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信濃風 |
江戸中期の頃、そばを茹でた湯を「信濃風」と称して出したことからそば湯の習慣が江戸に広まったという。もともと、江戸ではそば湯を飲む習慣はなかったが元禄10年(1697)に刊行された「本朝食鑑」に、そばを食べ過ぎてもそば湯を飲むと食あたりしないと書かれており、その後の宝暦元年(1751)の「蕎麦全書」にも、信州でそばを食べたときにそば湯を出されて、消化によいと聞いたので江戸に帰って信濃風と言って振る舞ったら喜ばれたと記している。 当時は、そばは消化が悪く足の速い(傷みやすい)食べ物であったから、そばの後には麺毒を消すために豆腐の味噌煮を吸物として出していたが、信濃のそば湯を飲む習慣が毒消しの目的にもかない安直であったので急速に普及していったようだ。 |
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