Q&A

私はメールが苦手です
何せ文章を書くのが苦手で考えた事をポンポンっと打ててしまうイマドキの方が羨ましくてしょうがありません。そんな私ですからお客様から頂くお問い合わせやご質問のメールのお返事には頭を抱えてしまう事も少なくありません。ただでも文章が苦手な上にプロとしての意見やアドバイスを求められますからそれなりの責任を持った発言が求められる訳ですし、質問下さった方がどの程度ギターの事を理解しておられるのかもメールでは分かりませんので極力誤解無く伝わるような文章を考えるのに悶絶する事もございます(^_^;)
時にはメールの返事を打つのに何時間も掛かってしまう事も…
作業が詰まっている時は非常に辛いのでございます(T_T)
そこでせっかくなので皆様から頂いたご質問のやり取りから他の方にも
参考になりそうな物を幾つか選び出して公開する事にいたしました
尚、ご質問を頂いた方にはご許可を頂いてはおりませんが匿名のお客様と云うかたちで記載させていただきます。もし問題があるようでしたらその旨ご連絡下さい。直ちに削除させて頂きます
それからこのコラムを読んで「この人何でも答えてくれるんだ」と「生協の白石さん」扱いされては困ります。文章が苦手ながらも悶絶しながら貴重な時間をかけてお返事させて頂いておりますので、どう考えてもこちらの利益に繋がらないようなご質問はご遠慮下さいますようくれぐれもご理解お願いいたします


:ギターのリフィニッシュを考えていますがパーツ取り外し〜はピックアップまでとるんですか?もしブリッジやらセレクターやノブ程度なら自分で取れるかなと思うんですが。ネックの取り外しも行いますか?

:お問い合わせの件ですが
パーツはずしの作業は全てのパーツをはずして"裸”の状態にすることです。ノブやブリッジだけをはずして持ち込まれても残念ながら料金はかわりませんね。全てはずして再組み込みもご自分でされる場合は当然この費用は要りません
安く済ませたいのであれば塗装剥がしもご自分でチャレンジされてはどうでしょうか?ウレタン塗装は剥離剤と云ったケミカルが利きませんので我々プロでもサンドペーパーで削り落とすと言った地味な作業でいたします。ですのでサンドペーパー、当てゴム(ホームセンターで手に入ります)さえあれば簡単に出来ます。ただし、時間と根気は相当に掛かると覚悟して下さい。コツとしては初めは荒い番手(#100くらい)から初めて木肌が見え出したら#150→#240→#320と徐々に細かい番手にしペーパー傷を取りながら仕上げてゆきます。ちなみに当工房のリフィニッシュ料金は他店よりかなり高めだと思いますのでほかの工房にも問い合わされてみてはいかがでしょうか?もっと安く出来るところがあるかもしれません


コメント:なるべく修理代金を安く済ませたいと思われるのは当然です
ですので、ご予算に合わせた修理方法やこの例のように素人さんでも出来るような作業はご自分でしていただくようにご指導したり、場合によってはこちらのお店の方が安いようですと他店へ誘導する事もあります
ピックアップ交換の時などは今時はネットショップの価格の方がウチの入り値よりも安い事が多いのでピックアップを持ち込んでいただく事をお勧めしています


:一つ相談させて頂きたいことが御座います。
(実際に見てみないと簡単に答えられる内容では無いかもしれませんが、ご了承下さい。)現在のメインギターとして△△社 の○○と云うギターを使っています。このギターは、△△社オリジナルのフロイドローズタイプのブリッジでザクリがあり、フローティング状態になっています。
造りも悪くないギターだと思っているのですが、いまひとつ、サスティーン不足になやんでいます。ローフレットの方では気にならないのですが、9Fあたりからハイフレットで、イマイチ音が伸びません。他に、ベタ付けのフロイドローズタイプのもので、Musicman Axis EXやSchecterのSD-IIというギターなども使っているのですが、これらのギターと比べると、2/3程度のサスティーンしか無い感じです。以前、Ibanezの10万円程度のRGを使っていた時も、○○の様にサスティンはイマイチでした。
フローティングではこんなものというのであれば、諦めも付くのですが、
Joe SatrianiやSteve Vaiなど、フローティングでも十分なサスティーンを出している方々も沢山いますし、同じギターを使っているFirehouseのギタリストや、○○社ユーザの山本恭司さんもしかりです。


