家庭教育誌「ないおん」は、教育・子育ちをテーマに毎月こころのお便りをお届けしています

ないおん6月号(2026年6月1日発行)は

比べてみつけたしあわせは 比べることで消えていく

以前、あるお寺の掲示板に貼られていた言葉です。私たちはことあるごとに誰かと比べ、誰かと比較するなかに、しあわせを感じながら生きているのではないでしょうか。そして誰かと比べることで得たしあわせを、ギュッと握りしめながら生きているような気がします。
しかし、誰かと比べてみつけたしあわせは、また他の誰かと比べた瞬間に消えていく、どこまでも相対的なものでもあります。そのような比較のなかで得たしあわせの延長線上に、残念ながら本当のしあわせは出てこないのかもしれません。
では私にとって本当のしあわせ消えることのないしあわせとは一体、何なのでしょうか。それは、
「あなたのいのちは、他の誰とも比べようのない、かけがえのないいのちであり、大切ないのちである」とご覧くださる、仏さまのまなざしを通して感じられるもののように思うのです。相対的で壊れやすいしあわせのなかだけで生きていくのではなく、何があっても壊れることのない、変わりようのない仏さまのまなざしのなかに生きていく安心の人生。それが決して消えることのない、まことのしあわせをいただいた人生であると受けとめています。

人生には陰の支えがはたらいている
それを「お陰さま」という
お陰さまに感謝しよう

この言葉もお寺の掲示板で出会った言葉です。「お陰さま」という言葉は、先人方が大切にされてきた言葉のひとつですが、昨今、若い世代の方々が使わなくなってきた言葉のようにも感じます。現に十代や二十代の方々に、「最近この言葉を使ってる?」と聞くと多くの方々は「使っていません」と答えられます。
しかし私たちの人生は、眼では確認することのできない、無数の陰の支えなしには成り立ちません。「お陰さま」という言葉は、その事実を私たちに教えている大切な言葉であると思うのです。
先日、義兄の住職継職法要が勤まりました。その法要の折、新たに住職となった義兄をはじめ、法要に関わってくださった方々や記念のご法話をしてくださったご講師など、お話される方々が皆おっしゃっていた、「先人のお陰さまで今日のこの日を迎えることができました」、「先人のお陰さまでこの教えに遇うことができました」という言葉がとても印象的でした。 私は決してひとりで生きていくことなどできません。様々な「お陰さま」のなかに、不思議にも今日の私の人生があるのです。そのような「お陰さま」の世界に心の視野を伸ばしていくこと、そこに自ずと感謝の心は育まれていくように思っています。
(赤井 智顕)

育心

「仏さまのものさし」は、誰にでも優しい。   超勝寺住職・著述家/大來尚順

今月の『育心』は、大來尚順先生のお話で、「アンコンシャスバイアス(無意識の思い込み)」について学ばせていただきました。
「K君は、全くお話が聞けなくて困ってしまいます」。当時、4歳児を担任していた私は、こんな悩みを主任の先生に相談しました。
しかし次の日、主任の先生は、私のクラスの様子を見に来て、「K君は、お話を聞く力はあると思うよ」と仰ったのです。
そして、主任の先生のアドバイス通り、話し始めるタイミングや環境を工夫してみると、K君はしっかりと話を聞いてくれたのです。
どうすれば、子どもたちが集中して楽しく話を聞くことが出来るのかを考えもせず、自分の保育の未熟さを棚に上げて、「K君は、話を聞けない子」と勝手に決めつけていた愚かな私でした。
「落ち着きがない子」「神経質な子」「乱暴な子」など、保育はアンコンシャスバイアスが働いてしまいがちな現場です。
だからこそ、「仏さまのものさし」を大切にして、自分勝手な思い込みを手放していくということを、心に留めなければならないですね。
目の前の子どものありのままを見つめていきたいと思います。

レッツゴー!保育カウンセリング14

お母さん、お父さん 語ってよ   
子ども家庭教育フォーラム代表・教育心理カウンセラー/富田富士也

2ページ目は、富田富士也先生のシリーズ〈レッツゴー!保育カウンセリング〉です。
『「個」は、人と人との生身のつながり「縁」のなかで育まれているのです。だから日々の生活で「自我」にとらわれて苦しんだら、「縁」に尋ねていけばいいのでしょうね』という富田先生のお話に、「すべての存在は、互いにつながり合い、関係し合っている」という「縁起」の教えが重なりました。
父と子、母と子、保育者と子……。私たちは、子どもたちの「自分らしさ(人格・自我)」の成長の途上に、多くの「縁」をいただきます。
そしてまた、子どもたちと深く関わらせていただくことによって、親として、保育者として成長させてもらっていると感じています。
これからも、その一瞬一瞬の貴重な「縁」を大切に、子どもたちとの対話や遊び、ふれあいを楽しんでいきたいと思います。

私の雑記帖

本物に触れながら、心を育てる   
カネイ中川仏壇 tsumiki salon KINDI/中川千裕

『私の雑記帖』は、漆おもちゃプロジェクトの活動をされている中川千裕さんのお話です。
幼い子どもたちにとって、木や布素材のおもちゃの温かさに触れて遊ぶことは、豊かな心を育む、とても貴重な日常であると日々感じていますが、病院内に持ち込むことが出来ないということを初めて知りました。
そんな中で、抗菌・殺菌作用のある漆塗りを、木のおもちゃに施される中川さんたちの活動によって、病院で過ごす子どもたちの遊びの可能性が広がります。
tsumiki salon KINDIが、これからも、子どもたちの希望の場となりますように応援したいと思います。
貴重な原稿をありがとうございました。

お話の時間 つきみとほし52

時間だよ   文・絵/三浦明利

今月の『お話の時間』は、一日の生活の中の様々な場面で、「時」を感じるつきみちゃんとほしくんのお話です。

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早くも、初夏の日差しを感じるような今日この頃ですね。
(鎌田 惠)

令和8年5月15日 ないおん編集室(〜編集室だよりから抜粋〜)

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