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下手物  げてもの

    くらわんかの皿
 
「下手物(げてもの)」という言葉がある。「高価な精巧な品」に対する反対語として使われ、ときに下手物趣味などといって奇妙なものを好む場合の表現に使われたりする。しかし元々は、陶器など骨董の世界から出た言葉であって上等な美術工芸品などを「上手(じょうて)」「上手物」と言う。これに対する「下手」「下手の物」は、本来は素朴で力強い美しさを持った、かつて日常使われていた簡素であっても捨てがたい趣を持った雑器などをさす言葉である。この下手の代表格に古伊万里の「くらわんか」の皿や茶碗がある。くらわんか舟のなかには蕎麦切舟もあって、乗船客にうどんやそば切りを売り回ったという。その皿や茶碗が今も淀川の川底から出てくるそうだ。
 
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