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くらわんか茶碗 |
陶器の世界で言う下手物(げてもの)で、多くは淀川の三十石船に漕ぎ寄せて乗船客に飲食物を商ったくらわんか舟で使われた酒食を盛った雑器のこと。使い捨てであったとする説と、食べ終わった茶碗や皿の数で代金を数えたので、客はそれを川に投げ入れ、勘定をごまかしたとする説がある。今も淀川の川底から出てきて、世に「くらわんか茶碗」とか「くらわんか皿」といわれている。 |
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くらわんか皿 |
大阪・北浜のそば屋「手打ちそば三十石」の箸袋が三十石文庫Aとなっていて、淀川の蕎麦切舟の歴史を掲載していて、その中に当時の蕎麦切り舟が使っていたというそば鉢の写真も載せている。小さい写真であり判じがたいが陶器の世界で言う「くらわんか茶碗」の一種だろうか。 「下手物(げてもの)」という言葉がある。上等な美術工芸品などを「上手(じょうて)」「上手物」と言うのに対し「下手」「下手の物」と言い、素朴で力強い美しさを持ち、かつて日常使われていた簡素でも捨てがたい趣を持った雑器などをさす。この下手の代表格に古伊万里の「くらわんか」の皿や茶碗がある。古伊万里のほかに、大阪・高槻の古曽部で焼かれた古曽部焼も多く、さらに遠くは、長崎県の波佐見や愛媛県の砥部で焼かれたものもあるという。 |
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