アサリについて


アサリについて  アサリについて(2)へ
アサリは、シジミやハマグリと並んで、日本人にもっとも好まれている貝の一つです。
食べて美味しいのはもちろんですが、初夏の海辺の風物詩としての「潮干狩り」でも親しまれています。
日本中に分布していて、淡水の流れ込むような内湾の干潟に住んでいるのですが、海岸の開発や海水の汚染によって生息域が減少しています。
そのため、韓国や中国から大量に輸入されているのが現実で、「国内産」と表示していても「輸入物の稚貝」をまいて「養殖」したものである場合もあります。
国内産アサリのを主産地は、三重県・熊本県などです。舞鶴でも獲れていますね。

アサリが美味しいのは春先
アサリが美味しいのは「春先」です。(と、私は思っています。)
しかし、これにはいろいろな意見があります。
アサリの産卵期は「7月から8月」ですので、6月頃は産卵準備のため体内に栄養を蓄え、グリコーゲンが増えて美味しくなります。
ある本には、「秋から冬までが食べ頃で、晩春から夏の間は食べない。」とあります。
理由としては「貝毒」をあげています。
私の経験でも、毎年5月連休前後に、中国地方の某県の某海域(いつも同じ)産のアサリやカキに貝毒が発生し、対処に追われています。(昨年は無かったようですが。)
この問題が新聞やテレビで報道されれば、貝毒が発生した産地以外の産地の貝であっても、売れ行きは激減します。
貝毒は、貝の餌となるある種のプランクトンに食中毒を起こす毒素を持ったものがあるからで、このプランクトンを食べた貝から毒素が検出されます。
このプランクトンは、ある一定の海水温を好み、海水温が変われば死滅します。
したがって、貝毒が出た海域の貝がいつまでも毒を持っているというわけではありません。
この辺のことについては、貝毒が発生した地域の公的機関より「安全宣言」などが出されるので、それに基づいて利用すれば安心です。
なお、この「美味しい時期」は、身に栄養が回っている反面、カラには栄養がいかずに「薄く」なっている貝があります。
そのため、カラが割れやすくなっています。食べる立場からすれば、この点も知っておいた方が良いでしょう。
酒を呑んだ後の「アサリのみそ汁」は、口中をさっぱりさせて実にさわやかです。酒のみの人には、絶対におすすめの料理です。

お魚情報館
.
Copyright(C) May 31,1997 by Toshio Yabe. All rights reserved