コラム

社員の化学日記 −第96話 「無題」−

今まで何度もホームページの管理担当者から依頼されて(いや,強制されて)原稿を書いてきたが,それでもその度に「あー書いたらどうか」「こう書いたらどうですか」と何かにつけて彼からアドバイスを得てなんとかこなしてきた。

今回もそのアドバイが,・・・あれ??アドバイスがない?! おい!なんとか言え!

最近の大きな法改正で彼も忙しいようだ。年寄りの相手をしている場合ではないらしいので仕方ない。 今回は自分で考えねば・・・。

巷では,お笑い芸人が書いた小説が芥川賞を受賞する時代である。 でも,前にも書いたと思うが,自分には文才がないのである。あれば作家になっている。

このコラムは「社員の方化学日記」だが,前のシリーズではいろいろな科学に関係した内容が書かれていた。 管理担当者は日常の出来事で化学に関係したことなら何でもいいと言うが,そうはいかない。 自分も書かなければと,つい身構えてしまう。

で,結局何かないものかと新聞記事を読み漁り,以下のような記事を見つけたので,これで勘弁してもらおう。

「新素材に熱視線-セルロースナノファイバー-植物由来 強度は鉄の5倍」

植物由来のセルロース,つまりは紙に鉄の5倍の強度をもたせるとはどういうことか。

通常,紙はセルロース,すなわちパルプを精製してつくる。 その際に植物繊維をナノサイズ(1ナノメートルは1,000,000分の1ミリメートル)にまで細かくほぐしてつくった「紙」(セルロースナノファイバー)は鉄の5分の1の軽さで5倍の強度を有するようになる。

これを他の材料と混合したり,特定の機能を持つ物質を化学的にくっつけたりすると,「紙」に特定の機能を持たせることができるとのこと。 すでに某製紙会社は消臭機能をもたせた紙おむつをこの技術で実用化しているらしい。

繊維を細かくほぐすと鉄の数倍の強度をもたせることができるというのはどうもピンとこないし,数ナノメートルまで細かくすると,可視光線(色のついた光)を通してしまうので透明な紙ができるらしい。

詳しい理論は自分にはさっぱりわからないが,科学の進歩はすさまじい。 こんなところで今回はおしまい。

【Y(ペンネーム)】

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