格安航空券の販売で名を馳せた大手旅行代理店のエイチ・アイ・エスが、規制緩和の流れを受けて、国内線市場に競争状態を生み出し利用者便益の向上に資することを目的に、1996年11月12日に設立した新興航空会社である。1998年9月19日、羽田−福岡線を開設し、ボーイング767‐300ER(JA767A)で運航を開始した。同社の経営手法は既存の航空会社のあり方とは一線を画し、話題を呼んだ。航空機はリースで調達し、整備は全日空に全面委託、機内のコンフィギュレーションも日本航空、全日空の同型機よりも40席近く多く配置して309席とした。さらに、機体の塗装も胴体部を広告スペースにするなど低コスト高収益を追求し、収益を低運賃で乗客に還元しようとする取り組みが、安価な移動手段を求める利用者に評価された。同社の参入に危機感を募らせた国内航空他社は、同社の参入路線のみを大幅に値下げしたり、整備の委託契約の更新を渋るなど、敵意をあらわにした。しかし、各社はスカイマーク潰しという小手先の対応だけをとることなく、国内線低コスト低運賃化への取り組みを本格化させた。低コスト化にあたっては安全性の確保に疑問の声もあり、今後の同社と同社を取り巻く他社の動向に注目したい。
これまでの使用機材