コラム
社員の化学日記 −第177話 「後始末まで」−
高層マンションの設立時、あそこのマンション壊し方が決まっていないよとの噂を聞いたことがあった。 マンションの耐用年数は築50年らしいので、その時期が来てから取り壊し方法などを検討するのだろうか?後始末は次の世代へ先送りしているのかな?
しかし、自分自身も家電など廃棄やリサイクルなど使用後のこと考えず購入していた物が結構あった。 そして廃棄などに苦労することが多かった。 目先の事だけで行動すると後で面倒なことになることを学んだ。
現在、脱炭素へ向けて太陽光パネルを推進されているようだが、本当に後始末のことまで考えているのだろうか? トレンドに乗っかり目先だけの環境負荷軽減で後先考えず推進している様に感じるのは気のせいだろうか?
日本の高度経済成長期には、いくつかの公害病が発生した。 人間の産業活動や事業活動により排出される有害物質により健康被害が引き起こされた。 有機水銀による汚染⇒ 水俣病 亜硫酸ガスによる汚染⇒四日市ぜんそく カドミウムによる汚染⇒ イタイイタイ病 など
当時は、産業活動での経済的成長に気を取られ、産業活動の後始末の部分まで考えが及んでいなかったようだ。
脱炭素に向けての太陽光パネルであるがいつかは、廃棄しなければならない。 鉛、セレン、カドミウムなど重金属や有害物質が含まれる廃棄物を適切に処理できる見通しが立っているのだろうか? 今は良いかもしれないが、将来必ず廃棄の問題はやってくる。 過去の公害のような事にならぬよう、問題を次世代へ先送りすることなく進んでほしいと願う。
しかし、先のことを考えすぎると今が疎かになりそうで怖い。
【白色林檎(ペンネーム)】