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事故詳細

(事故No,19910303a)

 1991年3月3日午前9時44分頃、アメリカ・イリノイ州ペオリア発同州モーリン経由コロラド州デンバー経由同州コロラド・スプリングス行きユナイテッド航空585便ボーイング737-291(N999UA)が、コロラド・スプリングス空港へ着陸進入中に滑走路の南約7Kmの地点に墜落した。
 この事故で乗員5名、乗客20名、計25名全員が死亡した。ボーイング737では51件目の事故となった。
 事故機は高度1000ftまで正常に降下してきたが、突然右に傾き、裏返しになった後で機首を下げ、垂直に近い姿勢で墜落した。姿勢を崩してから墜落までは僅か33秒であった。
 本件の事故原因について、NTSBは事故調査報告書において山岳波に伴うローターに巻きこまれた可能性を示唆したが、これを原因として確定することは出来なかった。
 本件事故の真の原因については、1994年9月8日のUSエアーの同型機の事故の調査の中で明らかになった。方向舵アクチュエーターのサーボバルブのセカンダリースライドが一時的に固着することにより作動油が逆に流れ、方向舵がパイロットの入力とは逆方向に暴走する状況(ラダーリバーサル)となり、機体が制御不能になったことが分かった。FAAは2000年9月、ボーイング社に同型機の方向舵制御システムの設計見直しを指示した。

◎関連文献(刊行年順)
著者名書 名出版社刊行年頁 数
メアリー・スキアヴォ「危ない飛行機が今日も飛んでいる(上)」草思社1999年92頁〜95頁
加藤寛一郎「墜落 第三巻 機体異常」講談社2001年82頁〜113頁
上記文献のうち現在も流通しているものについてはこちらで入手できます。
 


(C)1999-2003 外山智士
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