有機農法の問題点その1

まず一つ目としては、非常に手間がかかることである。例えば、草引きの例を出すと、除草剤

をかけてないと畑の中は草がかなり生えてくる。それを抜くのにはかなり苦労する。他にも、殺

虫剤、殺菌剤を使わないのでその対策も考えなくてはいけない。

もし農薬を使わないなら10アールあたり約50時間除草に費やすことになる。農薬を使うこと

で除草の時間を25分の1に短縮することができ農薬の登場で農業が大きく変わったことを示

している。




有機農法の問題点その2

 2つ目は収入の面である。もし仮に有機農法で作物を生産できるとしても、それを市場が労

働力、それまでにかかった費用に見合った価格で購入してくれなければ意味がないというもの

である。市場においては品質が認められても、見かけ重視の側面があり、価格が正当に評価

されない。

 

形状
品種固有の形状で
最も優良なもの
形状が良好なもの
優に次ぐ物
色がもっとも良好なもの
色が良好なもの
優に次ぐ物
病害虫
不可
外観を損なわないもの
優に次ぐ物
損傷
不可
腐敗性でないもの
優に次ぐ物
果実の重量
果実の充実したもの
果実良好なもの
優に次ぐ物

市場機構の元では等級区分によって作物の価格が大きく変わる。当然のことながら、秀ない

し優の作物を生産することが有利な価格を実現する重要な手段となる。等級区分にいう秀

ないし優は形状、色、病害虫、損傷の無いものなり、このような厳格な等級基準で選択され

る限り、農薬技術を除いた生産は困難である。等級区分を高めるための農薬散布といっても

良い。みかんの色を良好に保つワックス処理という技術があるが、品質を低下させるという側

面があるにもかかわらず使われているのは、色を良好に保ち、市場価格を高めようとするに他な

らない。

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