オゾンの材料学分野への応用
半導体の酸化皮膜形成への応用
材料分野では、純粋にオゾンの強力な酸化力を用いた応用はまだ少ない。
実用化されているものでは、半導体産業のシリコンウェハー上の素子間絶縁用に、より低温で酸化皮膜を形成させることへの利用程度であるが、この半導体上の絶縁皮膜形成用のオゾン利用は最近とりわけ活発である。
新しいオゾンの材料学分野への応用
この他、研究段階としてはオゾンを金属の湿式プロセスへの適用させ、イオンの相互分離、排水処理、新しい素材精製法の確立に関する研究が、西村と梅津らのグループにより報告されている(4)。
また、ステンレスの表面酸化処理への応用についての研究があり、オゾンを適用すると低温短時間で酸素酸化に比べ密度の高い酸化皮膜が得られ、表面汚れが少ないことが分かっている(5)。
この他には、酸化物超伝導体薄膜の作製に用いる分子線エピタキシー法で必要な酸化ビーム源としてオゾンを用いた研究も行われている(6)。
このように少しずつではあるが、材料分野に置いてもオゾンの酸化力に着目した研究が行われている。
参考文献
- (4) 西村忠久,梅津良昭,東北大素材工学研究所彙報,50,108 (1995).
- (5) 清水重雄,岩田信秀,八木崇晴,澤田英隆,馬場吉康,まてりあ,34,489 (1995).
- (6) S.Hosokawa,and S.Ichimura,Rev.Sci.Instrum.,62,1614 (1991).
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