:ご質問の件ですが、実際お答えし辛い問題ですね
やはり現物を見てみないと…しかし、お教え頂いたセッティングなどを見る限りはそこには問題要素は無い様に思われます。ひとつ言える事は○○はジョイント方法が特殊でこの特殊なジョイント方法はネックのジョイント部付近に極端に負担が掛かる構造で偶然ちょうど今この機種を修理していますが、このギターの場合はジョイント部分からコックリとネックが曲がっています。ネックのジョイント強度の劣るギターはネックが無駄に共振を起こす可能性が高くなり結果、弦振動に干渉しサスティンが無くなると云った症状に現れることがあります。或いはそう云った構造上の問題だけではなくて個体差と云った事もあります。そう云ったギターの構造、個体差でのサスティンの問題である場合その改善は非常に困難です

現在しておられるセッティングについてひとつお聞きしたいのですがトレモロのバネは現在何本張られていますか?現在2本張りの場合はバネを一本増やして3本張りにすれば多少の改善はあるかもしれません(もちろんその後はバネハンガーのネジを調整してフローティング調整をしなくてはいけませんが)フローティングブリッジの場合、ピッキング直後の振動でブリッジが振動し弦振動に干渉します。これを少しでも少なくするためにバネを増やしてブリッジが振動しにくくするわけです。(その結果、アーム操作は重くなってしまいます、大きくアームアップするとバネが外れると言ったことになるかもしれませんが…)私が出来るセッティング上のアドバイスはこれくらいでしょうか。簡単で申し訳ありませんが以上が私の見解です



:早速、丁寧な返信を頂きありがとうございます。
○○のジョイントは、確かに他のギターとは違いますね。ディープジョイントなので、しっかりしているとは思っていたのですが、極端に一部に負担がかかる構造なのですね。アドバイス頂いたスプリングの件ですが、今は3本にしています。元は2本斜め掛けにしていたのですが、フレットのすり合わせをした時に、「3本まっすぐにした方がチューニングが安定する」と聞いて、3本に変えました。やはり、個体差などもあるのかもしれませんね。
個人的には、ネックが薄いせいもあるかなと思いつつ、ブリッジの重量が軽いなどが原因で、オリジナルのフロイドローズにして、サスティーンブロックを重いものに変えたりすれば改善するのかもなどと思っていたのですが、その前に、調整で改善できないものかと思い、O2Factory様にご相談させて頂きました。サスティーン以外は、とても気に入っているギターなので、何とか改善できないものかと思っていたのですが、簡単ではなさそうですね。一般論として、最後にもう1つだけ、アドバイス願えませんでしょうか。フローティングしている場合としていない場合で、音やサスティーンには大きく影響するものなのでしょうか?
例えば・
フローティングしていると若干サスティーンが短くなる
・フローティングしていると、音が軽くなる?
など。
以上、よろしくお願い致します。


:先ほどちょうど今同じギターを修理していると言いましたが今そのギターの修理を終えて最終チェックしておりましたがやはりサスティンは少ないようですね。音が「ワンワン…」とうねりながらドスンと減衰するあたりはやはり共振干渉のようです。このモデルに共通する症状なのかもしれませんね。

