コラム

社員の化学日記 −第9話 「酒よ」−

先日,○○回目の誕生日を迎えた。

歳をかさねるとあまりうれしくないが,来てしまったものはしょうがないという感じで開き直っている。 気持ちだけは若いつもりでいるが,○○歳を超えたぐらいから身体にもいろいろとガタがではじめている。 6年程前から医師からはすでに注意されていたが,先日の健康診断でもお酒はほどほどにしておくよう再度言われてしまった。

お酒全般に嫌いな方ではないが,すすんで自分から大酒をあおるほどでもなかった。 一人暮らしをしていた若かりしころは,ウィスキーをストレートで飲んで身体を温めたりしていたが,結婚後は一年を通じて日本酒の熱燗を飲んでいた。

やがて子供がはじめた少年野球の後援会の飲み会で焼酎の味を覚えた。 最初は熊本出身の後援会の会長さんのお付き合いで焼酎のお湯割を飲んでいたが,その後の健康ブームで焼酎は日本酒よりも添加物が少なく, 芋焼酎は特に血行にいいと聞いて日本酒よりも焼酎に好みが移った。

しかし,人間という動物は非常に自分勝手な生き物で,制限されるとそれに逆らって飲みたくなってしまうものである。 それまではそうでもなかったのに,お造りなどのおいしそうな魚料理をみるとそれに合いそうなお酒の味が思い起こされ,飲みたいという衝動に駆られてしまう。 だが,人間は自分勝手であると同時に理性も兼ね備えているので,身体のことを考えてぐっと我慢する。

そもそも人間はなぜお酒を飲みたがるのか。何かを忘れるためか?ストレスの発散か?それとも本能か?

人間以外にもお酒やアルコール分を好んで飲む生物はいるのか?(わざわざ自分で作って飲むのは人間しかいないだろうが・・・。)

昔から「酒は百薬の長」というらしいが,身体にいいものであるにもかかわらず,アルコールは体内に入るとなぜアルデヒド,酢酸を経て炭酸ガスと 水に分解されてしまうのだろうか?

同じ嗜好品でもタバコは「百害あって一利なし」といわれるのに比べたら大きな差ではあるが,自分のように身体に不調箇所が見つかると,タバコと 並んで目の敵にされてしまうのはなぜだろうか?

ひたすら我慢するだけでは理性が長続きしないので,時々こんなことを考えては気を紛らわせている。

【Y(ペンネーム)】

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