コラム
社員の化学日記 −第134話 「ゴマ」−
暑い。
猛暑日という言葉が普通に聞かれるようになって久しいが,それでも日中外出した時のダメージは一向に慣れてはこない。
余りの日差しの強さに暑さを通り越して,皮膚が焼けそうな「痛み」すら感じることもあり,年寄りにはこたえる。
元々食は細い方であるが,これだけ暑いとさらに細くなってしまい,あっさりした食材が中心になりがちになる。
よって,食欲増進に効果のあるようなものを意識して摂るようにしている。
例えば,ゴマ。
薬味として擦ったゴマ加えたり,おひたしに振りかけたり,暑い時期には味のアクセントとしても重宝されている。
ゴマは,ゴマ科ごま属の1年草でアフリカのサバンナが原産。
古くから食用とされ,アミノ酸,ビタミン,カルシウムなど栄養素を豊富に含んでおり,肉を食べない僧侶の栄養源として精進料理にも利用されてきたらしい。
最近ではリグナンと呼ばれる植物エストロゲンの一種である「セサミン」という物質が注目を集めており,抗酸化作用,肝機能強化によって細胞の老化やガン化を抑制する効果があるとのこと。
また油分(脂質)はオレイン酸,リノール酸が80%を占め,タンパク質も豊富に含み,コレステロール抑制にも効果もある。
これらの効果が注目され,ゴマからセサミンを抽出する技術を開発した企業が健康食品として売り出している。
自分はこの歳になってそこまでして,より健康になろうとは思わないが,この猛暑の中,体調を崩さない程度に健康を維持できればそれで十分と思うのである。
【YS】