と ロール製粉
 ソバの実(玄ソバ)を粗挽きして篩にかけると、「ソバ殻」「(殻がとれた)丸抜き」「(大きく割れた)上割れ」「小割れ」「花粉」に選別される。いわゆる「挽き抜き」。
先ず最初に出た粉は打ち粉に使われる「花粉」で、さらに「上割れ」だけを挽いたのがさらしな粉(御前粉)」です。次に、残った「割れ」と「丸抜き」を挽いて篩うと一番粉」(ロール製粉の場合は一番ロールを通って篩われた粉)である。ソバの実の中心部の白い粉(内層粉)。残ったのをもう一度挽いて篩うと二番粉」で、同様に「三番粉」。最後に残ったのが「した粉(さなご)」である。
 ソバの実は、最も脆い中心部(内層)から粉になっていくので、白くてでんぷん質の多い、ほとんどそばの香りはないがのど越しや口当たりが良く、これに対して、外皮(表層)になるにしたがってタンパク質が多く、色も濃くそばの香りや栄養価も高いなる反面、食感では劣るというそれぞれの特徴がある。 これらの特徴と性質をどのように混合するかが、「そば粉」の課題であるともいえる。
 「石臼挽き」の特徴       「挽きぐるみ」という粉
 現在の「挽きぐるみ」は、玄ソバの外皮(殻)を取り除いて甘皮に包まれた状態の丸抜き(ヌキ)を石臼で挽き、粉の取り分けをしないでそのまま挽きこんだ粉が主流になっている。
元来は玄ソバの殻が付いたままを石臼で挽き、それをふるって殻を取り除く方法であった。この場合は、殻が完全には除去できずに粉の色は黒く、食感もぼそつくが栄養価は高かった。
現在では、それらが混同されているが、全種子を丸ごと製粉したものを「全層粉」ともいっている。
石臼挽きの特徴は、一分間に16回転〜二十数回転などゆっくりと挽かれるので摩擦熱も少なく、しかも粒子が不揃いで、風味が保たれ食感も良いとされる。

 「ロール挽き」の特徴
 異なる速度で回転する二つのローラーを通して製粉する方法で大量に製粉することができる。ただ、高速回転による摩擦熱が粉に伝わって風味を損ねるとの指摘もあるが、最近の製粉機は冷却式であり摩擦熱はかなり抑えられているそうだ。
また、ロール製粉は、粉の篩い分けと再度製粉機にかけることによって「一番粉」・「二番粉」・「三番粉」・・や「さらしな粉(御前粉)」など6〜7種類の粉に挽き分けることもできる特徴を持っている。

 素人のそば打ち  どの挽き方のそば粉を選ぶのか
 例えば「さらしなそば」や「変わりそば」を打つ場合はロール挽きの「さらしな粉」を使うことになる。
ここでいうそば粉(挽き方)選択の問題は、ごく普通の「二八そば」「生粉打ち(十割そば)」などの場合がテーマだが、一般的に言うと、「手打ち」にこだわるそば屋を例にとると、石臼挽きにこだわるケースが多いように思われる。また、素人のそば打ちの場合でも(これは私見だが)圧倒的に石臼挽きが使われているように思う。
ただ、石臼挽きとロール挽きの製粉効率の違いは明らかで、「そば粉の値段」という点でも石臼挽きの方が高いのは言うまでもない。

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