> ○○のジョイントは、確かに他のギターとは違いますね。
> ディープジョイントなので、しっかりしているとは思っていたのですが、
> 極端に一部に負担がかかる構造なのですね。
いえいえ、これはディープジョイントどころか超極浅ジョイントです。私が○○社の開発部に居たなら絶対に採用させないような構造です。工場のほうも製造段階で強度不足に気が付いたのかボルトオン・ジョイントにもかかわらずジョイントパーツの一部とネックの一部が接着剤で接着されていました。こんなことではこの構造の強度不足は補えないのですがねぇ(^_^;)

> 一般論として、最後にもう1つだけ、アドバイス願えませんでしょうか。
> フローティングしている場合としていない場合で、音やサスティーンには
> 大きく影響するものなのでしょうか?
> 例えば
> ・フローティングしていると若干サスティーンが短くなる
> ・フローティングしていると、音が軽くなる?
> など。
先ほどのメールでも書きましたが、フローティングするとブリッジが共振して振動干渉しますのでサスティンが少なくなったり、アタック音が震えたり(2本バネセッティングの場合よくおきます)音に芯が無いようなニュアンスになる(これを“軽くなる”というのでしょうか?)と云うようになる傾向にあるといえます。しかし、今回の件はネックの共振が原因であると思われますのでブリッジのセッティング云々はあまり関係ないように思います。こんなところでよろしいでしょうか?

コメント:文章中は件のギターのメーカー・機種名は伏字とさせていただきました。本当ならばこんな構造のギターを堂々売っているメーカーは実名で非難したいところなのですが、このギターを気に入って宝物にしている人もいるでしょうから宝物にケチを付けてしまう結果になりかねませんので伏字とさせていただきました。ひとつだけ言っておくと、このメーカーの名前は楽器を知らない人でも内外問わずほとんど人が知っているような大企業です。それから振動干渉、所謂デッドポイントですがヘッドに重量物を付けてデッドポイントを指板外に逃がすと云うような方法を取る人もいるようですが、全く効果が無い場合もありますし効果が出ても1,2フレット分ずれるだけで意味が無い事がほとんどです。ギターの構造上の理由で出るデッドポイントは今のところ私の中では解決不能と云う結論に達していますがひょっとするとこれを解決する技術を持っているリペアマンもいるかもしれません。また、この例のように「ワン・ワン・ワワワワン」と云う風にうねりながら減衰するのではなくアタックが鼻づまりのようになって響かない(当然サスティンも無い)場合はフレット浮きの可能性も考えられます。この場合はフレット浮きを修理する事で改善できます。



イントナットをご用命のお客様には気に入らなかった時に元に戻せる2ピースタイプ(通常のナットにイントナットになる部分を貼り付ける構造)と指板の一部を削って幅広のナット材で構成する1ピースタイプ(元には戻せなくなります)のどちらかを選択していただきますが、1ピースタイプの方がシッカリ・スッキリしているのだけど元に戻せないと言う部分に引っかかり悩む方も多いのですが次のお客様もそんなお一人でした。

:正直申し上げて、イントナットを気に入らなかった場合に戻すことのできる他のパターンも、その「気に入らなかった場合」を考えるとどうしたらいいものか悩みますね。ただ1ピースのイントナット開発までに至ったということは勝手ながら、ある程度までイントナットを確立したからだと想像するのですが、その辺はどうなんでしょうか?

:そう云う事はありません。
選択肢を広げたかっただけです。私がイントナットを確立したと思った所でプレイヤーが納得できなければそれはただの自己満足でしかありません。私はプレイヤーが自身で考え選ぶという事を重要視しております。世間のリペアマンは「こだわり」と称して自分の理屈を押し付ける方が多いようですが、私は何より大事なのはプレイヤー本人の「好み」であると思っております。故に、他のリペアマンのように「指南」などと云った事はいたしません。カリスマリペアマンに指南されたくて来店くださる方もいらっしゃいますが、そう期待されてご来店されると肩透かしくらいますよ!私は「こだわらないの職人」ですんで(笑  (だいいちカリスマでも無いし(^_^;))


