スイス サンモリッツ (St.Moritz)


サンモリッツは2泊したが前後は移動に使い、実質、中一日しか動けない日程だった。
次の日に、イタリア・ドロミテに行くので、朝レンタカーを借りた。午前中は、左ハンドルの練習にマローヤまでの小ドライブをした。立派な石造りで景色の良さそうなベルヴェテーレ塔(Turm Belvedere)が見えたので、裏の谷側から登った。見晴らしは良いが、周りは雪や氷河がほとんど見当たらず、穏やかと言おうか、おとなしい景色だった。
マローヤ、ベルヴェテーレ塔から
サンモリッツは高級リゾート地で、立派なホテルがあり、町は高級ブランドの店ばかりだが、町から見る景色は平凡で、何故高級リゾート?と不思議な気がする。年間を通して90%近くも晴天日があるからだろうか、湖があって静かな落ち着いた山の景色がヨーロッパ人に好かれるからだろうか。何故高級リゾートになったんだろうと首をかしげる。



 ムルテルからスールレイ峠往復(Round Fuorcla Surlej)

午後しか時間が無かったので、コルバッチ(Corvatsch)へゴンドラで上がり、帰りに中間駅・ムルテル(Murtel)で降り、スールレイ峠(Fourcla Surlej)を往復する楽チンハイキングコースにした。道は良く登りも少なく、安心して歩けます。
ローゼック谷(Val Roseg)を下りれば、一日ハイキングコースになります。

 歩いた日;2005年7月25日

 コース;Murtel-(30min)Fuorcla Surlej-(30min)Murtel

ムルテルの駅を降りて、サンモリッツの湖とは反対側に出る。ガレ場ながら2〜3人並んで歩けるほどの綺麗なトレイルが続いているのが見え、その先にたしか峠の小屋も見えたと思います。始めは少し下り、最後はジグザグのゆるい登りになる。峠に着くと正面にパーとピッツ・ベル二ナの山と氷河が目に飛び込んできます。峠を10分ほど下ってみると、右のローゼック氷河が少し広がって見えました。

コルバッチ駅の展望台で見えたピッツ・ベル二ナの頂上が雲で隠れて見えないので、30分ほど待ちましたが、期待通りにはなりませんでした。それでも、サンモリッツでも氷河が見られ、満足のいく小ハイキングでした。なにしろ、サンモリッツの町からは雲がかかっていたせいか氷河のある山はどこにも見えず、高い山は何処にあるのかと心配していたほどでしたから。

  スールレイ峠より 
山は左ピッツ・ベルニナ(4049m)、中央ピッツ・ローゼック(3937m)、
左の氷河はチェルヴァ氷河、左はローゼック氷河 
       




コルヴァッチ展望台

コルヴァッチのゴンドラ駅は、大きな岩が至る所でガサガサとひび割れがしていて、今崩れてもおかしくないような崖の上に立っています。だいたい何処のゴンドラの頂上駅も、大丈夫かと思うような所に建ってはいますが、ここでは、あの上の駅の崖が崩れたら、このゴンドラは何処に落ちていくのか、などと恐ろしいことが頭に浮かび、下を覗いてゾーッとしました。二度と乗りたくないゴンドラでした。

とはいえ、展望台からの景色はなかなかのものでした。下の湖は雲がかかりほとんど見えませんでしたが、山側はまずまずでした。ピッツ・ベル二ナも良く見えました。直ぐ近くのピッツ・コルヴァッチは標高差が150mほどですが、見た感じはもっと高くみえましたし、氷河の表面は光っていて氷がむき出しになっているようでした。簡単に登れる感じはしませんでした。

 
 ピッツ・コルヴァッチ(3451m)
/コルヴァッチ展望台より
左の氷河を従える大きな山はピッツ・ベルニナ(4049m)、
その右はピッツ・ローゼック(3937m)



ムルテルの中間駅で下りるゴンドラを待っていたとき、ハイキング姿の一人の若い女性と話す機会がありました。いくらか話した後に、

何処に行ってきましたか、と尋ねたら
ずうーっと向うに見えるちょっと黒い岩のところに午前中から行っていました、とのこと
話していてどうも解せないので、
もしかして、何かの研究ですかと聞くと
ジェオロジーの勉強です、とのこと。
筑波大の地質学の院生で、教授と生徒何人かで来ているが、今日は個人のテーマで一人で歩いているとのこと。この辺の岩は昔氷河で覆われていたが、今は氷河の重しがとれて、風化がどんどん進んで、岩がぼろぼろになってきているんですよー、と説明してくれた。
ワー、キレイと言って喜んでいる我々とは違い、研究の為に歩いている若い女性がいることに何ともいえない心強さを感じた。



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