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カツオのいろいろの補足
カツオは「回遊魚」です。世界の海を回遊していると言って良いでしょう。
現在、日本市場に入荷しているものは、次の3群と考えられています。
1.赤道のあたりで孵化したカツオが北上し、日本列島に添う形で北海道まで行く群、これが「近海生鮮カツオ」です。
2.上記のカツオが、日本列島の南部のどこかで東寄りに北上するようになる群、これが通称「東沖」と呼ばれる群で、脂肪の含有率が高くなります。
3.赤道のあたりで孵化したカツオが、北上せずに赤道周辺を回遊する。これが「南方ガツオ」と呼ばれる群。脂肪の含有率は低くなります。
なぜ、このような3群があるのかという点については分かっていません。
この3群だけでなく、他の群も有るのではないかという「可能性」も、必ずしも無いとはいえません。よく分かっていないのが現状です。
漁法について
1.1本釣りが有名です。鮮度の点では、この漁法が一番良いようです。
2.巻き網でも漁獲します。簡単に言えば、2隻以上の船で魚群を網で巻き、一網打尽に獲る方法です。
魚は、1本釣りより鮮度は落ちますので、この漁法で獲った原料魚は安いです。
この2つの漁法については、「近海生鮮カツオ」「東沖カツオ」「南方ガツオ」とも適用されています。

2000年8月12日追記 
  • 一本釣りと巻き網のどちらが「鮮度が良い」のかと言う点について、プロの漁業者の方からご意見を頂きました。こちらをご覧下さい。
  • 「カツオ漁法の優劣について」
冷凍処理について
「東沖」「南方」とも、獲った魚は船内で凍結されます。
いかに早く、鮮度を落とさずに凍結するかが勝負です。
したがって、船の冷凍処理能力が高い場合は、鮮度の良いカツオになります。
また、大量に漁獲された場合などは、容量の大きな冷凍庫を積んでいる船のほうが良いわけです。
凍結法で、一番すぐれている=鮮度が落ちない凍結法と考えられているのが、ブライン凍結です。
これは、一本釣りで漁獲したカツオを、−12度の塩化ナトリウム液に投入し、カツオの芯温が−12度まで下がると液から取り出し、空冷で品温を−50度まで下げて保存するのです。(B1と呼ぶ)
こうすると長期間鮮度落ちがせず、解凍した場合の色目も綺麗(赤い)です。
近海で漁獲されたカツオの場合、鮮度が良い状態で水揚げされ、それをトンネルフリーザーで凍結させる「陸凍」というのもあります。
これは、B1より価格は安く味が良いのもあるのですが、鮮度にバラツキがあるため、しっかりした選別を行っているメーカーの製品を選ぶ必要があります。

カツオタタキについて
上記の、冷凍の原料を使用して「カツオタタキ」を作ります。
ご存じのとおり、「カツオタタキ」とは、皮付きの生のカツオの表面を焼いたものです。焼くことによって皮の脂を身に含ませることになり、美味しくなるのです。
「朝焼きタタキ」が美味しいと言われますが、表面は焼けていても中は「お造り」ですから、早く食べたほうが良いのは当然です。焼いてから時間がたつと味は落ちていきます。
カツオタタキの焼き方
1.藁焼き---高知で行われており、一番美味しいと言われています。ただし、全工程を藁で焼くところと、ガスで焼き、仕上げだけ藁で焼くところがあるようです。
当然、味は違いますので、買うときには注意が必要です。(藁だけで焼いているのはかなり高く、高級品扱いになっています。)
2.炭焼き---焼津をはじめ、各地で行われています。これについても、全工程を炭で焼くところと、ガスで焼き、仕上げだけ炭で焼くところがあるようです。
やはり、炭だけで焼いているほうが美味しいです。当然、このほうが価格は高くなります。
「藁焼き」や「炭焼き」の表示があり、値段の安いものは、工程の一部だけがそうであるといっても過言ではないと思います。
3.ガス焼き---ほとんどが「遠赤外線方式」で、一番多い焼き方です。焼き方を表示していないものは、ガス焼きだと考えて良いでしょう。
ガス焼きだから、炭焼きや藁焼きより美味しくないというわけではありません。
良い原料を使えば、原料の悪い炭焼きや藁焼きより美味しいものができます。
1本釣りの原料を使うのか、巻き網の原料を使うのかで、味は変わってきます。当然、1本釣りのほうが美味しいです。
ただし、1本釣り物は巻き網物より原料価格が高いですから、タタキ製品も当然高くなります。
いずれにせよ、カツオタタキも、「味」と「価格」は比例すると思ったほうが良いでしょう。



湖南アルプスの麓から

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