プレイヤーの行動によってストーリーが若干変化しますが、ここでは私がプレイした時のストーリーをそのまま書きます。
ネタバレですので、これからサガフロ2をやろうかな、と思っている方はお気をつけ下さい。

タイクーン・ウィル(1247年)


登場人物
 ウィル・ナイツ(27歳) タイラー(37歳) ラベール(28歳) ウィリアム(30歳)

 ラウプホルツのショップにて。
 ウィルは以前グラン・ヴァレで出会った女性と再会する。

ラベール
 「あら、あなた、やっと来たのね。

ウィル
 「君は・・・

ラベール
 「ラベールよ。忘れちゃったの?

ウィル
 「名前も聞いたかな? いったいどうやって谷を越えてきたの?

ラベール
 「あの後、運良くラウプホルツ公御用達の商人さんが通りかかったの。
  親切な人で、一緒に通らせてくれたの。

ウィル
 「そうか〜、やっぱり女の子は得だよな。
  僕があそこに立っていても、その商人は無視したろうからな。

ラベール
 「いいじゃないの、あなたも谷を越えられたんだから。
  で、ここからどこかへ行くつもり?
  それともラウプホルツが目的地だったの?

ウィル
 「ここから更に南へ下って、ヴァイスラントへ行くんだ。

ラベール
 「本当に!! じゃあ私も連れていって!
  ううん、嫌だって言っても、今度は付いていっちゃうからね!
(注:28歳ですよね?)

ウィル
 「しようが無いな。君は何しにヴァイスラントへ?

ラベール
 「ある男の人を探してるの。

ウィル
 「そうか、それで必死なんだ。分かった、協力するよ。

ラベール
 「・・・ありがとう。
(注:彼女は本当に兄のことを慕っていたと考えられます)

◆◆◆

 ヴァイスラントに辿り着く一行。
 そこでラベールの兄ウィリアムと出会う。

ウィリアム
 「あんたも他所から来たんだろう? びっくりしただろう?
  こんなにふんだんにクヴェルがあるとはね。
  さすがは術発祥の地ヴァイスラントだ。

ウィル
 「私はウィル。ウィル・ナイツです。大物を探しにここまで来たんです。

ウィリアム
 「へー、俺もウィリアムっていうんだ、偶然だな。 名前も目的も同じわけだ。

ラベール
 「兄さん!!

ウィリアム
 「ミッチ? ミッチなのか。大人になったなー。分からなかったぞ。
 
(注:設定資料集では、ラベールの旧名はミシェーラとなっています。)

ラベール
 「10年よ。兄さんが家を出てから。

ウィリアム
 「そうか、もう10年も経ったのか。忘れていたよ。

ラベール
 「帰りましょう。

ウィリアム
 「帰らないぜ。まだ目的も果たしてないんだ。

ラベール
 「目的? 出来もしないくせに。
  兄さんはいつもそう。口では大きい事言っても、本当にやったことないじゃない。

ウィリアム
 「うるせえな。そりゃお前みたいに出来は良くないさ。
  だからこそ俺にはクヴェルが必要なんだよ!

ウイル
 「まあまあ、二人とも落ち付いて。

ラベール
 「他人は口出さないでよ!

ウィリアム
 「お前には関係ねえ!

ウィル
 「ご、ごめんなさい・・・
(注:仲のいい兄妹です(笑))

ウィリアム
 「おい、あんた。クヴェルを探しに行くんだろう?
  だったら一緒に行こう。この南にメガリスがある。

ウィル
 「メガリス!! 本当ですか!

ラベール
 「ちょっと、メガリスって何よ?

ウィリアム
 「ミッチ、俺が説明してやる。
  クヴェルは遥か昔からあるんだ。古代帝国なんかよりもずっと昔からだ。
  どこの誰が作ったのか、分からない。
  そしてメガリスだ。これも古代帝国よりもずっと昔からある遺跡だ。
  どこの誰が作ったのか、分からない。
  クヴェルを作った連中がメガリスも建てたとしたらどうだ?
  実際、古代帝国はメガリスから集めたクヴェルで東大陸を支配したという。
  どうだ? 分かるか? 俺はとんでもないクヴェルを手に入れるかもしれないんだ!!

ウィル
 「しかし、メガリスは危険です。
  メガリスそのものがとてつもないパワーを持っていると父が言っていたそうです。
  メガリスというのは巨大なクヴェルの様な物だと。

ラベール
 「それじゃ、クヴェルの力に食われてしまうかも知れない・・・

ウィル
 「そう。 だからメガリスへ行って帰った者の話は少ない。

ウィリアム
 「危険だからこそ、見返りも大きいんだ。
  なあ、やろうぜ。氷原を一人で抜けるのは厳しいんだ。
  この村の連中は、この温もりに安住していて外の世界に無関心だ。役に立たん。

ウィル
 「私も行きたいんですが・・・

ラベール
 「いいわよ、行きましょう。さっさとメガリスへ行って、帰りましょう。
  それでいいわね、兄さん?

ウィリアム
 「おお、もちろんだ。
  いなかの連中が俺をタイクーン・ウィリアムと呼ぶ様が目に浮かぶぜ!!

◆◆◆

 メガリスの中心部まで辿り着いた一行。
 そこは不思議な空間だった。

ウィル
 「これは何だ?

ラベール
 「何・・・ これ・・・

ウィリアム
 「頭が・・・ 割れそうだ・・・

ウィル
 「みんな、しっかりしろ! ・・・頭が・・・ みんなを助けなきゃ・・・

 「・・・ィル・・(注:私はこの声の正体をコーデリアだと解釈しています。)

ラベール
 「ウィル!

ウィル
 「何があったんだ・・・ みんな、無事だったんだ。

ラベール
 「ウィル、ありがとう。助かったのはあなたのおかげよ。

ウィル
 「僕は何もしていないよ。

タイラー
 「いや、お前だ。頭が割れそうな痛みからお前が守ってくれた。そして、目が覚めた。

ウィル
 「そう言われても、本当に何もしていないんだ。
  皆が倒れて、何とかしなきゃ、助けなきゃって思ったけど、
  何も出来ずに自分も倒れてしまったんだ。

ラベール
 「兄さん、さっきの物を出してよ。どこに隠したの?

ウィリアム
 「今、出そうと思ってたんだ。別に隠したわけじゃない。
  これだ、クヴェルだと思うんだが・・・

ウィル
 「クヴェルだ。パワーを感じる。これはいったいどうしたの?

ラベール
 「あなたの手の中にあったのよ。

ウィル
 「わけが分からないな。とにかく、あの部屋は危険だから入らないようにしよう。
  先に他の所を調べてみよう。

ウィリアム
 「わかったぞ! このメガリスは思念を実体化するんだ!!
  俺は世界最高のディガー、タイクーン・ウィリアムだ!!

ウィル
 「やめろ! アニマを食われるぞ!!

◆◆◆

 アニマが暴走し、魔物化するウィリアム。
 一行は魔物から間一髪逃れ、メガリスの外に出る。
 湖を渡ると、魔物はもう追いかけてこなかった。

ウィル
 「まだ追ってくるか?

タイラー
 「もう追ってこないみたいだな。

ラベール
 「兄さん・・・

ウィル
 「諦めろよ、ラベール。アニマを食われたら、もう兄さんじゃない。

ラベール
 「ううん、あれ兄さんよ。だって、兄さん泳げなかったもの・・・ 兄さん・・・
 
(注:私の一番好きなシーンですね)

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