アサリについて(2)


アサリ・・・上手な砂のはかせ方  アサリについてへ
みなさんは、貝(特にアサリ)の砂をはかせるとき、塩水の中に貝を入れ、そこに包丁を入れておられることと思います。(若い奥さんは、そんなことはしてないかな。)

このやり方は、昔から伝わるやり方です。でも、これは全くの「迷信」で、なんの効果も無いのです。
じゃあ、どうしたら、上手に砂抜きができるのでしょうか。

アサリの住む海は内陸性で、かなり塩分の薄いところです。
科学的に言いますと「20パミール」前後の塩分です。
  「20パミール」とは、1リットルの水の中に食塩20g前後をとかした状態(正確には、食  塩以外の塩類もとけている。)

そこで、この20パミールの塩水を作り、そのなかにアサリを浸しておくと、海水に入っているのと同じ状態になります。
そうするとアサリは、自分が本来の住みかである海に戻ったと勘違いして、水管を伸ばしてチュチュと水をはき始めます。

こうなればしめたもので、アサリの体内の砂は30分から1時間ほどで、ほとんどが外にでてしまうのです。

注意点
  1. アサリを入れた入れ物にはフタをしておきましょう。そうでないと、アサリのはく水で、そこらじゅう水浸しになりますよ。
  2. アサリは生き物です。元気なやつも疲れていて元気のない奴もいます。上記のやりかたで、ほとんどの貝が砂をはきますが、なかにはへそ曲がりな貝もおり、砂を大事に体の中に残している奴もいるようです。この点は、注意して下さいね。
  3. アサリは、加熱調理すると殻を開きます。この時に、蝶番の部分が壊れる事があります。どこかが実験したらしいのですが、蝶番の部分が壊れる確率は5%〜20%と、かなり高いようです。壊れた場合、欠けた貝が身肉につき、これを食べると「砂」と同じ感触になります。

アサリは、夏場「冷眠」という状態で、保存・流通されます。
「冷眠」とはなにか
  • 特に「夏場」に鮮度を保たせる方法で、パック内水温を1〜5度くらいに保ち、アサリの活動を抑えること。
  • 「冷眠」状態にすると、アサリは運動せず、そのため呼吸量が減少、より長く鮮度を維持することができる。

「冷眠」状態のアサリは、パックごと30分〜1時間程度水道水に浸しておくと再活動します。ただし、再活動したアサリは鮮度落ちが早いので、早めに調理して食べることが必要です。

「冷眠」状態のアサリと死んだアサリの違い(見分け方)
  • 見た目では、どちらも「貝が半開き」「水管が飛び出している」ため、わかりにくいです。
  • 判断方法は下記の通りです。注意して見てください。
    1. 冷眠状態
      • パック内の水が濁っていない。
      • パック内の海水や貝に腐敗臭がない。
    2. 死貝
      • パック内の水が濁っている。
      • パック内の海水や貝に腐敗臭がある。

お魚情報館
.
Copyright(C) Jan 21,1999 by Toshio Yabe. All rights reserved