プロフィール
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指揮 蔵野雅彦 プロフィール
1979
年東京藝術大学音楽学部器楽科をトランペットを専攻し卒業。トランペット奏者としての活動後1992年より本格的な指揮活動を開始。海外からの招請が多
く、歌劇場、教育機関より客演指揮者として度々招かれ好評を博す。2002年文化庁派遣芸術家在外研修員としてオーストリアに留学。国立グラーツ芸術大学
大学院指揮研究科に入学。オーケストラ指揮法をマルティン・ジークハルト教授に師事。またグラーツ州立歌劇場でも研鑽を積む。
1999年第13回京都芸術祭において京都府知事賞を受賞。また京都市より2000年に教育推進者表彰、2003年に教育実践功績表彰を受ける。
2004年1月には八幡市民音楽祭音楽監督として、マーラー交響曲第2番「復活」を指揮、また同年4月、ロシア屈指のオーケストラ、国立ノヴォシビルス
ク・アカデミー交響楽団の定期演奏会に客演指揮者として登場、マーラー、ヒンデミット、R.シュトラウスの作品を指揮する。指揮を小泉和裕、田中良和、伊
吹新一の各氏に師事。現在、京都市立音楽高等学校音楽科主任、京都教育大学および同大学院非常勤講師として後進の指導にもあたっている。 |
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バイオリン独奏 木下真希プロフィール
長岡京市出身。3歳より才能教育でヴァイオリンを始める。宗倫匡氏の指
導を受ける。日本クラシック音楽コンクール奨励賞受賞。'96年京都芸術祭に参加。
'97年京都市立堀川高校音楽科を弦楽科首席卒業。
'02年英国ギルドホール音楽院を卒業。在学中、学内でのヴァイオリン、室内楽双方においての成績優秀を受けて、高等クラスを受講。
'95年より毎夏、パリ・シャン城インターナショナル弦楽マスタークラスにて、またコルシカ島、フィンランド等で森悠子氏の講習会に参加。
エドワード・ウルフソン、イダ・ヘンデル、Z.Zetlinのマスタークラスを受講。室内楽をタカーチ四重奏団、ベリンジャー四重奏団、D.ドーランに師
事。'99、'01、'02年京都にてリサイタルを開く。これまでに、松村裕美子、田渕洋子、森悠子、故小国英樹、宗倫匡、橋本寿子、J.グリックマンの
各氏に師事。現在、奨学金を得てギルドホール音楽院大学院に在学中。ディビッド・タケノ氏に師事。2002年トリオを結成。また、「長岡京室内アンサンブ
ル」メンバーとしても米国、ヨーロッパ、日本各地で活躍中。 |
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ひこね第九オーケストラ サマーコンサートに寄せて
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「酒
場メキシコ」と訳されるこの曲の持つ独特の乾いた空気と、小節線を嫌うかのように自由に流れるメロディー、そして物憂げなほろ酔いの千鳥足と強烈なダンス
のリズムの対比は聴く者の心を惹きつけて離さないだろう。若くこれから未来へと羽ばたくこの“ひこね第九オーケストラ”のコンサートの幕開けとしては実に
ふさわしい。
コープランドの書法は、聴く人に心地よく、演奏する人には複雑で厳しい。その連続する変拍子を指揮する私は、音楽とは無関係のマリオネットの道化に映るかもしれない。
木下真希さんのヴァイオリンから、本日のお客様はその美しい音色とともに、繊細な表現と、考え抜かれた構成、抜群のバランス感覚を楽しんで
頂けることと思う。しかし私はきっと、彼女の心の奥に秘められた情熱を感じるだろう。近年私は、彼女のリサイタル、長岡京アンサンブルでの活躍に触れるた
びに、初めて彼女に会った頃を思い出す。高校生であった彼女は、当時から才能の片鱗を輝かせ、文字通り「栴檀は双葉より芳し」であった。今日は本物のメン
デルスゾーンが聴けると確信している。
ブラームスの指揮を任されることは、大変名誉なことである。指揮者となり多くのコンサートでブラームスを指揮させて頂いたが、振るたびに「こ
の作曲家の性格は歪曲している」と感じる。言いたいことを直接伝えるのではなく、むしろ全く逆の表現から「私の言いたいことが、作曲家の真意が分かる
か?」と、空の上から見下されているような気持ちになる。これは殆ど“罠”である。指揮、演奏するためには、作品に対するピュアな感性と深い洞察が不可欠
である。
だからこそ「決してブラームスの3番のCDを聴かないで」と、オーケストラの皆さんにお願いした。そのかわりに作品118の小品集を聴いて、人生
