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難波(村)とネギ
 
多くの料理書やそば関係の書物は、大坂・難波がネギの産地であったので、大阪ではネギのことを「なんば」という。と書いている。たしかに江戸時代から明治初期に至るまでの摂津西成郡難波村は、大坂の畑場八ヶ村のひとつで多くの野菜類が穫れた。しかしながら、元禄14年(1701)刊行の「摂陽群談」に始まり、「摂陽群談」、「浪花茶里八景」、「摂陽奇観」、さらには享保10年(1725)に難波百姓市の青物立ち売り禁止に対して難波村が大坂町奉行所に訴え出た「乍恐御訴訟申上候」などを調べても、様々な野菜類が記載される中でネギの記録には出くわさない。このようにみていくと、大坂の難波という地名がネギの代名詞になるほどネギが多く栽培されていたとは考えにくい。さらに、江戸時代から明治初期に至るまでの記録のなかで、ネギの代名詞として「なんば」と称したり「難波」の字が当てられている例には出くわさないのである。
 
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