初秋の3日間だけ
ひなびた村の乙女は
美しくなる。

夕暮れとともに
おわらのぼんぼりが
しだいに色ずいて

この日のためだけに
ひととせを殺してきた
静かな思いが爆発する

女は胡弓の音に酔いながら
八尾の坂道を華奢に跳ねる

男は大胆さと切れのよさ
が命とおどる

灯りが消えてゆく時の
あの あやうさと
美しさの中で
こころの琴線がこたえる

こんなあやしい魅力に取り付かれて
おわら風の盆に今年も
命の恋を燃やします。

                  
 風

風/恋

owara kazenobon

The beautiful face which a paper-covered lampT
dyes the town in Yatuo is hidden, and a maiden
dances painful love according to 胡弓.

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