の終焉におけるブラームスの心の静けさを知り、弦楽六重奏の第2番を聴いて、その宇宙規模で広がる音楽と、封じ込められた恋の行方に思いを馳せ、最後の作
品コラールプレリュード「一輪のバラ咲きて」を聴いて、生涯を懸けて愛した女性の面影を心に刻んで欲しいと言った。皆さんの協力のおかげで常に新鮮な気持
ちで集中した練習ができ、そして今日を迎えることができたわけである。今こそ“Frei aber
froh”「自由にしかし楽しく」という主題で始まるこの曲を、共に心から歌い上げましょう。そして、願わくば、偏屈ブラームスの苦りきった顔を一瞬でも
微笑みに変えてやろうじゃないですか。
(指揮者 藏野 雅彦 プログラムより)
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演奏会に寄せて
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メンデルスゾーンのコンチェルトを始めて弾いたのは、中学生の時だったように思います。あの出だしのメロディーは小さな頃からの憧れでしたが、実際自分で奏でるとなると、なかなか難しく苦心した気がします。
今となっては、あやふやな記憶の一部ですが、その後も何度かこの曲をレッスンなどのために取り出していましたので、今回がその時以来の演奏ということでは
ありません。ただこうして皆さんと弾かせて頂くと言う事で、やっと日の目を見ることになったレパートリーには違いありません。
ロ
ンドンに住んで6年あまりが過ぎようとしています。と、今振り返って「え、もうそんなになるの?」と、自分でも疑いたくなるような「年数」ではあります
が、あっという間ではありました。ロンドンは、イギリス的というよりは、むしろインターナショナルというほうがふさわしい街です。学校もヨーロッパを中心
に様々な国の学生や教授が集まって
います。そんな中「音楽」と言う共通の言葉が、やはりどんなものをも超える最善のコミュニケーションの方法であると言うことを、何度も繰り返し感じてきた
留学生活でした。
留学生活の傍ら、日本では演奏活動をしてきましたので、日本を訪れる機会は毎年、年に2,3度ありました。そのたびに日本の文化の素晴らしさや、自分が普
通に身の回りにあるものと思っていたものへの、関心や感動が年々増しているように思います。人の温かさや誠実さ、結束力や底力、気配りや思いやり、そんな
言葉の重さや尊さを日本に帰るたびに感じます。ここに「音楽」と「情熱」が加わって、皆さんのようなオーケストラが生まれるわけですよね! 今日は本当に楽しみです。素晴らしい演奏会になることを信じて。 木下真希
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4月11日(日) 澤
4月18日(日) 高谷◎
4月25日(日) 高谷◎
5月 2日(日) 藏野◎(高谷○)
5月16日(日) 高谷◎
5月30日(日) 藏野◎(高谷○)
6月20日(日) 高谷◎
6月27日(日) 藏野◎(高谷○)
7月 4日(日) 藏野◎(高谷○)
7月11日(日) 藏野◎(高谷○)
7月18日(日) リハーサル 藏野◎ グランドホール
7月19日(祝) 本番 藏野◎ グランドホール
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今回は意欲的なプログラムに
なりました。エルサロンはオーケストラにとって難曲であることが、練習を始めてさらに痛感されました。練習の過程で音質的な部分、リズムの部分では相当な
レベルアップがはかられたと思いますが、本番の演奏では熱情的な表現までは至らなかったのが少し残念だったかもしれません。メンデルスゾーンはとても細部
まで指示を頂いたのですが、それが十分消化しきれなかったように感じました。独奏の木下先生の透明度の高い音質と、素晴らしいテクニック、音楽性には感動
しました。ブラームスは良かったですが、2番、1番と演奏して、やはり陥穽に落ちるところはしっかり落ちていたかもしれません。アンサンブルの面で緻密さ
が若干不足していること、ブラームス的な濃厚さを出す弦の厚みが十分でなかったです。それだけ乗り越えるべきハードルはいつまでも高いから、練習する価値
があるのだとも思います。蔵野先生、高谷先生の指導のもと、練習も楽しくさせてもらえましたし、音楽的な練習への取り組みはオケにとって大きな糧となった
と思いました。 (cb.E.K.)
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