そば用語辞典   < Mobile 辞典へ   < PC 辞典へ

仁八       二八
「二八そば」の語源はわかっていない。江戸中期以降の風俗資料や芝居の登場人物に「二八」とか「仁八」という名前を「二八そば」にかけて意図的に登場させている。安永5年刊行で初物評判を記した「福寿草」の「四季初物惣目録」の第一番に初かつお(夏)・二番手に初さけ(秋)・三番は初酒(秋)・四番目に新そば(秋)が登場する。この新そばの口上に、「深大寺の強力正直坊」「木曽殿のとちめん棒」「中げん二八」など蕎麦に掛けた人物を挙げながら「二八という人物」を登場させている。また江戸後期の浮世絵師・歌川豊国筆の「花街模様薊色縫」では、歌舞伎の題材で二八そばの看板を付けた蕎麦売りの図に仁八という男を登場させている。他にも、歌舞伎の通称「河内山(宗俊)」と言われる「天衣粉上野初花」の場面で、雪の夜「直侍」が入る入谷村の蕎麦屋の主も仁八である。さらにあげると、鶴谷南北の芝居「四天王楓江戸粧」のなかに出てくる風鈴そば売りの名前もまた仁八である。
 
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