コメント:修理方法に選択肢がある場合、リペアマンである私にはアドバイスは出来ても決定権はありません。というか、「自分で決める」と云う事をして欲しいのです。この仕事をしていて思うのですが自分で物事を決められない人が多すぎです!多分それは楽器好きの人に限った話ではなく世間一般でそう云う人が多くなっているのではないでしょうか?真実は決してひとつでは無いと思いますし、その真実とは人それぞれの心の中にあるのだと思います。何を選んでも自分で納得できる結果であれば誰がなんと言おうと“真実”なのです。人生の中で選択に迷う事が一体何回あるでしょうか?迷う事無く人生を生きる事など決して出来ないのですからギターの事ぐらいちゃんと自分で決めましょうよ!
ちなみにですがこの例のご質問者の方は実はその逆でまさに「我が道を行く」タイプの人でした。正直ギターを見た時は元が見えないくらいシールだらけの外観にハァ?と云う感じでしたが(失礼!)演奏スタイルはそのギターからは想像できないタック・アンドレスばりの演奏をされる方でした。逆に「何でこの演奏でフルアコじゃないの?」と無意識に感じてしまった自分を「既成概念に囚われてるなぁ」と恥じました(^_^;)

:ギブソンレスポールスタジオを所有しているのですがボディからヘッドまでバインディングを取り付けたいと思っています。バインディングの取り付けお願い出来ますでしょうか?お見積もってどれくらいでしょうか?よろしくお願いします

A:お問い合わせの件ですがご希望の改造にはバインディング加工以外に加工後の再塗装、フレット・ナット交換が必要です。なぜフレット・ナット交換が必要になるかというと指板サイドにバインディング加工する時にフレットとナットが邪魔になりますので一旦抜いて、バインディング加工してから再び打ち直す必要があるのです。その時にはフレットもナットも新しいものを使用します。上記の内容でお見積もりしますと
◎バインディング加工
シングルセル(レスポールスタンダードタイプ)・・・・・・・60,000円
カスタムセル(レスポールカスタムタイプ)・・・・・・・・ 120,000円
◎リフィニッシュ(例:ワインレッド・オールラッカーの場合)128,000円
◎フレット・ナット交換・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・46,100円
総額で言うと234,100〜294,100円といったところです
ただ、ボディ・ネックの色で価格は変動しますので
この価格が最低ラインと思ってくださって結構です

恐らく他のリペアショップにも問い合わせされておられると思いますが、当店の見積もりは他店よりだいぶ高いのではないかと思います。私の考えとしては「ギターは道具」であり道具としての機能を取り戻すような修理、例えばネック折れのような修理は他店よりかなり安くしておりますがバインディング追加のような道具として使うのに必ずしも必要でないオーナーのコダワリが主な目的のような修理は、他店よりもかなり高くさせていただいております。「それだけコダワルならこれくらいの価値観は持ってもらおうか」と云う事です。これに関してはボッタクリと言われても構わないと思っております


コメント:この手のお問い合わせを下さる方には大抵この様にお答えします。かなぁ〜り失礼な奴ですよね(^_^;)  しかし、「カモとリトマス試験紙」でも書きましたが理解できないリペアは理解できない結果にしかならないと思っていますので、出来る事ならお受けしたく無いと思いますし、世の中にはこの手の仕事が大好きなリペアマンも沢山います。そう云ったリペアマンならあなたのご希望を目を輝かせて聞いてくれるでしょう



:僕は今高校3年生でギター職人になりたいと思っている○○と言います。ギタークラフトの専門学校などもありますが、ぼくはどこかの工房などで弟子や見習いとして教えてもらえればと思っています。Profileに○○工房(ギター修理専門店)に見習いとして入社とかかれてありますが、このとき木工などの専門的な技術を身につけた上で入社されたのですか。今では就職は難しいと思いますが、専門学校を出てから就職先を探したほうがいいですか。
アドバイスをお願いします。


