登場人物
ギュスターブ(16歳) フリン(14歳) レスリー(15歳) ケルヴィン(15歳) トマス郷のパーティーに出席するギュスターブ。
ギュスターブは王家の血を引くので、彼が出席することは何の問題もないが、
彼が連れてきたフリンという少年は身分の低き者であった。
フリン
「ねー、ギュス様。ホントにボクなんかが来て良かったの?
ギュスターヴ
「気にするな。トマス郷は心の広い方だ。
庭でつまみ食いしてるだけなら、何も言われないさ。
フリン
「みんなきれいなカッコしてるよ。なんか恥ずかしいな。
ギュスターヴ
「お前がそんな格好なのは、ここに呼ばれてくるような連中の責任だ。
恥ずかしがる必要があるか!
そんな事より、かわいい娘がたくさんいるぞ。お前は、そこらで何かつまんでろ。
◆
給仕している女性に近づくギュスターブ。
ギュスターヴ
「ねえ、君、名前は?
レスリー
「いらっしゃいませ。どうぞ、たくさん御召し上がりになってくだ…… ギュスターヴ?
ギュスターヴ
「? なんだレスリーか。ここで何してるんだ?
レスリー
「私はヤーデ伯の所で行儀作法の修行中なの。
ギュスターヴ
「行儀作法? お前が? はははは、そりゃトマス郷もケルヴィンも大変だ。
レスリー
「何笑ってるのよ。トマス郷には、いつも誉められてるわよ。
あんたこそ、また悪さしてるんでしょう。
ギュスターヴ
「もう、ガキじゃないぜ。なあレスリー、あそこのかわいい娘紹介してくれよ。
レスリー
「何で私が!
◆
何やら良さげなムード(?)にケルヴィンが気づき、そのことをフリンに尋ねる。
ケルヴィン
「あの二人知り合いか?
フリン
「あ、ケルヴィン。うん、グリューゲルにいた時に。
ケルヴィン
「そうか。レスリーはグリューゲルの名家ベーリング家の出だからな。
なあ、フリン、ギュスターヴはレスリーのことが好きなのか?
フリン
「え!? いつもケンカしてたけど……
ケルヴィン
「ふっ、ギュスターヴもガキだよな。
フリン
「……ねえ、ケルヴィン。最近しゃべり方がギュス様に似てきたよ。
ケルヴィン
「うっ…… 今朝もそのことで父上に注意されたばかりだ……
お前達が馴れ馴れしいからこうなるのだ。私の貴族としての品位が……
◆
レスリー
「あー、手で食べないでよ。下品なんだから、もう。
ギュスターヴ
「こうやって食うのが美味いんだよ。解ってないよな。
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