事故詳細

(事故No,19581017a)

 1958年10月17日、中国・北京発ソビエト連邦(当時)オムスク経由ロシア共和国モスクワ行きアエロフロート航空のツポレフTu-104A(CCCP-42362)が、モスクワの東約650Kmの同国ロシア共和国カナッシュ近郊で墜落した。
 この事故で乗員9名、乗客71名、計80名全員が死亡した。
 積乱雲からの強い乱気流に遭遇した事故機は、極端な機首上げ状態となり、失速、回復できないまま墜落した。人工水平儀が機首上げにより上手く作動しなくなり、機体の姿勢をパイロットが把握できなくなったのが回復不能に陥った原因であった。機長は失速状態に陥ってから墜落まで、状況を克明に語り続けたという。この記録が事故原因の完全解明に大いに役立った。本件事故の2ヶ月前の1958年8月15日に発生した同型機の事故と全く同じ原因であり、同型機の設計に問題があることが明らかになった。本件事故のあとツポレフ104型機は水平安定板などに構造的な改良が施され、人工水平儀も予備のものが追加されることになった。


(C)2001 外山智士
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