オゾンガス利用研究

小川貴道


研究室では

 従来、高圧酸素によりを用いて酸化させたり、電気化学的に酸素を化合させたりするプロセスにより材料を酸素ガスと反応させるような大規模な化学プロセスを考えると、これにオゾンの酸化力を応用することを試みた研究はない。そこで、本研究室では新しい材料合成プロセスへの適用を考えて、高圧酸素圧下でしか合成できなかった金属および金属酸化物にオゾンを吹き付けることによって過酸化物等の合成を試みている。

 実際の実験に使用したのは酸素中では安定であるがオゾンにより容易に酸化されるAg、そしてその酸化物Ag2O。数多く知られているCr酸化物で最も安定なCr2O3。そして、それぞれに過酸化物の存在することが知られているアルカリ土類金属酸化物である。この他に溶鉄中へのオゾンの吹き付けを行い、現在主流を為す鉄鋼生産に用いられる純酸素吹き付けの場合と比較して炭素量低減効果を調査している。
 また、これらの実験結果からオゾンの酸化力を高圧酸素に熱力学的に換算し比較検討することも試みている。


以上、平成8年度京大修士学位論文第1章より。
以上に関連する学会発表

「オゾンガスによる過酸化物の合成」

1997年春の日本金属学会 講演概要New
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