:ご質問の件ですが、私は専門学校は出ておりません
それまで見様見真似で自分のギターや友人のギターを弄っていましたが当然専門的な知識などはありませんでした。ギタークラフト系の専門学校ですが、過去に専門学校卒業生を現場で指導したり、部下にした事がありましたが、専門学校で習ってきた事を聞くと、現場ではほとんど役に立たないような事が多かったですね。そう云った子達に作業指導すると「学校で習ってきたことと全然違う。岡村さんのやり方のほうが合理的だし仕上がりも良い」と、一様に言っておりました。中途半端な知識を持っている者よりは全くの素人の方が扱いやすい(「学校で習ったことと違う!」と上司に逆らう様な人もいるようです)と言う人もいますし、必ずしも専門学校に行く必要はないと思います。ただ、これは現場の人事管理者の考え方次第ですので、工場や工房によっては学校に行ってから来てくれ、と言われるところもあると思います

私は関東の某修理店の広告に書いてあった見習い募集を見て履歴書を送った事からこの世界に入ることが出来ましたが、私は修理店には7ヶ月しか勤められませんでした。労働状況の厳しさに7ヶ月しか続かなかったのです。私が見習いとして入る以前に居た見習いの人たちも、ほとんどは半年続かなかったようです。現在その修理店がどうかは知りませんが当時はそれほどに労働状況が厳しかったのです。数年前にとあるギター工場に指導に行きましたが、やはりいい雰囲気の現場ではありませんでした。どこの世界もそうですが「夢と現実には計り知れないギャップがあるもの」と云う認識を持っておいたほうが良いと思いますよ。
ちなみにですが、残念ながら当工房では見習いは募集しておりません。それでは頑張ってください


:お久しぶりです。以前就職について質問させていただいた○○です。あれ以降、見習いとして雇ってもらえるところを探していたのですがやはりなかなか見つかりません。そこで専門学校への入学を考えていますが、以前ギタークラフトの専門学校で学ぶことは現場で役に立たないことが多いとおっしゃっていたので少し悩んでいます。同じようなことを他の方々からも言われました。もし専門学校に行くとしたらギタークラフトの専門学校と木工の専門学校、どちらのほうが良いでしょうか。
ご意見を聞かせていただけるとうれしいです。

:こういったことは専門学校に行った人に聞くのが良いんじゃないでしょうか?私自身は専門学校には行っていませんし、現場から仕事を学んで行った人間ですから学校がどう役に立つか全く分かりません。ただ、ギタークラフトの学校では非常に少ないですが楽器業界からの求人が有るのは事実です。しかし、それを当てにして莫大な授業料を払っても無駄になる確率は非常に高いですし…本当に私には全く分かりません

私がこの世界で20年以上やってこられているのも結局何かといわれると謙遜でもなんでもなく「運」としか言えないからですし。私の経験上で確信を持って言えるのは結局「運だよ」しかありません。これ以上のアドバイスは私には無理です。申し訳ありませんがご了承下さい。



コメント:ある時期になると同じようなお問い合わせが必ずありますが、色々な理由があり当工房では人を雇うつもりはありません。ギターリペアマンやクラフトマンに憧れ夢見る気持ちは痛いほど分かります。私もそんな夢を持ってこの世界に飛び込んだ一人です。しかし、現実を考えるとかなり難しいものなのです。
メールの返事にも書きましたが私は仕事運に関してはかなりの強運者だと思います
実際、これまでギター関係の仕事を止めようか…と思う事が何度かありましたがその度に「ココを紹介したげるよ」とか「ウチに来ないか」などお声を頂き何とか現在もこの仕事を続けられています
また紹介頂いた職場もPGMなどこの世界では飛び切り信頼度の高い場所で、独立する時には今までのキャリアが私の大きなアピールポイントとなりました
こんな事は滅多にあるものじゃないと思いますし運無しには得られなかった物だと思っています

今までのキャリアの中で自分が得た技術は後世に伝えるべきとは思いますが、その時期は私がセミリタイア或いはリタイアする時になると思います




:すでにフレットが打たれているローズ指板のネックに、”フレット・ラウンドエッジ加工”&”指板サイド・ラウンドエッジ加工”を、して頂くことは可能でしょうか?

