「ガータロー」と「チョッパゲ」  五島列島の 「河童」 伝説
 島のガータローに取つて、一番恐ろしいのはチョッパゲだという事である。

 チョッパゲ(※瓢箪の一種)というのは表皮の固い瓜の一種で、島では二つに割り、 中の実を除去し、干して柄杓(ひしゃく)の代用に使用しているものである。

大円寺川
大円寺川・かっぱ池の火消し河童と
矢印が水天宮、その右は相撲の矢倉

チョッパゲ

 ある日大円寺川(※福江川)を一つのチョッパゲが流れて来た。大円寺川のガータローは それに戦を挑んで、たちまち河底へと引き込んだが、手をゆるめるとチョッパゲは 苦もなく河面へと浮き上った。ガータローは又引き沈めたがチョッパゲは又浮き 上がる。

 かくして終日終夜闘ったが、ガータローは遂にチョッパゲを沈め果せない で、勝利はチョッパゲに帰した。

 以後島のガータローはチョッパゲをひどく恐れるようになったという。

<五島民俗圖誌 久保清・橋浦泰雄 著 一誠社 昭和9年11月発行>
(現代漢字かなに修正し、※は注釈を入れました。)



⇒長崎県では、西彼杵郡外海町に同じ様な「川ぼうずの婿入り

⇒島原半島に、「瓢箪と河童」の話があります。



長崎県の河童伝説  長崎坂づくし   対州馬   index