:基本的には可能なのですが、現在打たれているフレットのエッジが立っている(指板に対して垂直方向に立っている・フレットエッジに角度が付いていない状態)であることが条件です。現在打たれているフレットのエッジが寝ている(角度が付いている)場合角を取って成形しても球体状にはなりません。意味を理解していただけるでしょうか?
下記リンクのヴィンテージスタイルエッジ仕上げのようにフレットのエッジに角度が付いている事をエッジが寝ていると言うのですが…

http://www.eonet.ne.jp/~o2factory/viedge.htm

加工する場合、工賃は8,000円ですが、フレットの頂点が磨り減ったり、台形になっている場合はエッジだけを球形状に加工しても綺麗にはなりません。フレット擦り合わせ・成形と同時にされた方がより綺麗な仕上がりになりますので、フレット擦り合わせとセットで加工されることをお勧めします。この場合工賃はボルトオンネックの場合17,000円、セット・スルーネックの場合19,000円となります

コメント:“エッジが立っている”と言って一体どれほどの人が理解できるでしょうか?しかしこれしか言葉が浮かばないのです!!(T_T) 自分の国語力を恥じます!いや!国語力でどうにかなるものか!?金田一先生なら正確に伝えられると言うのか!?  本当に悶絶します
以前にもラウンドエッジの事をフレットの頂点を丸く仕上げること(ほら、もう理解できない人が出てるかもと不安になる!)だと勘違いされていて、メールのやり取りがちぐはぐで噛み合わなかった事もありました
目の前で指差してここがフレットエッジと言えば1秒で済むものを…


:今Fender JapanのST68-85TXを使っているのですが、指板R184Rで1/2〜1音チョーキングでかなりビリつきます。できるだけ指板のRを残したまま、一音半チョーキングしても音がビリつかないようにしたいのですが、どれくらいのRが良いのでしょうか。

:お問い合わせの件ですが1音半のチョーキングで音詰まりしない指板Rというとおおよそ300R以上の指板Rが必要でしょう。ただし、弦高を低くセッティングする方ですともっと平らな指板Rが必要となります。そこで提案ですがナット側の指板Rは184Rのまま最終フレットに向かって徐々に指板Rが緩くなるように指板修正する方法はいかがでしょうか?ジャクソンなどが採用している手法ですがローポジションの演奏性とハイポジションでの音詰まりの解消を両立できる指板Rです。ジャクソンの場合はナット部で約300R、指板エンドで約400Rくらいですが、184R〜400Rというのも技術的には可能です。(ただしRの変化が極端なので返って違和感が出てしまうかもしれませんが…) どの程度の変化でまとめるかは実際に修理ご依頼いただいたときに現在のセッティングと合わせて調整すれば良いかと思います(指板R変更工賃はフレット交換工賃に含まれます)


:質問がありましたのでメールさせていただきました。
質問は、もしも自分でワーモス社のような加工済みボディ及びネック材(TEタイプ)を持ち込んだ場合、それを元にギターを製作していただくことは可能でしょうか?


:可能ですが、O2Factoryブランドのギターは特別に割安な料金でご提供させて頂いておりますので、そちらと比べるとだいぶ割高に感じてしまうかもしれませんし、持込のボディ・ネックですとO2Factoryブランドギターに適応しております保障や特典は適応できません。(もちろん当店での作業に対するクレームはお受けいたします) 
なお、お持込のボディ・ネックで組み込みする場合はO2Factoryのロゴマークを入れる事はお断りしておりますのでご了承下さい


:ミュージックマンEVH(ゴールド)なのですが、ボディTOPに直径4、5ミリくらいの打痕がありましてリペアしていていただくとお幾らくらいになりますでしょうか?

:打痕の場合、直径よりも深さが重要になります
木部まで達するほどですと部分塗装してもどうしても目立つようになってしまいます。塗装表面が凹んだくらいの浅い傷の場合は部分塗装で比較的目立たなくする事が出来ますが、修理跡はやはり残ります。工賃の方は作業の困難さで変わりますので正確には現物を見せていただかないと言えないのですが、おおよそ15,000〜20,000円くらいでしょう。完全に傷を消したい場合はTOPのみリフィニッシュするしかないと思いますが、EVHのゴールド(シースルーイエロー)は木肌に直に着色する手法を取っておりますので完全に元と同じ色に仕上げるのはちょっと難しくなります。TOPのみリフィニッシュの場合の工賃は38,000円となります

余計なお世話かもしれませんがギターは飾り物じゃないんで多少の傷は気にしない方が良いんじゃないでしょうか?一個傷が入るともう開き直って傷付けるのを気にせずに自由に弾けるようになった、なんて話は良く聞きますし、自由に弾き倒せる方が良い演奏できるような気がするんですけどねぇ(^_^;)


コメント:小さな傷の修理のお問い合わせの場合はいつもこのようなお返事をします。実は反感を持たれる方も少なくないんでしょうねぇ(^_^;)



:すいません、質問なんです。
グレコのバイオリンベースなんですがヘッドをウッドベース(コントラバス)のような形に改造してもらえますか?してもらえるなら、だいたいおいくら位かかりますか?


:ご質問の件ですが、かなり難しい作業になりますのでたとえ可能でも数十万の工賃になると思いますし、現在のトラスロッドアジャスターの位置などを考慮しますとウッドベースのような所謂スロッテッドヘッドにするとヘッド強度に不安が出ます。また、ヴァイオリンベースはタダでもボディが軽いのでさらにヘッドとの重量バランスが悪くなって弾き辛くなると思われますので私はお勧めできない改造だと思いますし、やはり強度を考えると後々になってヘッド割れなどのクレームになる可能性が大きいので技術的には可能でも当店ではお受けいたしかねます
良いお返事が出来なくて申し訳ありませんがご了承下さいますようお願いいたします


コメント:これはさすがにはっきりとお断りさせていただきました(^_^;)


:最近ボディのあたりからカラカラと音がするんですが、何かが外れてしまったのかなぁと思っています。もし、再組み込みになったら予算はどれくらいでしょうか?

:このご質問内容ですとエレキギターかアコースティックギターかも分かりませんし…(^_^;)
アコースティックギターならばサウンドホール(ボディに開いている穴)の中にピックや何かのクズが入ってしまっていたりしている事が多いのですが、その場合は中を掃除してください。エレキの場合はハンダのクズやごみがコントロールキャビティー(ボリュームが入っている場所)の中で転がっている事が多いのですが、その場合はフタを空けて中を掃除してください。それでも無くならない場合は現物を見て原因を探る必要があります。とにかく音の原因が分からない限りは処置の仕方も限定できませんので、その予算の見積もりは出来かねます


コメント:個人でネット販売をされている方とお話しする機会があったのですが、この問い合わせの話をすると、「ああ、『僕のギターにディマジオは付きますか』みたいな問い合わせはしょっちゅうですよ(笑」と仰っていました。問い合わせの際は最低でもどう云うギターか、くらいは教えてくださいますようお願いします


こうやって並べると仕事断ったり、説教がましかったり、ってな物ばかりですが、他のメールもすべてこんな感じではないですよ!
ちゃんと営業的にジェントルなご返答の方が多いハズです     ハズです…
前の記事 目次に戻る 次の記事
HOME


Mailお問い合わせ